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棚橋弘至、オカダカズチカに勝利
9月23日、新日本プロレス神戸大会のメインイベントは
IWGP挑戦権利書保持者、棚橋弘至VSオカダカズチカの試合でした。
幾度となく試合をしてきた2人ですが、マンネリ化することなく
新しい要素を取り入れた素晴らしい試合となり、結果は棚橋弘至が勝利。
レインメーカーショックと呼ばれる2012年、当時の王者棚橋弘至を帰国して早々のオカダカズチカが勝利してから
一時は棚橋弘至が盛り返してオカダの壁となりましたが、その後は棚橋が追いかける形に。
今年は棚橋がオカダに挑戦して敗北、G1で引き分けと来ての、久々の棚橋勝利となり
G1でのエース復活の流れを途切れさせることのない大きな勝ち星となりました。
しかし、この試合後の展開が大変なことに・・・
ジェイ・ホワイト乱入 YOSHI-HASHI転倒
オカダカズチカと同じユニットCHAOSのジェイ・ホワイトが試合後に乱入。
ジェイはG1で棚橋とオカダに勝利しているし、そもそもCHAOSを乗っ取るということは
1年近く前から言っているのでこの乱入は想定内。
棚橋に攻撃をしてからオカダにも攻撃をしたことまで大半のプロレスファンは
「いつかそういうことがある」と頭に描いていたでしょう。
さて、その時に花道を全力疾走してきたのはYOSHI-HASHI。
棚橋が「俺のところにこいよ」と勧誘をしていたYOSHI-HASHI。
オカダとは今シリーズで不仲になるアングルで話題を作っていいたYOSHI-HASHI。
愛されキャラで天然ボケ、中邑真輔も可愛がっていましたし
オカダとも仲良し、棚橋も気にかけている36歳。
突き抜けることができず苦悩している中「棚橋と組むのか」「オカダと決裂か」という
大きなテーマがG1から伏線としてありました。
その結論が出る。
走るYOSHI-HASHI、ついに何かが動く!
そう思っていると、YOSHI-HASHIが全力疾走のまま転倒して
ものすごい勢いでリングサイドかその下の支柱に激突。
実況は「・・・?」となり、真壁が「あいつこけて顔面売ったろ、馬鹿野郎」とコメントする中
※この真壁の馬鹿野郎は(こんな一番大事な時に・・・何してるんだよ)という複雑な物でしょう。
しかしリングに上がってきたYOSHI-HASHIですが・・・
顔面が血だらけ。目はうつろで足元もおぼつかない。
そりゃそうです、映像で見て「ゴンッ」と音が入っているぐらいですし
あの全力疾走でリングの硬い部分に当たれば下手したら死にます。
おそらく立ってられる状態じゃない中、観客も視聴者もパニックになる中
YOSHI-HASHIはジェイに攻撃を加え、オカダを心配する素振りを見せる。
(ただこれらの行動が予定通りなのかは謎)
そこでジェイが予定通りなのか機転を聞かせたのか
YOSHI-HASHIの頭に椅子を投げつけ、即座にレフェリーに対して指でYOSHI-HASHIを指し
倒れたYOSHI-HASHIを場外に落とすという行動に出た。
「おい、やばいから確認しろ」という合図をしっかりしてから場外に落とし
更にジェイはYOSHI-HASHIに歩み寄り、その事故で流血した顔から血を拭い
自分の顔や体に塗るという若手とは思えないアドリブ的パフォーマンスで
少しでも流れを正しい方向にしようとする。
そこでオカダカズチカと7年近い蜜月関係であり
オカダカズチカをスターに育てた外道が乱入。
ジェイから椅子を奪い取り、オカダを立たせて・・・
なんと裏切りの椅子攻撃!!
外道がマイクを持ち、棚橋とオカダに「二匹の負け犬の戦いは終わったか?」とアピール。
そしてこれからはジェイ・ホワイトの時代だとアピール。
この時、外道が「カメラ!この負け犬ではなくジェイだけを映せ!」と叫んだが
これはもしかすると、YOSHI-HASHIを映させないための機転なのか?
実はこのとき、YOSHI-HASHIは担架で運ばれている状態だったので
それを撮らせないためなのか?と。
裏付けとしては、実は生中継のときはYOSHI-HASHIが転倒したシーンが放送されましたが
その後のアーカイブでは、その瞬間にジェイのドアップになり(なので画質がそこだけボロボロ)
転倒したことをなかったことにしようとしているふしがあるからです。
※でも真壁たちが実況で「あいつこけたぞ」とか言っているので意味がないが。
これにて、長年の人気ユニットだったCHAOSは分裂or解体となり
オカダ&外道のコンビも完全に終了になっていく。
大きな転換期となるリング上ですが、問題が色々と出てしまいました。
今後のストーリー展開と新規ファンが対峙すること
まず、YOSHI-HASHIの転倒後の行動が本当に予定通りだったのか?
