Attack For The Next Generation。
オスプレイがこの夏からTシャツに入れた言葉は、その昔棚橋弘至が背負った言葉でもあります。
日本語にすれば次世代への攻撃となりますが、オスプレイの感情的には攻撃ではなく棚橋弘至へのリスペクトであり「受け継ぐ」という思いの方が強い言葉になっていると思います。
僕にしても世界中のプロレスファンにしても評論家にしても「太陽はまた昇る」と棚橋弘至を表現したくなりますが、人生は無限ではありません。
いつの日にかは太陽は沈んだまま戻ってこなるなるわけですし、そのときには別の太陽が昇っていることに希望があるというのが本音。
もちろん棚橋ほどの太陽であれば沈んだとしても、新日本プロレスという大海原の水面を下から照らしてくれるはずですが、その時に空で輝いている太陽になるという決意がオスプレイにはあるのでしょう。
そのためには棚橋弘至を倒すことが一歩目です。
しかし棚橋だって沈むつもりなんてさらさら無い。
G1なんて関係なかったのかもしれない、太陽と太陽の卵のAttack For The Next Generationの勝者は・・・
オスプレイの覚悟こそがフィニッシュホールドだった
あれだけ不調だった棚橋弘至もG1の中で復調していき、このオスプレイ戦では数々の閃きやオスプレイに勝る部分を沢山見せつけてくれました。
オスプレイの勝負技をスリングブレイドで返していく姿には、それこそ棚橋がAttack For The Next Generationを掲げていた時代の姿がオーバーラップしましたし、棚橋もまたこの試合で世代と戦っていたのだと思います。
しかしオスプレイの勢い、いや覚悟は違いました。
棚橋弘至をここで倒すこと、Attack For The Next Generationを背負って戦って倒すことは大きな責任や覚悟が必要となります。
そんなことに臆することなく棚橋の顔を撃ち抜く蹴り、そしてヒドゥンブレイド、そしてストームブレイカーで棚橋弘至から完勝と言える勝利を手にしました。
ストームブレイカーという嵐の前に太陽がリングの海に沈んで行く・・・
棚橋弘至がデビューしてからずっと見続けてきた自分としては、その瞬間がとても悲しくも見えたのですが、同時に嬉しくもありました。
新日本プロレスが暗黒期に落ちた理由としては「壁が壁のまま、世代が下に譲らないままだった」ということが1つあると思います。
橋本真也がいなくなり、武藤敬司もいなくなった。
蝶野正洋に関しては強さ的な壁という感じでもなかったことで、第三世代は上の世代を越えないままにトップに立つことになりました。
そんなフワッとした状態の新日本プロレスで棚橋は必死に世代間の戦い、そして上との戦いを繰り広げながら新日本プロレスを元に戻していきました。
もちろん棚橋はオカダという新世代の壁でもありましたが、まだまだ今の年齢でも今のコンディションでも棚橋弘至が若い世代の壁となっていることに感動してしまったのです。
ただの試合ではなく、テーマがあるシングルマッチで棚橋弘至に勝つということは覚悟が必要なはずです。
その覚悟があった人間だけがトップへ行けるものだと思います。
しかし、オスプレイはこのG1で勝点8での負け越しです。
まだまだその結果で新日本プロレスのエースになっていくなんてことは言えません。
オスプレイの覚悟が開いた扉はまだ1つだけ。1つだけだからこそ未来が楽しみじゃないですか!
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