ありがとう、オスプレイ

新日本プロレスのジュニアの世界でもヘビーの世界でも中心人物だったウィル・オスプレイが去る。

今回の大阪大会では涙、涙の棚橋弘至vsオカダ・カズチカの試合もありましたが、メインイベントのドッグパウンドケージマッチは「終わりこそ涙」とはいえ、64分間のイカれたコメディ映画を見ていたような気分です。

なので賛否両論あって当然ですし、こんなの新日本プロレスじゃない!と言う人もいて当然です・・・新日本プロレスを背負って戦ってきてくれたオスプレイが「己の最後をこうしたい」と考えたのであれば個人的には大歓迎です。

まぁ、そもそもイカれた系のコメディ映画も好きですから私。

オスプレイを送り出すために敵味方問わず9人の選手がとにかく盛り上げている「パーティー」のようだったという印象ですし、そこに身を投げたオスプレイは腹の底までボロボロにされて最高の旅立ちをする・・・って私は思いました。

下手すりゃ「血で涙を隠している」ぐらいにも見えた狂乱祭りin大阪ですよ。

恐らくコブは怪我が万全じゃないので早めに手錠をしたんだろうなとか余計なことを考えたり、HENAREが途中不在→包帯ぐるぐる巻き→その下から血→明らかに顔の色がいつもと違うなんて部分は心底心配にもなりました。

明らかにリングマットを外して板の上で試合をした部分は「試合が超長い中でこの時間は間延びして熱が一度静まっちゃうな...」とか冷静に見てしまうシーンもありましたが、全体を通して「オスプレイに心配をされずに見送りたい」と言わんばかりのファイトを見せたフランシスコアキラの奮闘なんかはグッと来ましたね。

それにしても「オカダ・カズチカは強さ」を見せて「オカダ・カズチカのまま去る」ようですが、オカダ・カズチカという選手はあまりに強すぎて「悲壮感」や「湿っぽさ」があまり似合いません。

マイクを持てばどこにでもいるような気の良いカッコいいお兄さんですが、レスラーとしてはという意味で。

なので過去に「オカダ・カズチカがスランプ・・・」みたいな時って何度かあったじゃないですか?

ファレに負けてスランプとかですね(笑)
でもファンから見ると「絶対王者が1シリーズぐらい、直接負けるわけでもなくスランプっぽいことを口にはするけど全然スランプに見えない」という選手でしたので、やはりオカダ・カズチカは強く棚橋弘至から完勝した姿が似合いました。

一方のウィル・オスプレイはとんでもなく凄い選手で強い選手でもあると思うのですが、負けるときは徹底的に負けますし、ボロボロになっても目だけは死んでいないが体が動かない・・・的な姿が本当に似合う選手です。

だからこそ、この試合で最後の最後にあの負け方をしたことは美しく見えました。

さて、新日本プロレスの2トップがいなくなる2024年。

ピンチは最大のチャンスという言葉もありますが、ピンチ過ぎるときはやはりピンチなわけで。

オスプレイとオカダ・カズチカを直接的に超えた若い世代がいない状態ですから、ある意味ではレインメーカーショックの前ぐらいと変わらないわけです。

ここからどう巻き返していくか・・・


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