新日本プロレスの将来の看板となるであろう海野翔太選手。
ヤングライオンのテンプレートにはめ込むのであれば海外遠征→数年後に帰国→一気にトップ戦線へ殴り込み→ファンの支持を得ることができるのか?トップで通用するのか?の品定めをされる、ということになるが、今の新日本プロレスの規模と人気を考えると「国内で成長していく方が良くないか?」という状況であることも事実。
この辺りは身近なプロレスファンを話していても意見が近いことが多く、今の新日本プロレスから海外武者修行に出ていったとしてもハングリー精神を手に入れることと、黒のショートタイツから派手な衣装に変更して必殺技を考案して戻ってくるぐらいしかメリットがないのではないかと。
新日本プロレスで戦っていれば世界中のプロレスファンにNJPWワールドで常に見られているという環境ですし、もちろん会場も常に満員状態です。
プロレスの試合のクオリティでも新日本プロレスはトップだと思いますから、武者修行先の方がレベルが低ければ意味がありません。
でも、もちろん海外遠征から戻ってきた時に新しい姿になっているというのはヤングライオンの伝統的な魅力でありレスラー人生の中でも大きな見せ場の1つですからこれが難しいところ。
そんな中で『新日本プロレスにいながらも海外で修行をしているかのような状況』を海野選手は手に入れることができました。
そう、モクスリー兄さんの存在です。
新日本プロレスに電撃参戦をしてから数日後、USのベルトを手にしたモクスリーは海野翔太とのシングルマッチを行いました。
試合は4分足らずでモクスリーが勝利しましたが、試合後にモクスリーが海野翔太を称えるかのように肩を貸してバックヤードへ。
そして、海野を大絶賛してパートナーとするというコメントを出したのです。
『よくやったぜ若いの。おまえ、良いよ。素晴らしいヤングライオンだ。俺はコイツが気に入った。俺にとってのヤングライオンでもある。だからコイツをスパーリングパートナーにしてもいい。オイ、ロッポンギまで俺を連れて行ってくれないか。』
「俺にとってのヤングライオンでもある」というのは「なにが?」という感じでもあるのですが(笑)何にしてもモクスリーは海野をパートナーにしつつ育てることを4分足らずの戦いの中で決めました。
今はモクスリー兄さんの背中を見続けていく先に海野翔太の未来がある
G1に入ってから、海野はいつもモクスリーの隣にいます。
入場時にはUSのベルトを大切そうに預かり、最近ではモクスリー以上のドヤ顔でベルトを掲げるなど完全にモクスリーの弟子のような状態になりました。
7月18日の試合後には「何があっても、ついていくよ」
20日は「俺はもっともっと上を見て、モクスリーの背中を見てついて行って、この新日本プロレスのテッペン獲ってやっからな」
完全にモクスリー兄さんの背中を見てついていき、新日本プロレスのトップに立つという気持ちで動いていることがわかりますね。
しかし、24日に棚橋と組んだ海野は試合後に『新日本にはいろんな先輩の背中があるから、自分への何かを掴んで、また明日へと、つなげていきます』とコメント・・・
モクスリーの背中を見ているはずが「いろんな先輩の背中」というザックリとした範囲に背中を広げました(笑)
これは恐らく「可愛がってきた翔太が参戦したばかりのモクスリーにベッタリなのは許せない!」という新日本プロレスの先輩レスラー達のジェラシーと圧力があったのでしょう。
Y興業の一件が如く、
「おい、テープ回してないやろうな」
「お前にスリングブレイド食らわすぐらいの力はもってるんやぞ」
こんなことが控え室で行われていた可能性が・・・
いや、しかし狂犬と呼ばれていて椅子やテーブルで相手を滅多打ちにするモクスリーはある意味では反社会的勢力。
そこかの直のオファーで海野がパートナーになっているならまさに闇営業。
だが、モクスリーを呼んだのは新日本プロレスなので海野は安心してしまったのでしょう。
海野翔太、涙の記者会見は待ったなしか。
真壁「後輩たちは心配よなぁ。暴走キングコング、動きます」
なんて展開も・・・っておふざけが過ぎましたが、真面目に考えればやはりあの元WWEのアンブローズのパートナーになって新日本プロレスの中で戦えるというのは海野にとってはとてつもなく大きなことだと思うのです。
いつまでモクスリーが新日本プロレスに参戦するのかわかりませんが、可能であればG1後もUSのタイトルマッチの前哨戦などのパートナーは全て海野にしてほしいですし、ワールドタッグリーグなどにも参戦してくれたら嬉しいですよね。
モクスリーが去る時にデスライダーを継承してもらえれば一気に海野がステップアップしそうですし、元々フィッシャーマンを使っているだけにデスライダー系の技は海野に似合うと思います。
また、海野が将来IWGPを手にするところは当然見てみたい光景でもありますが「モクスリーが巻いていたUS王座を手にする」というドラマも感動的になることでしょう。
この状況ですから「全ての先輩の背中を見ている」ではなく、やはりモクスリー兄さんの背中にめり込むぐらいの距離感で突き詰めていく方が良いのではないかと思います。
ファイトスタイル自体はそこまで見習う必要はないと思いますけどね(笑)
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