ジェイ・ホワイトとSANADAのスペシャルシングルマッチの意味について大阪城ホールまで何度も考えてきました。
東京ドームで敗れた者同士の敗者復活戦のように言われることもあったこのカードですが、実際にはそうではない。

というのはジェイホワイトは現在27歳の若さにして、昨年はマディソン・スクエア・ガーデンのメインを張り、現時点ですでにIWGP・IC・USを戴冠した経験のある立場です。
何ならNEVERを狙って新日本プロレス初のグランドスラムを達成しようと思えばいつでもできてしまうぐらいの実績があります。

一方のSANADAは名勝負を生み出し、喋らなかったことの反動でのコメント力も爆発していた2019年という事実はあるのですが、冷静に振り返ればオカダカズチカのライバルと認定されつつも1勝他全敗→G1で今年も不振→ブリティッシュヘビー級も取りそこねての無冠という立場なのです。

この試合はジェイ・ホワイトが勝利しましたが言うなれば番付通りの結果でしかありませんし、意外でも何でもないSANADAの敗戦だったと思います。

意外なことがあったとすれば『何も起こらない』ということだったのではないでしょうか?

タイトルマッチ級の好勝負になるもSANADA、無言を貫く

試合は見ていて本当に面白かったです。
この試合を大阪城ホールのベストバウトだと言うファンもいることでしょう。

「タイトルマッチ」として見たかったと思うような試合でしたし、例えばNJC決勝やG1決勝とかそういう舞台でファンを納得させる素晴らしく面白い試合には僕も手に汗握りました。

初シングルということもあって新鮮さもありましたし、SANADAの凄さもジェイの奥深さも感じる好勝負でした。

結果はブレードランナーでSANADAが敗れたわけですが、試合後・バックヤードで何らかのアクションがSANADAにあることであろうと想像していたファンは数多くいたことでしょう。


東京ドームが終わってから黙して語らぬSANADAに戻っていた中で、次の発言は当然この日かと思っていましたが・・・なんとSANADAは継続してノーコメント。

ロスインゴの中で一人だけベルトを持たぬ男は言葉すらなくなり、この先どこへ行き何を目標とするのでしょうか?

かろうじてジェイの「もう一度言う。俺たちには常に計画がある」という言葉だけが何かを期待させることにはなりましたが...

今のSANADAではニュージャパンカップで優勝を期待する声も出なくなるでしょうし、何かこう・・・何も始まる前にどん底に落ちているような状況が続いてしまうと、この先の主戦場が本当に新日本プロレスなのかすら不安になってきてしまいます。

SANADAの声、あんなに2019年は力強かった声を聞きたいものですね。

実績が無いトップ選手という新日本プロレスの危険な席

今のSANADAは実績がないトップ選手になっています。
ルックスの良さ、試合の面白さ、そして人気の高さと新日本プロレスのトップ選手として数えられていますが実績がない。

新日本プロレスにはそういうポジションの選手が度々登場します。
後藤洋央紀はその典型と言えますし、三銃士時代でいえば蝶野正洋もIWGP戴冠1回(G1男ではあるが)、新日本プロレスの歴史を振り返ると度々この手の人気と実力とファンのイメージはトップなのに実績が意外と少ない選手がいるのです。

それにしてもSANADAに関しては2019年の勢いを考えるとIWGP戴冠やG1優勝などにかなり近い存在だったと思います。
それがワールドタッグリーグすら優勝できず、ロスインゴ唯一の無冠というのはあまりに極端ではないでしょうか。

飯伏幸太の本隊勧誘という伏線もなくなり、自身を新日本プロレスの希望であるとまで口にしたSANADAに全く希望も言葉も見えなくなった2020年。

SANADAは彷徨うコールドスカルとなっていくのか...


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