かなりの強打をしている状態で必死に自分の役目を果たしたように見えますが
オカダとの決裂or棚橋との合体がテーマだっただけに、
ジェイからオカダを救出に入り、オカダを気遣うシーンというのは
本当にあれが本来の予定だったのかという疑問は感じます。
棚橋と合体するのであればそれはおかしい流れですし
何なら、棚橋を放置して一切の絡みがなかったのもおかしい。
そもそも棚橋の呼びかけに対してYOSHI-HASHIがどうするか?が
2ヶ月前から続いているストーリーラインなわけですから。
本来の予定だったというのであれば、YOSHI-HASHIはジェイに椅子を
ぶつけられたぐらいで運ばれて行き何もしないで下がる笑い者の役立ったのか?
ということになってしまいますからね。
結局、その辺りが今回のYOSHI-HASHIの転倒であやふやになったまま
両国大会を迎えることになるわけですし、ジェイは権利書を狙うわけですから
これで棚橋とシングルを組んだところでオカダは宙ぶらりんになります。
その後はタッグリーグとなるので、オカダとジェイの試合がドームでノンタイトルなのか?と思うと
それは何だかインパクトがないというか、、、
タッグリーグが入るというのもかなり邪魔で
そこまでに棚橋&YOSHI-HASHIなのかオカダ&YOSHI-HASHIなのか
この辺りの流れを作るための大会数があまりありません。
ましてや棚橋&オカダ、負け犬と罵られた2人が組んで
ついに夢のタッグ結成!となるとYOSHI-HASHIの立場がありません。
さて、同時進行でロスインゴベルナブレスも内藤が「一歩踏み出す勇気」というワードで
何か行動を予感させますが、新メンバー加入なのか?なんて言われています。
プロレスというのは数年に1回はユニット編成などありますし
新日本プロレスというのはそういう歴史が多くそれが盛り上がるわけです。
というか、10年同じメンバーで同じことをするなんてエンタメとして成立しませんからね。
ただ、ネットの声を見ていると比較的新しいファンの人達は反対している人が多い模様・・・
今はレスラーのツイッターに直接コメントができるわけですが
「何で裏切るんですか!?」「仲良くして!仲良しな◎◎が好きなんです!」とか
「5人の◎◎が最高なので他は必要ない!」「裏切りとか人間不信になります!」なんて
本気で書いている人たちが驚くほど沢山います。
新日本プロレスがついに最高の格闘エンターテイメントとして
WWEともやりあえる可能性が出てきた要因となったのは近年の人気ですが
その近年の人気を作り出している新規のプロレスファンの人たちが
プロレスを不思議な見方で見ているなと感じるのです。
ガチンコだけの格闘技だとも思ってないでしょう。
エンターテイメントだとは思っているのでしょう。
でも人間関係とか裏切りとかそういうのはガチンコだと思っている?
そもそもアイドルとかV系のファンっぽい雰囲気になってきているので
変化をあまり許さないタイプなのだろうか?
よくわかりませんが、この大会の内容から新規ファンが狼狽しているような
不思議な現象が起きているわけです。
古いファンというか、普通のプロレスファンならこの手の転換期というのは
ワクワクするわけですし、今回のような裏切りというのはリング上で
プロレスラーがプロレスラーとしてやっていることはわかっていますので
「外道さんとオカダさんが仲良くしないと嫌!」なんて思わないというか
「仲良い素晴らしい関係」ってことはわかっているわけです。
なぜこんなことに・・・と思ったのですが、そういえばここ数年の新日本プロレスは
あまり大きな転換期はありませんでした。
オカダが帰国、棚橋との戦い。
CHAOSがあり、本体があり、またケニーや飯伏幸太が参戦して
内藤率いるロスインゴが絶大な人気を得て、鈴木軍もやはり濃いファンがいて
少々の変化はあっても大幅な変化というのはあまりありませんでした。
なのでプロレスファンが言う「何・何 の事変」じゃないですけど
プロレス的な「事件」という展開を新規ファンの人たちが経験するのは
今回が初だからこんなことになっているのか?と推測しました。
「10年後も同じメンバーで!」みたいな発想ってプロレス的には最悪じゃないですか。
アイドルじゃないんだから。
ただ、NWOブームでファンが増えた時期とか武藤と蝶野の決裂やら何やらありましたけど
あのときはそういう声はあまりなかった気がするので、ネット時代になったことで
0:100でしか物事を考えない人が増えていることも理由なのかもしれないですね。
