めでたくブリティッシュヘビー級王者となった棚橋弘至。
試合後にはさぞHAPPYモードに入っていると思いましたが、意外と真面目なトーンでした。
まず「これで月1でイギリスに来れる」ということがメリットであると。
そして「柴田勝頼が巻いていたベルト」ということが、自分とベルトの繋がりだと話しています。
新闘魂三銃士の頃から見ているファンにとっては、棚橋と柴田がこういう形で繋がっていくなんてことは想像もできないことでしたよね...
両国国技館で柴田がKENTAを制裁した姿だけでは判断できませんが、KENTAがNEVERを手にしたという事実を重ねると復活...ということも少しだけ、1%ぐらいは期待してもいいのでしょうか。
さて、棚橋は「これだけベルトが数多くある時代だと、IWGP以外に明確な意味なんて見いだせないかもしれないけど」と話していますが(他所様のベルトに言うなよとは思いますが笑)イギリスで防衛を重ねて、ブリティッシュ王者棚橋弘至をイギリスから日本へ逆輸入するぐらいの形で新しい色・新しい輝きを放つ棚橋弘至へとなっていってくれたら嬉しいなぁと思います。
棚橋弘至が意味を見いだせるIWGPの行方と見据える先。
やはりどんなベルトを巻いても棚橋弘至が見て求めているのはIWGPでしょう。
そのIWGPに関してはオカダカズチカが鈴木みのるから防衛をしたわけですが、これで通算防衛回数が28回となったと思いますので(間違っていたらごめんなさい)棚橋弘至の持つ最多通算防衛記録と並びました。
最多連続防衛はオカダカズチカが12回を持っており歴代1位となりますが、棚橋弘至の最多通算防衛回数も早ければこの秋に、遅くても来年中には抜かされてしまうことでしょう。
その上で最多戴冠回数は棚橋弘至が3回も多いわけですから、要するにオカダカズチカは「沢山の防衛をしてベルトを失った回数が棚橋弘至より3回も少ないのに記録は追いついている」ということになります。
そんな現在のIWGPですが、オカダカズチカの今回の防衛ロードはV1がSANADA、V2がクリス・ジェリコ、V3が鈴木みのるという流れとなっています。
そしてV4はSANADAになることが濃厚ですので...4回の防衛戦で2回が同じ相手、それ以外は49歳と51歳というなんとも珍しい防衛ロードを歩んでいるなぁという感じですね。
鈴木みのる戦後のオカダは「鈴木さん、またやってやるよコノヤロー」という感じではなく「鈴木さんはすごい、51歳であそこまでできるのはすごい、まだまだやる機会がある」というトーンだったので、逆にもうオカダの中では対鈴木というテーマはないのかなと思いました。
何だか餞別の言葉にも見えますしね...
IWGPの最年長記録49歳10ヶ月を持つ天龍源一郎の記録を鈴木みのるが抜いてほしかったですし、明らかに意識して「天龍ごとき」なんて言葉を使った鈴木でしたからね...
