『魂と魂のぶつかり合い、これがプロレスだ』

試合後にマイクを握り叫んだのは鷹木信悟、王者防衛後の魂の叫びでした。

27分間の試合の中で鷹木と石井はほぼ全ての時間で意地をぶつけ合いました。
何度見ても慣れない、何度見ても「非日常」を感じることができるチョップ合戦、頭突き合戦、絶え間なく続く挑発合戦の中で何度相手を上回り、何度相手に上回られと繰り返したのでしょうか。

鷹木の喉に確実にめり込んでいる強烈なチョップ。
石井の首が確実に体から離れてしまいそうになった(ぐらいに見えた)強烈なラリアット。

一般人が喰らえば一撃で肉体を損傷し、心がへし折れるほどの技が続く壮絶なタイトルマッチになりました。

魂と魂の戦いであると鷹木は言いましたが、魂が削れて行き最後は鬼となったかのような形相でベルトを口に加えたNEVER二冠王鷹木信悟は確実にNEVERの価値を上げました。

当然、石井の凄さもファンの心に突き刺さるものがありましたし、今の新日本プロレスの中心である華やかなプロレスとは違う別の価値を更に明確に見せてくれた感動的な試合でした。

鷹木信悟がNEW JAPAN CUP出場表明

過去にインターコンチネンタルをIWGPに並ぶ位置まで持っていった滾る男がいましたが、鷹木信悟には「IWGP狙わないとおかしいだろ」という声もすでに沢山ある中でNEVERの価値をIWGPに並ぶ位置まで持っていくという彼にしかできないであろうことを実現してほしい気持ちもあります。

ただ、NEW JAPAN CUPへの出場表明をしたのですから優勝してしまえばIWGPが見えてきますし、NEVER王者としてNEW JAPAN CUPを制覇して内藤哲也へ挑戦ともなれば、今年のロスインゴのテーマの1つである「対ロスインゴ」という構図が生まれます。

来月には内藤哲也と高橋ヒロムも実現しますし、その流れで内藤哲也と鷹木信悟が実現する可能性だってあることでしょう。

完全にロスインゴ内で上3人と下3人という状況が更に色濃くなっていくというデメリットもあるかもしれませんが、個人的には内藤哲也も鷹木信悟も絶頂期にあるであろう今見てみたいカードです。

また、今日の鷹木VS石井の戦いは少々不思議な現象が起きていました。

というのも、挑戦者である石井コールが起きると即座に鷹木信悟&ロスインゴファンが石井コールをかき消す大鷹木コールを送るというもので、石井が這いつくばっても鷹木コール、鷹木が仁王立ちでも鷹木コールとプロレスのファンが作る空気感としては通常とは違ったように思います。

ただ鷹木がやられていても自発的に鷹木コールが出るのではなく、石井コールが起きたことをフラグにして鷹木コールが巻き起こるという「応援合戦」のような状態で・・・正直に言うと、ちょっと気になってしまいました(苦笑)

試合後に石井がフラフラで戻っていく時に起こった石井コールのときですら鷹木コールをしている人もいましたし、これには鷹木も石井を指差して「石井にコールを!」というジェスチャーをしていましたが・・・ちょっと鷹木選手が可哀想にすら感じました。

やはり王者というものは挑戦者が応援されるようになってこそのところもありますし、オカダや棚橋はそれができる上で勝って再度自分へのコールを引き戻せるという王者なのですが、どうしても鷹木や内藤に関してはロスインゴ人気がありすぎることでそういう形を作れないんですよね。

石井を応援しているのが石井ファンに対して鷹木を応援するのはロスインゴファン全体となってくると(もちろん石井を応援するCHAOSファンもいますが、ユニットとして本隊と組むことが増えてややユニット全体のファンがまとまることが減っているのか?)こういう現象が起きるんだなぁと。

仮にロスインゴを出る選手が今後でた場合に、その選手に対しての声援がどのように変わるのかも気になりますね。

NEVERの次期挑戦者に課せられる高いハードル

試合中から試合後までライガーさんを中心に「真壁選手が行かないと!」と煽り続けていましたが、真壁選手本人は苦笑いで言葉も歯切れが悪い感じでした。

最終的には乗っかっていましたが・・・個人的にはやはり新日本プロレスの門番である真壁刀義が外から来た鷹木信悟と対峙してほしいものなのですが、、、どうなんでしょうね(汗)

真壁選手にはヤングライオンの辻選手がシングルを申し入れていますが、ヤングライオンの標的にされている現状でこのNEVER戦の次となるとハードルが高いのかもしれません。

ただ先日は鈴木みのるに「しょぼいぜー」と挑発したようになにかやる気を見えていますし、NEW JAPAN CUPへの出場も煽られていましたが「出る」という空気になっていましたし、万全の状態で鷹木信悟との戦いは見てみたいものです。

ただハードルというところで言うと今回のNEVER戦であまりに高い設定がされたことは事実。

例えばSHOやヘナーレが相手になれば好勝負になるはずですが、石井戦を超えることは難しいかもしれません。
何より声援が完全に鷹木オンリーになる可能性もあります。
今日の試合をモノサシにして鷹木信悟VSヘナーレなんて想像をしたら・・・ヘナーレが可哀想になる試合になる気がしてしまいます。

NEVER挑戦ではありませんが、NJCに関しては『それ相応のおもしろい相手を1回戦で用意しろよ』と発言しているように、熱い相手が鷹木信悟の前に立つとは思いますが、鷹木信悟が借りを返したい相手であるオスプレイがヘビー級転向を事実上したとなるとNJCにしてもNEVERにしても筆頭候補はオスプレイなのかもしれませんね。


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