高橋ヒロムとリュウリーの戦いは壮絶を極めました。
ゴングがなり試合が始まってから5分以上、お互いの左胸を全力で張り合うという異常な光景がリング上にあったのです。
あっという間にお互いの胸が紫色になっていき、内出血で変色した後は皮膚が裂けて出血。
あの日、下手したら死んでいたかもしれない高橋ヒロムと殺してしまっていたかもしれないリュウリー。
引退することになっていたかもしれない高橋ヒロムと引退を考えたリュウリー。
そんな二人がお互いの左胸、心臓を延々と殴り合っている光景は「生きていることを感じるための行為」に見えましたし、大げさに言えば魂の、心臓の、心の、確認と交換をしているかのようでした。
佐々木健介と小橋建太を彷彿とさせるような光景ではありましたが、あれとは意味が違います。
この二人がしていることは意地の張り合いだけではなく魂の張り合いですし、なんというかもう世界で一番荒っぽい心臓マッサージのようなことだと思いますから。
そして、二人が生きていることを確認してからは・・・とてつもない攻防がスタートされました。
危険の中に生きることがプロレス、高橋ヒロムとリュウリーが惜しげもなく見せつけた戦い。
張り合いが終わると突如として試合は激しい大技の交換になりました。
鉄柵に腰掛ける高橋ヒロムに頭から飛んで行くトペを見せるリュウリーの姿は、プロレスを初めて見た人はCGだと思ってもおかしくないぐらいの異常な光景でした。
その後も「フィニッシュホールド」レベルの技を打ち合い、極限までの「足し算のプロレス」を見せつけていく二人。
しかし、何度脳天からリングに刺さっても、何度後頭部を強烈に打ち付けても笑顔すら浮かべて立ち上がってくる二人。
試合は高橋ヒロムのタイムボムを返したリュウリーに対して、全力でエルボーを見舞ってから再度のタイムボムで高橋ヒロムが勝利しIWGPジュニアを初防衛。
タイムボムを返された時には当然タイムボムⅡが出るものだと思いましたが、ここでタイムボムを2発使ったことにも高橋ヒロムなりの意味や気持ちがあるのではないかと思います。
妄想ではありますが
一応タイムボムⅡというのは東京ドームでオスプレイを相手に使った技じゃないですか。
そして高橋ヒロムの中ではリュウリーではなくドラゴンリーとのあの日の続きをする試合だったのですから、タイムボムⅡを使うのはおかしいと。
なのでドラゴンリーとの最後の戦いとしてタイムボムで勝つ必要があった、そしてここからはリュウリーとの本当の意味での新しいステージが始まっていく、、、という意味があったような気がするのです。
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