それを意識してか「65歳で俺に挑んできた人もいるから、15年後に戦ってもいいし」と天龍源一郎の話題を使いつつ鈴木みのるにメッセージを送ったオカダですが、もうスッカリ貫禄のある王者、いや絶対王者的な存在になりました。
IWGPとICの二冠という目標を口にする内藤、飯伏、そしてジェイですがオカダカズチカはそういう話をしていません。
そして棚橋弘至もこの波に乗るかと思いきや、やはりIWGPは別格であるという思いを口にしています。
やはりIWGPというのは頂点であり、それを頂点だと思っている選手が手にすることが正解なのかもしれません。
そういった意味では「あのベルトが誕生した時から俺のものだ」と話している鈴木みのるもそうで、IWGP以外の宝は全て手にしてきたプロレス界の王からしてもIWGPの価値は他のベルトとは全く違うものなのでしょう。
新日本プロレスを立て直すために棚橋弘至とIWGPはパートナーなりました。
そして今、新日本プロレスが世界の新日本プロレスになるためにオカダカズチカとIWGPはパートナーになっています。
やはり何か使命のようなものがある人間にしかIWGPは微笑まないのかもしれません。
それでも内藤哲也の偉業に夢を見てしまう、IWGPと内藤哲也を正しく出会わせてほしいと思ってしまう。
「自分の価値が上がり過ぎたから、IWGPとICの二冠じゃないと釣り合わない」というスタンスのカリスマ内藤哲也。
「誰もいないからやりたい」という純粋でまっすぐな飯伏幸太。
そして「力を誇示するために」という感じか、ジェイ・ホワイトも二冠王を狙っています。
新日本プロレスのためにIWGPを手にするのか、自らのためにIWGPを手にしたいのか。
今現在は前者であるオカダカズチカや棚橋弘至がIWGPに愛されてきているわけですが・・・
僕としてはプロレス小僧のままの内藤哲也や飯伏幸太にこの偉業を達成してほしいと思うのです。
特に・・・内藤哲也。
やはり内藤のデビューから見続けているファンとしては、20代でのIWGP戴冠が叶わなかったことや日本中でブーイングをされてきた時代というのは忘れられません。
オカダカズチカの帰国があと1年、いや半年遅ければIWGP王者は内藤哲也となっていたでしょうし・・・ずっと憧れていたIWGPをSANADAの介入有りで手にした上にぶん投げるなんてことをしなくても良かったでしょう。
絶対に内藤哲也はIWGPを腰に巻きたかったはず、抱きしめたかったはずなのです。
『こんな出会い方じゃなかったら、僕たちは恋人になれたのかな』
なんて三流のラブストーリーのようなセリフが頭に浮かびましたが、でも事実内藤哲也とIWGPの出会い方というのは・・・違う、と思うのです。
本当は棚橋弘至からIWGPを奪うべきだった。
中邑真輔から防衛して守りぬくべきだった。
AJが来たときも内藤哲也が新日本プロレスの代表としてIWGPと戦うべきだった。
それがオカダカズチカの登場で全てが崩れ、内藤哲也とIWGPの出会いというのは・・・強引に拉致したような物になってしまった。
それからの未来、現在は内藤哲也時代は到来したが内藤哲也のIWGP王者時代は来ていません。
新日本プロレスの象徴は常にIWGPであるべきですし、いくら特定の選手の人気が出てもIWGPを持つ人間が頂点であり看板であり、そして時代の主役です。
「飯伏といればこれからのプロレス界は安泰だ」
「飯伏はプロレス界にとって特別な存在だ」
棚橋弘至と中邑真輔という新日本プロレスの太陽と月、飯伏幸太に言わせれば「2人の神」が飯伏に送った言葉はとても暖かいものです。
ただ、内藤哲也はその2人の神に全力で歯向かった男です。
棚橋弘至になりたかった、、、なれなかった。
中邑真輔に踏みつけられてとことん馬鹿にされた、そんな中邑真輔の壮行試合に一人だけ批判もぶつけた。
天才だ、新日本プロレスの未来だと言われながらも本当の内藤哲也は真壁刀義とは違う形の雑草だと思います。
いや、枯れそうな花という方が正しかったのかもしれません。
ブーイングという名の除草剤を浴びせられ、もう土に帰る寸前のところでメキシコの国花であるダリアのように「色々な色があっていい」という状態で戻ってきたのが内藤哲也です。
そんな内藤哲也がロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンとなり大人気になったわけですが・・・今度はこの人気のせいで「内藤は何をしていても人気だから」という空気になり時代は近づいたのにIWGPが遠のくという事態に陥りました。
こんな内藤哲也とIWGPが最高の形で出会うには、東京ドームでしかありません。
そしてその時にはインターコンチネンタルも手にしていてほしいのです。
白いダリアの花言葉は「感謝」
黄色いダリアの花言葉は「優美」
赤いダリアの花言葉は「華麗」
まさにインターコンチネンタルは白、IWGPは黄色(金)、そして内藤哲也のイメージカラーは赤。
そして、ダリアの花言葉は「気まぐれ」
内藤哲也が新日本プロレスのダリアとなり、これまでに新日本プロレスのリングに与えられた「愛」や、降り注いだ「金の雨」すら利用してダリアの華を咲かせてほしいのです。
・・・その時には、スイッチブレードが花を摘みに来るかもしれませんがね。
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