キズナロード開幕戦、高橋裕二郎が復帰したことは嬉しいですね~。
中心選手ではないとは言ってもいないと寂しいキャラなんですよね(笑)
そんな高橋裕二郎はBULLET CLUBとしてジェイ・チェーズと組みましたが、その対角線に立ったのは棚橋弘至。
復帰戦での惨敗、大阪城ホールでは世界中の棚橋ファンの頭にクエスチョンマークがついた新技など明らかに調子が戻っていないエースですが、今日から新技の精度を高めていくと思いきやテキサスクローバーホールドで勝利しています。
試合後には「棚橋弘至の大きな転換期が来た」ということや、これまでの棚橋弘至が練習していたのは誰よりも大きく、強く、早く、スタミナがあるなどを目指していたが、それらはすでに自分より上の選手が何人もいるという現実を語りました。
その上でだからこそ「これからは勝つための練習をする」というシフトチェンジを宣言しました。
棚橋弘至選手からすればクリスジェリコや藤波辰爾がとても良い参考になると思うのですが、トップ選手がキャリア後期に来た時にどのような選択肢があるのか?というのは、これから内藤にしても後藤にしても飯伏にしたってやってくることなのですから、1つここで最高のお手本を棚橋選手には作ってほしいなとも思います。
ただ、棚橋弘至レベルの選手となるとそう簡単なことではないんですよね・・・
IWGPと共に生きたスター選手が背負ってしまうこと
棚橋弘至と言えばIWGP。
それぐらいに棚橋弘至はIWGPと共に生きてきた選手です。
ですから現役である以上はIWGPの名前を永遠に口に出さないといけない状況になっているわけですが、これがまた天下を極めたレスラーの辛いところなのでしょう。
永田裕志選手もミスターIWGPと呼ばれましたが、やはりそのベルトから遠ざかると急に目立てなくなってしまいました。
そしていつの日にかあまりIWGPを口にしなくなり、試合は前座にとなっていきましたよね。
90年代で言えば武藤敬司はあまりにも特殊な存在だったのでIWGPが無くても関係ないという感じでしたし、蝶野正洋はIWGPとの接点が少ない故に自由勝手にカリスマをばら撒くような存在になれたと思います(これは内藤も近いのではないか)
しかし、仮に橋本真也が小川戦や新日本プロレスとの決裂などなくそのまま新日本プロレスのレスラーだった未来があったとしたら?
IWGPから遠くなり、動けなくなり蹴りも足が上がらなくなってきたらどれだけ見る目が厳しくなってしまったでしょうか。
IWGPと共に生きて、IWGPと共に去ることはできないわけです。
IWGPは常に最強を求めます、これからもずっと。
共に生きた人間はIWGPとの別れの時が来てしまうわけです。
まさにこの苦境を新日本プロレスの歴史上最大に受けているのが棚橋弘至なのではないかと思います。
そして、これは10年後に必ずオカダカズチカにも訪れるはずの苦境です。
ある意味ではIWGPという麻薬ですよね。
これが抜けた時の禁断症状というか、そういう物凄い苦痛を味わうのではないかと。
そう考えると、これからの棚橋弘至の生き方というのはオカダカズチカの未来に光か闇のどちらかを残すと思います。
僕は、それが光であってほしい。
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