新日本プロレス史上、歴史に残る大炎上となっているベルト統一問題。
なぜファンが怒っているのか?
理由は実は様々あるのだと思う。
例えば、なぜ1月4日に二冠を手にしてまだ2ヶ月足らずの王者飯伏幸太の意見を尊重するという理由でIWGPヘビーとインターコンチネンタルというファンに多くの思い出があるベルトをIWGP世界ヘビーという名の新タイトルにしたのか。
また、それは良い派の人達も「やるならやるで一大イベントとして大切に丁寧に盛り上げることができたのではないか?」という疑問を持つ人が多いでしょう。
その他にも、飯伏幸太の言う2本のベルトを残したままの統一という一種の謎掛けのような提案=新タイトル設立だったのか?という疑問。
更には大阪城ホールでの試合後にあんなにも熱い構図が飯伏幸太とデスペラードで生まれたのに「ノンタイトル」という発表があり、それが数時間後に「タイトル戦」になったブレブレの状況に加えて、なぜかその試合の勝者が初代世界ヘビー王者になるという方向転換があったこと。
もっと言えばデスペラードがあんなにもオシャレに挑戦表明をしたのにノンタイトル発表からの飯伏幸太が記者会見で「逆にこの2本をかけて挑戦する」と言い出したことであっさり話が覆ったこと(デスペラードの挑戦の受諾で何の都合が悪かったのか?)
そして最後に「この2本をかけてやりましょう」→「ダブルタイトルマッチ決定!」→「勝者が初代世界ヘビー王者となる」という何を言っているのかポルナレフばりにわからないこと。
プロレスラーやプロレス団体がファンに媚びるのは絶対にダメなことだと思っている私ですが、今回の流れを見るとファンに媚びないで突き進むならまだしもどうでもいいところを捻じ曲げた形でファンの意見を尊重した的にしているのがさっぱり意味がわかりません。
トータルで言えば、ベルトもファンもレスラーも大切にしていないようなブレブレの行動がファンは悔しく悲しくもあり、それが怒りに変わっているのではないかと思うのです。
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ここまでIWGPとインターコンチネンタルの統一や新タイトルを焦って作る理由はあったのか?
これは単純に私の疑問なのですが、なぜ統一を焦る必要があったのでしょうか?
例えばいつまでも棚橋弘至やオカダカズチカの匂いがついたIWGPが目障りだと。
中邑真輔匂いがついたインターコンチネンタルや内藤哲也の匂いがついた二冠が目障りだったとしましょう。
もっと遡ればアントニオ猪木・長州力・藤波辰爾・闘魂三銃士などの匂いがついたベルトなど50周年を前に葬ってしまえという考えは実はわからなくもありません。
人間にも企業にも独占欲ってのはありますから。
ただ、例えば飯伏幸太が来年の1月4日までオカダカズチカ、棚橋弘至、永田裕志など歴代王者を倒して防衛をした先の統一であれば誰も文句は言わない(というか言えない)円満な未来への旅立ちができたはずです。
また興行としてもとことん盛り上がったことでしょう。
統一反対派が多いわけですから、大ブーイングを浴びながらも憎たらしいほど強い飯伏幸太と大声援を浴びる挑戦者の構図はコロナ禍が終わっていれば会場が揺れるほどのものだったと思いますし、それだけでドームツアーができたぐらいのはずです。
しかし、戴冠からたった2ヶ月で駆け足どころかジェット気流に乗ったかのようなスピードでの統一をするにはそれなりの意味があるはずです。
大きな利益を放棄してまで初代IWGP世界ヘビー王座を作る必要がないはずがありません。
飯伏幸太の新しい時代を見せる前に必要不可欠なものが古い時代との決別の期間であることなんてどんなプロレスファンも思うことでしょうし、飯伏幸太・統一賛成派の人だってその方がスッキリすることは否定のしようがないはずですし、喜びのレベルも桁違いだったはずです。
挙げ句、前半に書いたような一転二転する決定事項。
この先の余程のサプライズがなければただのパニック状態になっているだけのように見える新日本プロレスですが、流石に何も理由なくこんな目に見える炎上を招くとは思えません。
ただ、ここから先に「ベルト統一は阻止されました」なんて展開もあまりにバカバカしいことを考えると、とんでもない理由があるがそれが見えないというもどかしさを感じてしまいます。
戦犯の1人となる内藤哲也、赤っ恥をかいたオカダカズチカ、夢が叶わなくなった者たち...
