リベンジに燃えるEVIL。
永田裕志が勝利し、天山広吉も激闘を見せたことで熱量が増したであろう小島聡。
小島聡の肉体は年齢なんて関係なく一切衰えることのない素晴らしいコンディション。
そしてEVILの無駄に綺麗でサラサラな髪・・・
なんてことを試合開始前に思ってみていたのですが、試合が始まるとEVILの徹底した剛腕潰しの戦略にニュージャパンカップを勝つということの価値をすぐに感じました。
イス攻撃・レフェリーを利用するなどEVILがラフファイトを惜しみなく使ってまで小島聡を倒しにいったのは、やはり気がつけばロスインゴの中での序列がどんどん下へ行っていることをこのニュージャパンカップでひっくり返すための強い思いがあったように思います。
ただ、小島聡も歴戦の猛者。
試合終盤で見せたラリアットはEVILの体が軽々と宙に浮くほどの破壊力で、今年見たラリアットの中ではベスト・オブ・ザ・ラリアットでした。
が、ダメージが残りフォールに行けない。
コジが右腕を痛み、左のラリアットを出し、右のラリアットを決めてフォールに行けなかった試合でその後勝利した試合を見た記憶がない・・・というぐらいこのパターンは危険!と思ってハラハラしていると、ラリアットをEVILで返されて3カウント負け...
EVIL推しの私ですが、何かこの日はコジに勝ってほしいと思っていました。
なぜか・・・やはり第3世代にこのままフェードアウトしてほしくないからなのでしょう。
引導を渡されて終わりなのではなく、細かく小さな引導を渡され続けていくところを見たくないと言うか・・・
試合後の小島聡のコメントを見て、より悲しくなり涙が。
俺のキャリアだったらもう、負けていくと、どんどんどんどん、忘れ去られていくだけなんだ。俺みたいな、キャリアの長いベテランレスラーは、負ければ負けるだけ、どんどんどんどん、実戦から遠のいていく。それが、今までそういう過去のベテランと言われるレスラーたちが歩んでる道だったと思うよ。
どんどんどんどん、負けていくことで、需要がなくなっていく。いい試合して『次も頑張ってくれ』っていう、そういうレスラーじゃもうないんだ。な。若手みたいに伸びしろがあって、明日何かすげぇことやるかもしれないって、そういう風に思ってもらえるような選手じゃないんだ、もう。だから、絶対に今日は勝たなきゃいけなかった。
で、気がついたのが私自身が今年40歳になっていること。
私もある程度実力勝負の世界に生きていますし、まぁどんな仕事でもそれはそうなのですが。
年齢的な部分にこの部分【いい試合して『次も頑張ってくれ』っていう、そういうレスラーじゃもうないんだ。な。若手みたいに伸びしろがあって、明日何かすげぇことやるかもしれないって、そういう風に思ってもらえるような選手じゃないんだ、もう。だから、絶対に今日は勝たなきゃいけなかった。】が突き刺さったんです。
でも、だからこそまだ第3世代には諦めてほしくない。
生き残った永田裕志、オカダカズチカを倒してほしいと思いました。
EVILはニュージャパンカップ優勝+IWGP+インターコンチネンタルの3冠を宣言
【この俺が、今年のトーナメント、何が何でも、優勝してやるからな。そして、内藤の持つベルト2本を奪い、覇者で王者の3冠王になってやる。】とニュージャパンカップを制覇した冠+内藤哲也の二冠を奪い三冠になると制覇したEVIL。
ロスインゴ内で内藤哲也が飛び抜けて鷹木信悟・高橋ヒロムが絶大な支持を得て、SANADAは昨年オカダカズチカのライバルと認められた中で序列が下がっているEVILからすればここで一発大逆転を狙うしかない状況です。
これまでEVILが何かを大きく宣言するとその途端に下降線になりどん底に落ちていくというループが何度も続いているということを考えると、次戦の後藤洋央紀戦で負けて「IWGPタッグの価値を~」と言い出しても不思議ではないのですが、考えてみると今年の新日本プロレスに待ち受けていたであろうテーマの1つがロスインゴ内の戦い。
