オカダカズチカ選手のインタビューを読んで大きく頷いた人は多いのではないでしょうか。
「内藤さんは完成された、でもそれがいいことなのか」という考え方は、恐らく多くのファンが思っていたことでしょうし、僕も何度かブログで同じ心配を書いてきました。
特にロスインゴ以前からの内藤哲也ファンは特に感じることだと思うのです。
ただ、それが内藤さんにとっていいことなのかどうかはわからないですよ? ロス・インゴっていうユニットもある中で、レスラーとして完成することがいいのかどうか? そのへんちょっと様子を見ていかなきゃいけないのかなって。あとはなんて言うんですかね? 内藤さんは脆い……、脆いじゃないな。危ない感じがお客さんを惹きつけたんじゃないかなっていう部分もあったと思いますし。
内藤哲也というレスラーの明るさ、暗さ、生意気さ、弱さ、そして脆さ。
これらが内藤哲也というレスラーの最大の魅力であるというのは過言ではないでしょう。
若い頃から新日本プロレスを背負うのは内藤だと、そして海外遠征から戻りすぐにトップ格の存在でもありましたが【内藤が勝つだろう】と楽観視される時なんてずっとありませんでした。
そもそも内藤哲也は絶対王者タイプではないわけです。
常に上を見て食らいついていく男ですし、スターダストジーニアスと呼ばれていましたが彼の天才力は雑草力も兼ね備えているからこそ光り輝いていたのだと思います。
大事なところでコロッと負ける
以外なところで貫禄を見せて勝つ
内藤哲也の中にある制御不能というか不安定さを感じる部分や淋しげな背中に大きな魅力を感じてずっと応援してきたファンは多いはずです。
恐らく、これは飯伏幸太が二冠になっていても同じことが言われていたのかなと思いますが・・・
ロスインゴの世界を見せるフェーズから新日本プロレスの世界を作るフェーズに入る内藤哲也
内藤哲也の逆襲、逆転の内藤哲也はすでに一人ロスインゴのときから始まっていました。
ブーイングを楽しみながらも独自の世界感を作りロスインゴを成長させていく中でファンは内藤哲也の上を目指すエネルギーに魅了されました。
それから数年、気がつけば新日本プロレスの主役はロスインゴと内藤哲也となっており、2020年1月5日に内藤哲也は新日本プロレスの歴史に残る二冠王となったことで、新日本プロレスの絶対的存在まで駆け上がりました。
さて、ここからの内藤哲也はこれまでファンを心をつかんできた悲壮感や脆さなどは一度置いておき、またロスインゴの世界ではなく新日本プロレスの新しい景色を見せていく立場になりました。
頂きに立ち他のレスラーを見下ろす立場と成った内藤哲也に、ファンは夢を見ることができるのか?
内藤哲也の夢を一緒に追いかけている気分だったファンは1月5日でそれを達成したわけですから、これからの内藤哲也はこれまで応援していた内藤哲也とは違うレスラーになっているとも言えるわけです。
KENTA戦に関しても今考えるとゾッとするのが、もし彼が乱入した挙げ句にTwitterでロスインゴファンを煽りまくっていなかったとしたら・・・2月の防衛戦でロスインゴファンは「あれ?俺が応援していた内藤哲也ってこういう存在だっけ?」となっていた可能性すらあります。
ただ、もちろん3月3日の高橋ヒロム戦を経てニュージャパンカップの王者との防衛戦から新しい内藤哲也を見せてくれたことであろうと思いますが、ご存知の通り旗揚げ戦どこからニュージャパンカップ、そして両国大会、4月大会初日も中止との発表があった中で、新しい内藤哲也を見せるチャンスがどんどん先延ばしになっている現状ものしかかる。
内藤哲也のキャラとしてTwitterや動画などでファンに勇気を与えるタイプではなく、あくまでも試合ありきでのコメント力が強い選手ですので、二冠王として今の現状を悲しく思うファンに強いメッセージを出すことができていないということもマイナス要素です。
でも、内藤哲也は「想像する時間がプロレスファンの楽しみ」だと言ってきました。
今の内藤哲也はきっとプロレスファンに戻り想像する楽しみを自らが得ているはずです。
そして、プロレスファン内藤哲也はプロレスラー内藤哲也として、二冠王としてリングに立つ日が必ず来ます。
その時に、彼が想像していたものを現実としてくれるはずです。
まさか202X年、プロレスは大ピンチを迎えていた・・・という世界観になってしまうとは思いませんでしたが、救世主内藤哲也が新日本プロレスを完全なる統治に導くには最高のシチュエーションになるかもしれません。
逆転の内藤哲也は1月5日で終わっておらず、これから先にあるのではないでしょうか。
最近ビッグマッチでの内藤哲也の出で立ちはまるでメシアのように見えることがありましたし、こうなったことも全てはデスティーノであり、そのデスティーノを制御する二冠王内藤哲也がファンの心を再度感染させてくれることを楽しみにしています。
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