鈴木みのるとオカダカズチカの激戦の歴史、そして2度の引き分けからの決着戦が迫る。

約1週間後に迫ったNJPW Royal Quest。
内藤哲也とジェイホワイトが再び顔合わせとなりますが、何か起こるのでしょうか?
NEVER王者石井はKENTAに受けた赤っ恥をお釣りをつけて返すのか?
それともKENTAがNEVERの新王者となり、柴田の血と汗が染み込んでいるベルトを掲げるのか?

棚橋弘至はザック・セイバー・ジュニアを倒してブリティッシュヘビー王者となり、ここから再度巻き返すことができるのか?
それともマディソン・スクエア・ガーデンの悲劇が再びとなるのか・・・

注目の大会となるNJPW Royal Questですが、当然最も重要なのはオカダ・カズチカと鈴木みのるのIWGP戦。

「誕生した時からあのベルトは俺の物」と言う鈴木みのるのIWGP戴冠は多くのプロレスファンが見たい光景だと思います。

新日本プロレスの宝を奪いに来たのが鈴木みのるの目的です。
これまでにNEVERもIWGPインターコンチネンタルも手にしているわけですから、最終目標についに手が届く日が近い...かもしれませんね。

それに加えてIWGPを手にすることができれば、三冠ヘビー級王座・GHCヘビー級王者といわゆるメジャー三大シングル制覇という歴史にも記憶にも残るまさにプロレス界の王として永遠に語り継がれることになるでしょう。

鈴木みのるとオカダカズチカの戦績、過去の激闘。

抜けている試合もあるかもしれませんが、個人的に覚えているのは過去6試合です。

2013年2月10日。
イケイケ状態のオカダカズチカをまさに痛めつけて勝利した鈴木みのるですが、この試合はノンタイトル戦でした。
当時のファンからすると「オカダは会社に守られている」という声もあっただけに、鈴木みのるが生意気小僧だったオカダを倒したということを喜ぶファンも多かった記憶が残っています。

また、まだこの頃はファンの比率として「新しい新日本プロレスのファンがそこまで多くない」状態だったので、古いファンは特に喜んでいたような・・・

2013年5月3日。
この時はIWGP戦としてオカダが鈴木みのるを迎え撃った試合です。
雰囲気としては鈴木みのるの方が「オカダの挑戦を受けてやるよ」という感じでしたが、この試合はオカダがリベンジに成功。
ただ試合内容としては鈴木みのるの強さが目立ちました。

2014年8月8日。
G1クライマックスでの戦いはオカダカズチカの勝利。
この試合もやはり怖く強い鈴木みのるに対して押し込まれるオカダが何とか一発逆転で勝利した印象です。
そして恐らくこの試合後からは鈴木軍と新日本プロレスの距離が生まれた(NOAH参戦)ことで、戦っていないと思います。

2017年2月5日。
満を持してのIWGP戦、鈴木みのるがついに至宝を手にする・・・と心から思っていましたが、この試合もオカダの勝利。
いつ戦っても鈴木みのるの恐怖の底なし沼にオカダが引きずり込まれているように見えるのですが、その沼からドロップキックで飛び出し、そして沼ごと雨で沈めていくという形になってしまいます。

2017年8月8日。
G1で激突したオカダと鈴木みのるですが、結果は30分ドローという結果に。
年齢なんて関係ない!という試合を見せてくれる選手はこれまでにもいましたが、G1の終盤で30分ドローという過酷な試合をした鈴木みのるにファンからの大きな声援が飛びました。

2018年6月23日。
そして鈴木みのるの30周年記念大会で大雨の中、野外での激闘を繰り広げた二人ですがこの試合も30分ドローとなりました。
試合後の鈴木みのるは会場に来ていた子どもたち、そして同世代に向けて熱いメッセージを送るとともに「IWGPは予約済みだ」という言葉を残しています。

惜しかった、がんばったなんてどうでもいい。勝たなきゃ意味がねえんだ。(子どもたちに向けて)ガキども、世の中出たら勝ち続けなきゃ上にいけねえんだよ。俺が言いたいのは世の中そんなに甘くない。オイ、しょぼくれた中年ども。俺は50になったが、相手が20でも30でも誰にも負けねえ! 俺はほしいものを全部持っていく。IWGPヘビー? ……アレは俺が予約済だ。

恐らく、50歳のレスラーに憧れる子供というのは世の中に少ないと思います。
ただ、その数少ない子供たちの大半が鈴木みのるに憧れることになった瞬間がこの日だったのかもしれません。

今どきの「勝者は悪」「成功者は悪」という世の中。
運動会をしても「一列で並んでゴールしよう」お遊戯会は「全員が桃太郎」みたいな馬鹿げた世界に向けて「勝たなきゃ意味がないんだ」とあれだけの強い目をしながらメッセージを送れる大人は漢だなと感動しました。

60分の先、今の鈴木みのると今のオカダカズチカの決着戦

最初に「怖い鈴木みのる」に負けたことで強くなったオカダカズチカ。
そしてそこからオカダは鈴木みのるに連勝をしましたが、直近の2試合は30分ドローという結果です。

2017年、2018年と決着が付かずにトータル60分で引き分けという見方もできますが、平成から令和に時代をまたいで60分1秒目からの試合再開となるのが今回のNJPW Royal Quest。

時が流れれば年齢が上の鈴木みのるが不利に見えるかもしれませんが、この数年の鈴木みのるは明らかに過去最大値の打撃の強さ、スピード、テクニックを持つ最終形態です。

「明日の自分が常にピーク」というようなことは多くのレスラーが口にしますが、それは多くの場合「気持ち・心」の部分です。

ただ・・・鈴木みのるなら本当にそういうことができてしまうのかもしれない。

そんな期待を持ってしまうのです。

今回IWGPを取れなければ、この先にチャンスは二度と無いかもしれません。
鈴木みのるに「誰かのため」に戦ってほしいとは思いません(高山選手は別として)。
あくまでも鈴木みのるのためにIWGPを手にする姿が見たいです。


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