考えてみたら新規ファンの人たちは「自分の好きな選手が10年15年過ぎて年老いたベテランレスラーになっていく」という
そういう寂しさとかも経験していないですから、10年後には棚橋が50代、内藤や飯伏やYOSHI-HASHIなども50歳目前になり
オカダも40歳、今のヤングライオンも中には40歳が見えてきているって現実が想像できないのかもしれません。
今のプロレスはアニメとかゲームのキャラみたいな目線で見る人が増えていることもありますので
「それ」が永遠に感じてしまうのかもしれませんけどね。
でも「それ」が現実で、先述したように年齢を重ねて変わっていった時に
急にそっぽを向くようなことはしないでほしいなぁと思うのです。
プロレスって常にTo be continuedだと思いますし、長く見るほど面白い、変化を楽しんで、変わらないものを楽しんで
ずっと楽しめるエンターテイメントだと僕は思っています。
それこそ「猪木時代と現代」という構図で見ることもできますし
長く見ていればそういう感覚も生まれるわけですし、中邑とか棚橋はVS猪木みたいな時期もありました。
テーマとして昭和から引っ張り出せるネタがあるのはそれすなわち歴史があるから、です。
棚橋が猪木の写真を道場から外したりとか、そういうエピソードが
これから30年後には「昔は棚橋とかオカダってのがいたらしいけど」と言うような
新しいスターがいると思いますが、そういう時間の流れを楽しまないとプロレスは見れないですよ。
だって結論がまだないのですから。
新日本プロレスというドラマは何十年と続いていて最終回はまだ来ていないんです。
でもその登場人物はリアルな人間でリアルなドラマもあるわけですから。
まぁでも僕は新日本プロレスがV字回復したと騒がれている今
それを支えた新しいファンの人たちが、おそらくこれから来る新日本プロレス内の転換期や
退団入団とか、内藤世代が40歳になった時にもファンでいるかどうかで
繁栄が続くのか、また他の団体と横並びになっていくのかが決まるような気がします。
難しいのは、その新規ファンの人達の意見に合わせるのか
本来プロレスってこういうものですよということを見せた上で
今後も応援してもらえる状態を作り上げるのかですね。
後者を成功させれば相当未来は明るいと思いますし
その時は世界1のプロレス団体になるはずです。
もちろん僕は10歳から見始めた新日本プロレスですから、
心中じゃないですけど存在し続けるかぎりファンでいるつもりですし
考えてみると暗黒期も今思えば面白かったですよ、あれはあれで(笑)
猪木さんが関わらなければ、よほどめちゃくちゃなことにはならんでしょうしね・・・
何度腹が立ったことか(笑)
YOSHI-HASHIの転倒はモヤモヤが残ったことだけが残念
結局のところ、YOSHI-HASHIが世紀の大ぽかをしていなかったら
何があのリング上で起きていたのか?がわからないままになったことでしょうか。
そこだけは永遠にファンが妄想するしかないわけですからね^^;
もう1つは、2018.9.23「棚橋がオカダに激勝」「ジェイの乱」「外道がオカダに裏切りの攻撃」などではなく
「YOSHI-HASHI転倒」のインパクトが大きすぎてしまうことでしょう。
ここから両国大会、年末の後楽園、1.4ドームから1.5の後楽園で大きく新日が動く中で
そのスタートがYOSHI-HASHI転倒から始まった、、、となるのは辛いところ。
なかったことにして進めるのが良いのか、それとも落ちるところまで落ちたYOSHI-HASHIが
ここから這い上がる姿を見せることができるのか、どちらにしてもこれはもう楽しみとして
ファンは見届けるしかないですね。
テロップのミスに関して
この試合で話題になってしまったことはもう1つありました。
それは試合中に「棚橋防衛」というテロップが出てしまったこと。
当然勝者は決まっているのでテロップは事前準備をしているでしょう。
でもアクシデントなどもあるので両者分を用意してあるとは思いますが
結果的に棚橋が勝利したので、ある意味ネタバレしてしまった形です。
プロレスというのは結末は決まっていても、例えば試合内容というのは
結果以上に重要なものですし、結末が決まっていても結末がわからないから面白いわけで
それは映画などと同じですから、今回の件は残念でなりません。
生放送のTV番組などで次のコーナーのテロップが手違いで出てしまったとか
そういうケースとは重要性が違うことですからね。
普段起こらないレベルのことが次々と起こってしまった9.23神戸大会。
両国で立て直すのか、やり直すのか、無かったことになるのか。
新日本プロレスの腕の見せ所です。