「主役は俺だ」内藤哲也が教えてくれたのは生き方1つで過去も今も変えることができるということ。

2017年 G1CLIMAX27(エントリー20人)
Aブロック首位内藤哲也(勝ち点14)優勝
Bブロック首位ケニーオメガ(勝ち点14)

Aブロックは2013年の決勝カードだった内藤と棚橋の試合が優勝決定戦への進出決定戦となりました。
棚橋に憧れ、棚橋の背中を追い、そして棚橋になろうとしていた2013年から流れた月日はいつの間にか内藤哲也を誰かのコピーではなく唯一無二の存在にしていました。

空前絶後のロスインゴブームが誕生した中で、棚橋弘至の後ろでも前でも横でもなく上から目線で戦いデスティーノで勝利。

そしてまたしても最終日で勝てずに優勝決定戦へ進めないという棚橋弘至の夏の風物詩のような結果でしたが、試合後に残した言葉は「OVER AND OVER AGAIN」。
何度でも何度でもという言葉は2017年から2019年の棚橋弘至へ届くのでしょうか。

Bブロックはオカダとケニーの直接対決での勝者が優勝決定戦へ進む試合となりました。
新日本プロレスの次元がまた1つ上がった東京ドームでの激闘、その後のフルタイムドローと1歩1歩打倒オカダへステップアップしてきたケニーオメガがついに勝利。

これにて優勝決定戦はG1をステップアップにできなかった経験のある内藤とG1で飛躍したケニーオメガの勝負となりました。

巡り巡り運命は内藤哲也を選んだ。デスティーノで掴んだ本当の主役の座。

お互いに無尽蔵のスタミナを持っている内藤とケニーの試合は約35分続きました。
試合時間の長さに関しては想像通りでも、そのほぼ全ての時間をノンストップで強烈な技の応酬をしているのですからG1CLIMAXの優勝決定戦のハードルを更に上げるような試合だったと思います。

終盤はケニーオメガの強烈なVトリガーに意識が朦朧としていた内藤でしたが、歯を食いしばり耐え続けてからの旋回式デスティーノ・正調デスティーノの2連発で2度目となるG1CLIMAXの優勝を手に入れました。

あの旋回式デスティーノはまさに内藤哲也をG1優勝へと巡らせた運命を表現していたかのような技でしたね。

試合後の内藤は「4年前に俺はこのG1CLIMAX頂点に立ったんですが、あのときは背伸びをしていて正直なことを言えませんでした。ただし!いまの俺なら自信を持って、言える。この新日本プロレスの、主役は俺だ」との言葉を口にしました。

2013年にG1を制覇したときも「新日本プロレスの、主役は俺だ」と言った内藤でしたが、それを全てのファンが認めていたわけではありませんし、その後に起こった内藤への厳しいブーイングの雨に彼はずぶぬれになりました。

それから4年の月日を経て、同じ言葉は世界中の新日本プロレスファンから大歓声を巻き起こすことになりました。

同じことをしても、同じことを発言しても、その時までの生き方で意味が変わる。
何なら過去だって意味を変えることができる。
そんなことをプロレスと内藤哲也が教えてくれた2017年の夏でしたね。

余談ですが・・・この後、内藤は「新日本プロレスの、主役は俺だ」をあまり溜めずに言ったことを後悔していましたね(笑)
お客様が覚えていないと本人は思っていたのかもしれませんが、ところがどっこいお客様も「主役は俺だ」を一緒に叫んでいましたし、その時に「おい、主役は・・・・俺だ」って溜めないのかよ!って思ったファンも多かったですから。

ただ、あの極限状態となった試合直後にそこまで考えることなんてできなくて当然ですよね(笑)


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