オカダカズチカのレインメーカーという技が新日本プロレスを面白くした理由

オカダカズチカと言えばレインメーカー、金の雨を降らすというキャッチコピーの意味でありオカダのフィニッシュ技・必殺技として今では知らぬプロレスファンはいないほどメジャーになりました。

新日本プロレスが長いトンネルを抜けて上昇気流に乗り始めたころに帰国したオカダカズチカは東京ドームでYOSHI-HASHIとダブル凱旋帰国戦を行いましたが、その時のレインメーカーはショートレンジのネックブリーカードロップという形式でしたので説得力がなく、試合もイマイチだったことからメイン後に棚橋の前に立ち挑戦表明した時は大ブーイングでした。

しかし、ここでオカダが素晴らしかったのはレインメーカーを即座にショートレンジで思いっきり振り抜くラリアットに変更したこととと、棚橋弘至がそれを見事なまでに受けたことと旗揚げ記念日に内藤哲也との見事な切り返し合戦を行ったことだと思います。

この切り返し合戦こそオカダカズチカのレインメーカーの格を一気に跳ね上げ、そして新日本プロレスの試合をスリリングなものにしたのだと思います。

レインメーカーの切り返し合戦 レインメーカー大喜利

レインメーカーという技は「食らったら終わりだ」という破壊力があることで、それを絶対にもらわないように相手選手が立ち回ることで自然に生まれたのがレインメーカーの切り返し合戦でありレインメーカー大喜利と呼べる動きです。

大喜利とはお題に対して気の利いた回答をすることと言いましょうか、余談ですが私はNHKで放送されていたケータイ大喜利の愛知メジャー7段の「味噌ジジイ」でしたので(本当です)大喜利にはウルサイのですが、このレインメーカーというお題に対しての一連の動きというのはまさに格闘大喜利と言えるのです。

最初のIWGP戦ではレインメーカーを回避した棚橋がドラゴンを狙ったり、最後はレインメーカーを回避してスリングブレイドを回避してレインメーカーという短い展開でしたがそれでも相当にスリリングなものに感じました。

恐らくこの展開が「試合を一気に面白くする」ということにいち早くオカダは気がついたことでしょう。

そして今の原型というかすでに発展形と変化したのが旗揚げ記念日でのオカダカズチカと内藤哲也の試合です。
これは今見ても名勝負であり「この試合で新日本プロレスが明るくなった」とも言えるターニングポイントですので、ぜひ最近ファンになった人も見てほしいです。

・ジャーマン風に持ち上げる(オカダカズチカのそれまでの代名詞はジャーマンスープレックス)
・そこからのレインメーカーを内藤が回避してオカダを丸め込む。
・カウント3で返してすぐに内藤哲也が高角度前方回転エビ固めを狙うがオカダが身をかがめて回避
・必然的にオカダが内藤の背後に立ちレインメーカーを狙う
・それを回避した内藤がオカダのバックを取る
・それを回り込んでバックを取り返したオカダがジャーマンを狙う
・内藤が一回転して着地
・そこから内藤得意のジャンピングエルボーを狙う
・それを回避したオカダがレインメーカーを浴びせて勝利

この一連のスリリングな攻防が何と約30秒で行われているのです。


30秒間の間、試合を見ている側は呼吸をすることも忘れます、心拍数も上がります。
そしてこの間はレインメーカーが当たれば終わりの必殺技であることを常に意識するので、1秒また1秒とレインメーカーという技の恐怖感や期待感が上がっていくことになります。

またプロレスのセオリーとして一連の攻防というのは試合を重ねながら徐々に複雑化していくのが常なのに、この二人はレインメーカーの攻防というテーマが生まれてすぐに2019年の現在までの歴史の中でも上位の攻防をしているのですからやはり天才的な2人のレスラーなのだと再認識できますね。

レインメーカーに対抗する必殺技が生まれ始めることで更に新日本プロレスのレベル上昇と面白さが加速していく

しかし、このレインメーカーを巡る攻防を更に面白くしていくには絶対的に足りない物がありました。
それはレインメーカーを巡る攻防ではあるが、相手側は回避することがメインになっているということです。

レインメーカーという必殺技に対して、相手側ができることは回避と必殺技ではない技での応戦であったということです。
この時期を振り返ると新日本プロレスのトップどころの必殺技に飛び技が多すぎたのです。