結果的に内藤哲也が飯伏幸太に負けてしまったからこの結果を招いたと考えれば、また二冠なんてことを実現したが故にと言われれば内藤哲也が戦犯の1人となるでしょう。
もちろん内藤哲也は「2つのベルトをそれぞれ防衛」と話していましたが、それに関しては一切の尊重はされなかったという理由はありますが結果だけを見れば90%のファンの願いを叶えられなかった内藤哲也という犯人が誕生してしまいます。
それがIWGPに憧れ、IWGPを目指してきた内藤哲也だからこそより悲しすぎる悲劇となります。
また、この統一決定前日に「IWGPの戦いに戻っていいよね?二冠クソつまらない!」と高らかに宣言しニュージャパンカップの優勝からのIWGP取りを宣言したオカダカズチカからすれば、実質それから24時間程度で自らがこだわり抜いてきたIWGPヘビー王座というものが事実上消滅したわけですから赤っ恥もいいところです。
※それぞれの○代目を残していくとかそんなことは知らんです。3つのタイトルの数字が増えていくだけじゃないですか。
そして、IWGPジュニア王者としてIWGPヘビー級に挑戦し手にするという夢を持っていた高橋ヒロムはもちろんのこと、結局IWGPヘビーに届かなかった後藤洋央紀、SANADA、他多くの選手達。
また鈴木みのるは「誕生したときから俺のベルトだ」とまで言っていましたがIWGPヘビーを手にすることはできず、またその鈴木みのるを含む永田裕志・小島聡・天山広吉が天龍源一郎の最年長記録を抜いてくれることも新しい時代だと信じていたファンも多い中でそれも幻と消えました。
棚橋弘至の意味深なコメントの理由は・・・?
大阪城ホール大会でNEVERを防衛した棚橋弘至はこのようなコメントを出しました。
--もともとインターコンチネンタルにしろNEVERにしろ、最初に設立された時の意味合い、コンセプトとは変わってきてますよね?
棚橋「だから、だからこそ、これからも変わることはありうる。せっかく防衛したことだし、俺の野望を手っ取り早く言っときましょうか。(※しばらくの沈黙ののち)IWGPまで、引き上げてやる(※ベルトを右肩にかけ、写真撮影を促しながら)いつになく真剣な顔で……」
最初は「とか言ったのにIWGPなくなったやん」と思いましたが、ちょっと待てよと。
「IWGPまで引き上げてやる」という言い回しが少し気になりました。
棚橋弘至の言うIWGPがIWGP世界ヘビーという新設タイトルのことなのであれば、自身が持つNEVERをIWGPヘビーの位置まで上げていくということの可能性もあるのか?と。
ただ、実質IWGPとインターコンチネンタルがなくなり1本のベルトになったのであればNEVERorUCが繰り上がり2位になるわけですからせこい考えにも見えてしまいますし・・・これは考えすぎでしょうか。
もちろん棚橋弘至は飯伏幸太推しの存在でもありますしブログを見れば肯定的にも見えますので、むしろ一枚噛んでるな?なんてことも考えてしまうのですが(笑)
混乱の中で開催される飯伏幸太とデスペラード戦
そして旗揚げ戦はニュージャパンカップもスタートする展開に
さて、もう明後日には日本武道館で旗揚げ興行が行われます。
メインとなるのは飯伏幸太vsエル・デスペラード
新日本プロレスのサイトには以下の記述がありますが...
