陣JIN興行の中で最初に出てきた陣のメンバーは岩本煌史と阿部史典。
しかし対戦カードは岩本煌史・TAJIRI対阿部史典・木髙イサミと同じ陣のメンバーである二人が対角線に立つという面白い状況になりました。
「同じユニットでもライバル同士」
「同じユニットでもお互いを高めるために戦う」
こういう言葉はプロレスあるあるですが実際のところではあまり同門対決というのは行われません。
リーグ戦やトーナメント戦で年に1回実現するかどうかというのが常識なのですが、陣興行~初陣~でいきなり持ってくる辺り「何となく口から出ている言葉」ではないのでしょう。
試合序盤、阿部史典が岩本煌史の腕に狙いを定めると木髙イサミもそれに呼応して腕を削っていきました。
ジュニアとしては規格外のサイズになってきている岩本の腕を殺していくというのは正攻法だと思いますが、それにしても阿部史典は仲間である岩本の腕にフットスタンプや遠慮なしの蹴りを叩き込んでいくなど、見ているファン全員に伝わるレベルでの「俺達はライバルであることが前提」という気持ちをぶつけていたと思いますし、それは届いたはずです。
追い込まれた岩本煌史が見せた6.8秒の逆転劇
試合は乱されたペースをTAJIRIが取り戻しました。
著書が大人気となっている天才TAJIRIは岩本からすれば師匠のような存在。
その師匠と組んで情けない姿は見せれないとばかりに一本背負いで木髙イサミを投げ飛ばして、やっとここからと思われましたがこれまた曲者の木髙イサミと阿部史典の好連携に捕まり窮地に立たされました。
流石にこれはマズイと考えたか、TAJIRIが阿部史典を利用してレフェリーを排除しグリーンミストで阿部の視界をシャットアウト。
ここから岩本煌史と木髙イサミのシングルマッチの様相になりましたが垂直落下ブレーンバスターと脳天への踵落としを食らい、ようやく尻に火がついた岩本がヘビー級顔負けのラリアットから投げっぱなしジャーマン、そして孤高の芸術と繋げて木髙イサミから3カウント勝利。
驚愕だったのはラリアットが当たった瞬間からジャーマンを経て孤高の芸術でイサミの頭がマットに落ちるまで6.8秒という、恐ろしいスピードであったこと。
パワーが日増しに増えていく岩本煌史ですがスピードも増しているということには驚きです。
それでも今年は横須賀ススムに負けて世界ジュニアには手が届かなかったことも事実ですが、まずは目先のアジアタッグを防衛した上で世界ジュニアを狙ってほしいですね。
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