棚橋弘至「ハイフライフロー」
真壁刀義「キングコングニードロップ」
内藤哲也「スターダストプレス」
これではもちろんレインメーカーからの流れで使うことはできません。
更に後藤洋央紀の昇天改はレインメーカーを避けて使うことができませんでした。
(しかし後藤の場合はヘッドバットや回り込んでの裏昇天が非常に適していたので名勝負が生まれたとも言えます)

中邑真輔とは同じCHAOSなのでシングル戦が少なかったですが、中邑の場合はカウンターのボマイェが可能な上に隠しフィニッシュ技の飛びつき腕十字があったのでこちらも終盤の攻防はスリリングでした。

さて、そんな中で生まれてきたのが「レインメーカーに対して使える必殺技です」
これは一時期オカダが「対レインメーカーみたいな必殺技がやたら出てきましたね」とコメントしていたように、まさにそのおかげで新日本プロレスの試合が更に上のレベルに上昇していきました。

近年で言えば内藤哲也のデスティーノに関してはまさにレインメーカー対策できる必殺技でしたから、一人ロスインゴをスタートして最初にあの技を披露した瞬間に多くのファンは「これでオカダに勝てる!」と思いましたよね(笑)

EVILのEVILは非常にシンプルにオカダを倒すためだけに考えたような必殺技ですし実際にオカダからの勝利を手にすることになりました。

ケニーの場合は必殺技ではないですが、対レインメーカーでカウンターで使う時の説得力を高めるためにVトリガーの格をどんどん上げて対策していたと思いますし、何より今ジェイホワイトが天下を手にした理由もソレでしょう。

ジェイホワイトのブレードランナーはレインメーカーに来たオカダをそのまま抱きしめるような形になれば使えますので(東京ドームでもそうでした)これほどまでにレインメーカー対策になっている必殺技は他にありません。


そしてこのことから言えるのは対レインメーカーを考えている選手が多いということは新日本プロレスはオカダが中心であるということですし、これからもまだまだレインメーカーに使える必殺技を開発する選手が出てくるでしょう。

オスプレイがスパニッシュフライを雑に使わずに終盤のここ一番で使うようにして格上げするようになったのも大きな理由はレインメーカー対策なのではないか?と思いますからね。

新日本プロレスのリング上で今後の必殺技はどうなっていくのか

ジェイホワイトの急成長により、これからはブレードランナー対策の技も増えていくかもしれません。
ただレインメーカー対策として使えるブレードランナーなので、応用はすでに色々な選手ができますから、ジェイホワイトVS内藤哲也・EVILというようなカードは早く見たいですね。

また飯伏幸太のカミゴェも様々な切り返し合戦が見られるようになってきました。
仮に飯伏幸太がトップに立つ時代が来るなら、切り返しに対応できる必殺技を持つ選手との試合はかなり面白くなっていくことでしょう。

90年代を思い返すとこういうプロレスの動きはまだありませんでした。
三銃士では武藤がムーンサルトプレス、蝶野がSTF、橋本真也が垂直落下式DDTでしたが、ムーンサルトプレスは避けるか当たるかですしSTFは耐えるか負けるかです。
垂直落下式DDTに関しては後ろに回るとか膝を脳天に入れて回避するなどありましたが、そこからの発展形というのは生まれてきませんでしたからね。

そういった部分では令和最初のMVPを狙うべく気合いが入っている棚橋弘至のハイフライフローや真壁刀義のキングコングニードロップはやはり一世代前の技ですし、後藤のGTRも食らう前に上体を起き上げるぐらいしか動きがありません。

また今後の新日本プロレスを担うであろうSANADAはスカルエンドが切り返し合戦ができる技ですが如何せんスカルエンドが地味という欠点がありますし、ムーンサルトプレスは武藤敬司と同じで当たるか避けるかという攻防で止まってしまいます。

ただそのシンプルさもプロレスの魅力だと思いますので、終盤の複雑化する攻防を主体とするスタイルの選手とシンプルで明確なプロレスとの路線で戦う選手との比較というのもこれから生まれてくるのかもしれませんし、様々なスタイルのプロレスの最高峰を見ることができる新日本プロレスというのはやはり凄い団体なんだなと思いますよね。

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