仮にBUSHIがYOSHI-HASHIを倒し、EVILが後藤洋央紀を倒せばEVILvsBUSHIが実現します。
反対の山でSANADAが上がってこればそのままvsSANADA、そして決勝に高橋ヒロムが上がってこれば・・・そこに勝てば内藤哲也戦。
ロスインゴ内の戦いという場面で全てをひっくり返すには最高の状況が生まれる可能性がEVILにはある、ということになります。
ニュージャパンカップがEVILの大会になってもおかしくはないですね。
実況の「ひらめき」の多用や「凄い音だ」について
さて、この試合ではEVILが"よく使う"レフェリーを利用してのマジックキラーを見せた時に「は?」と思ったことがあります。
それは実況の「ひらめき」というワードです。
この「ひらめき」というワードは近年多用されているので気になっていたのですが、流石にEVILの海野さん利用マジックキラーは何度も見てるじゃないですか?と。
例えばですよ、武藤敬司が仲間の選手を踏み出しにしてのシャイニングウィザードを初めて使った時などは「ひらめき」なんて言えますし、高橋ヒロムやオスプレイの奇想天外な動きの初出しなどはひらめきというワードでよりそのシーンが映えるじゃないですか。
ただ、最近「よく使う技」を「ひらめき」ということが目立ちます。
そういう時には逆に冷めてしまうというか...
「プロレスをあまり見たことがない人向けに、これは凄いことなんですよ」と過剰に伝えようとしている感じがします。
もしくは「これはレフェリーとの阿吽の呼吸ではなく、EVILが偶然的に思いついたミラクル的プレーなんですよ」と言い訳をしているように見えてしまうのです。
次に「凄い音がしたー!」という実況について。
例えば逆水平チョップ、ミドルキック、先日の鷹木信悟とSHOのラリアット合戦などは生音ですが・・・
もうそろそろトラースキックとバズソーキック系の蹴りで「凄い音だ!!」と実況するのはどうなんでしょうか。
トラースキックやバズソーキックは相手に当たると同時に自分の足を叩いて大きな音を鳴らします。
これは悪いことではなくてプロレス的な1つのテクニカルな演出です。
間違ってはいけないのは当然トラースキックやバズソーキックは強烈な技で素人が受ければ瀕死でしょう。
ただ、肉体に肉体の面が当たるチョップやラリアットとは違って足の裏で顔面を蹴るトラースキックや相手の後頭部を蹴るバズソーキック系の技は「パチン!」という音が鳴らないので、そこは威力を伝えるためにモモを叩いてインパクト音を出すわけです。
これはプロレス初心者の人が1大会見終わったら気がつくことですし「なるほど!これは凄い!」と逆に感心する人が多いです(少なくとも私の周りでは)
でも実況で「凄い音がしたー!」と叫んだ1秒前に思い切っきりモモを叩いて音を出している瞬間がアップになっていたりすると、先程の「ひらめき」と同じような感じで冷めてしまうわけです。
例えばミラノさんや山崎さん、もしくは他のレスラーがゲストの時なんかは「凄い音がした」的な実況の後は皆さん一瞬だまりますし、話をその音の凄さから遠いところへ持っていくということをしていますが・・・そりゃそうですよね。
むしろ「蹴る時に足を叩いて音を鳴らすのは、心理的に相手がダメージを多く受ける効果がある」とか「あのパチンという音で自分の中でリズムを作るわけです」というようなもっともらしい理由を広めるほうが良いのではないかとすら思います。
特に今は無観客試合なので生音がバチバチ聴こえる状況ですし、どこでどう音が鳴るのかというのも凄くわかりやすいですから・・・この辺りは特に実況の人が考えてほしいものですね。
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