※IWGPヘビー級王座は3度目の防衛戦
※IWGPインターコンチネンタル王座は4度目の防衛戦
勝者を初代IWGP世界ヘビー級王座に認定する。
もう正直何を言っているのかわからない表記です(苦笑)
いや、明確に「タイトルの○代目は残るよ、でも別ベルトもできたよ」と言うなら問題ないのですが、頑なにそういう説明がないので文句を言われても仕方ないでしょう。
※まぁそうなるとベルトが3本になっただけみたいなことになりますけど。
ファンの多くが「デスペラードが勝ってベルト解体したれ!」みたいなノリですが、デスペラードはTwitterで「そんなこと人に頼むな」とお怒り+異常なぐらい陽気なツイートの連発ということで、これは正直...カラ元気に見えるんですよね。
いきなり「わけのわからない統一の流れの当事者」とされてしまったのですし、負けたら戦犯の1人にされる可能性すら出てきたのですから。
もっともっと純粋で実は歴史のあるエモいタイトル戦でファンは純粋にその戦いに酔えたはずなのに、もうすでに試合内容などより「統一だの二冠だの」という背景が最前面に出てきているフィルターでしか見れなくなったわけですから。
で、ここで仮にデスペラードが勝利した場合に「ジュニア選手がいきなりIWGP世界ヘビー初代王者となる」ということになりますから、デスペラードが勝ったら勝ったでジュニア選手がいきなり新日本プロレスの2本のベルトの全てより上に立つというまたしてもジェット気流すぎる流れになります。
※ジュニア選手を下に見ているわけではなく、単純な階級との世界ヘビーという名前の初代の整合性の問題。
また、この場合ニュージャパンカップ出場者は初代王者デスペラードと戦う権利を得るために戦うことになりますが・・・いきなりデスペラードが新日本プロレスのラスボスになるのも極端過ぎます。
では飯伏幸太が勝利した場合。
これはもう新日本プロレス史上最大のリアルヒール誕生です。
一時期の内藤哲也のレベルではないブーイングを浴びる巡業が続くと思いますが、飯伏幸太にそれって似合うのかな?と。
統一するならするで、ニュージャパンカップ優勝者と飯伏幸太が4月4日に戦った勝者を初代王者にするのが一番納得できる形というか・・・もうそれしかファンのヘイトを下げることってできなかったと思うのです。
結果的に飯伏幸太が勝てばそこで本当の神として新ベルトを手にするのが美しかったと思いますし(というか神云々って結局なんだったんだよ?から続いていると思うんです飯伏幸太へのヘイトは)ニュージャパンカップ参加者も「初代」を得るための戦いなら意味合いが違いました。
だって「最初」「歴史上初」というのは「初の二冠」がいかに凄いことかを内藤哲也が丁寧に見せてくれたじゃないですか?
それが認定初代だのやっぱりデスペラードと飯伏幸太の勝者が初代王者だの言うからニュージャパンカップまで微妙な空気になってしまいますし、これがまた内藤哲也もオカダカズチカも初戦で負けそうな空気があるカードだったりするのでファンとしてはハラハラドキドキではなくて「胃が痛い」だけのチクチクキリキリした3月を凄くことになるわけですよ。
そしてこの日のセミが内藤哲也とオーカーン。
何だか内藤哲也が負けそうな...勝ったとしてもニュージャパンカップ公式戦のシングルですから試合後に飯伏幸太の前で何か言うこともないでしょう。
実は期待していた飯伏幸太の「僕そんなこと言ってないですよ」
さて、昨日の記者会見の前に少しだけ期待していたこととして、飯伏幸太が「僕、新ベルト作ってなんていってないですよ?」というコントで笑いで終わることがありました。
そもそも飯伏幸太は正直何を言っているのかわからないコメントを連発していましたが、言葉足らずなのは昔からのことで・・・よく見直せばわりと一貫して「2つのベルトは大切だから残したい、その上で1つに」ということを言っていました。
やはりこれが「IWGP世界ヘビー」なるベルトの設立とはどうも一致していないなぁと思いますし、ファンも今でも多くの人がそういう声を上げています。
なので飯伏幸太が否定することでなくなるのかと期待したんですが・・・まぁ記者会見でしっかり菅林さんが名言した上で堂々と出てきたわけですから飯伏幸太の思い通りだったと今は思うしかありませんが。
ただ、IWGP○代目・インターコンチネンタル○代目・世界ヘビー○代目とカウントされていくなら実質3本のベルトがあるようなものですし、邪推してしまえば「今後3本に分解してタイトル戦を1つ増やしてやろう」みたいな計画でもあったりしないだろうな?と。
まぁそれをやったらお終いだと思いますが。
賛成か反対か、そんなことはもう私はいい。
この統一に関しての賛成か反対かということはもう正直どうでもいいです。
ただ憤りとして、なぜIWGPとインターコンチネンタルを丁寧に大切に扱えなかったのか?
なぜこんなにもグダグダになったのか?
これが全てですね。
また、新日本プロレスのTwitterが荒れ、公式youtubeも不祥事でも起こしたのかレベルでの低評価の嵐。
こうなることは目に見えてまでこの流れを作った理由が知りたい。
それだけです。
さて、こんな中でインターコンチネンタルの象徴でもある中邑真輔が日本語で一言ツイートをしました。
魔法は解けない
— Shinsuke Nakamura (@ShinsukeN) March 2, 2021
ベルトが統一されようとも、IWGPが無くなろうとも、インターコンチネンタルが無くなろうとも、ベルトにかかっている魔法は解けないという意味なのでしょうか?
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