新日本プロレスの海外戦略と新日本プロレスの対抗戦

テレビ朝日の会見で「開幕戦はアメリカのケーブルネットワークなどで全米中継されます」と発表がありました。
G1が新日本プロレスワールドだけではなく、アメリカの媒体で中継されるということで更に新日本プロレスの人気が世界で加熱していきそうですし、海外戦略が更に1歩踏み出していくという感じになりそうですね。

「国内でもっと広めるためにG1決勝戦だけでも生中継を!」という思いも正直あるのですが、国内に関しては深夜のワールドプロレスリングをフロントエンド的動線にしてバックエンドの新日本プロレスワールド、また会場への来客につなげるという形はキープしていきそうです。

新日本プロレスワールドでも海外会員が相当多いと聞きますから、国内で広めるより海の向こうに目を向ける方が効率的なのかもしれません。

まぁ今の新日本プロレスの選手層を見れば世界に行くというよりすでに世界の新日本プロレスだと思いますし、オカダカズチカを先頭にしていけば何の心配もないのですが・・・1つだけやはり気になるのは新日本プロレスの対抗馬がいないということではないでしょうか。

新日本プロレスの対抗戦の出現はもうないのか?驚異という名の敵との闘いも見てみたいが・・・。

新日本プロレスの中だけでもドリームカードがまだまだ残されているような盤石な状態ということは事実です。
ですが、やはり新日本プロレスと全日本プロレス、新日本プロレスとNOAH、もちろん新日本プロレスとUWFやWARというような対立の構図がある方が当然ファン同士の熱も上がってきます。

また直接関わっていなくても双方が盛り上がれば相乗効果が見込めますからね。

もちろん近年の日本、いや世界的にですがどうにもネット中心の生活になる人が多いことや匿名での活動(掲示板・SNS)が人間の生活の大きなシェアを締めてしまっていることで閉鎖的な考え方になる人が増えていますので、2000年代半ばぐらいからはプロレス団体同士の対抗戦などがあるとお互いのファンが「あんなやつらやっちゃえ!」「ぶっ潰せ!」という感じではなく「関わる必要はないよ」「うちはうちでいいよ」という感じになっていることも事実ではあります。

ただ、これはどちらかの団体が上手く行っている時の対抗戦だと「助け舟的対抗戦」であることが多く、それが2000年代に多く見られたことも原因だと思うんですよ。

新日本プロレスが不調の時にNOAHとやって負けるとか、全日本プロレスが困っている時に新日本プロレスに来て負けるとか、そういう提携みたいなのはやっぱり燃えるものではありません。

やはりこれを解消して最高の熱量をプロレス界から出すには新日本プロレスに追いつく団体が対抗馬となって絡むことだとは思うのですが・・・でもお互いが好調だと対抗戦をする必要性がないので、この辺りはプロレス業界全体を盛り上げるという発想の経営者が揃っていないと実現しないとは思いますが。

ところで、WWEのトリプルHが「英国のNXT UKに続き日本にも立ち上げる可能性はあるのか」に対してYESという回答をしています。

NXT JAPANという存在がもし誕生するのであれば、それこそ新日本プロレスを脅かすような存在になるかもしれません。
海の向こうではAJとアンダーソンとギャローズがザ・クラブを再結成してリコシェを襲撃したり、中邑真輔が再度浮上してきそうな雰囲気もありますが、これらの新日本プロレスに縁の深い選手がWWEには沢山揃っていますからね。

これを驚異と思うのではなく楽しみだと思える状況であることが新日本プロレスの今の凄さだと思うのですが、逆にここまで大きくなった新日本プロレスだからこそ驚異が迫った時にどういう闘いをするのか?ということも興味深いですね。

一昔前のように「これでは新日本プロレスが侵略されてしまう!頑張れ新日本プロレス!」って空気になりようがないですし、新日本プロレス内のユニット抗争も面白いのですが新日本プロレスの選手が一丸となってなにかに立ち向かう「何か」が存在していないというのは後々になって響いてくると思いますからね・・・


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