プロレス総選挙号のNumberは内藤哲也・高橋ヒロム・SANADAのインタビューを必読!

棚橋弘至選手が逆転優勝したNumberのプロレス総選挙でしたが、兎にも角にも色々なプロレスラーのインタビューが濃いということがとても嬉しかったです。
変な話ですが専門誌の週プロや東スポよりも圧倒的に濃い内容だったと感じました。

特にロスインゴファンは必見必読という感じで内藤哲也選手、SANADA選手、そして欠場中の高橋ヒロム選手に関しては欠場後から現在までで最も本音を語っている内容だと感じましたし「え?そんなことがあったの!?」と驚くような内容もありました。

そして内藤哲也と高橋ヒロムの二人とSANADAとの大きな違いもこのNumberのインタビューで出ているので、この3人のインタビューに関しては連続して読むとより面白いのではないかと思いました。

Contents

内藤哲也の野望とプロレスと近年の「安全なプロレスをしてほしい」という声に対しての答え

内藤哲也の野望と言えばIWGPとインターコンチネンタルの2冠王。
インタビューの中では「初代とか史上初に自分の名前を残したい」と語っていますが、名前を残すことで今のファンだけではなく20年後30年後の新日本プロレスのファンにまで内藤哲也のプロレスを見せようとしているという発想は凄いことですよね。

そしてもう1つは6大ドームツアーということですが、これは逆に「なんでやらないの?」と思っているファンは多いのではないかと思うのです。
新日本プロレスがブームになってからのファンの人は新日本プロレスと言えば東京ドームというイメージかと思いますが、福岡ドームや名古屋ドームでの大会は過去に行っているわけですし、その時より勢いのある新日本プロレスですから実現は可能だと思うのです。

もちろん東京ドームが超満員まで戻っていないということもありますが、東京以外でのドーム大会をずっと待っているファンは沢山いるはずですからね。

「ドームでやるなら見に行こうか」という層も出てくるはずですし、今の選手層であれば十分可能なことだと思うのですが・・・

1997年8月の名古屋ドーム大会は僕も見に行ったのですが(当時17歳か・・・若かった)プロレス好きな友達とそうでない友達も連れて大所帯で見に行きましたからねぇ。
長州VS藤波、ムタVS小川、橋本VS天山・・・ドームを新日本プロレスが揺らす瞬間を東京ドーム以外のドームでも見れることって本当に嬉しかったですから。

2020年、二冠王の内藤哲也が6大ドーム全てで防衛戦をして2021年に東京ドームに戻ってくるなんてことがあってもいいじゃないか!って僕は思うのですけどね・・・
20代でのIWGPという夢を掴めなかった内藤哲也が40代を目前にして壮大な夢を見せてくれないものでしょうか。

さて、もう1つは昨今言われる「プロレスが危険」「安全なプロレスを」という一部ファンの声に対しても話をしているのですがこれも心に刺さるものがありました。

「あと20年30年やろうと思いながらするプロレスは誰の心にも響かない」
「時速30キロのF1をアナタはみたいですか?」

このブログでもよく書くことですが「怪我をしてほしくない」と「安全なプロレスをしてほしい」って別問題だと思うのです。

鍛え抜かれたレスラーが激しく戦うからこそ感動や興奮が生まれるわけですし、もちろんスタイルとして色々なプロレスの形がありますがどれにしたって危険は伴うわけですからね。

ただ、危険なことはしなくて良いという人の多くは「プロレスで起こる物語やドラマ」が見れれば満足で試合は重要ではないという傾向があるような気がします。

逆にというか極端に言えば試合なんてしなくても魅力的であるという不思議な領域に新日本プロレスが来ているとも言えなくはないのですが・・・

この手の声はクレームとは全く違うとは思いますが、例えばバラエティ番組などに対して「こんな危ないことをするなんて!」とクレームの電話を入れる層というのは年々増えているじゃないですか。
この人達の場合は本当に心配しているのではなくて日頃のストレス発散をしているだけだと思いますが、何が怖いって改善して安全にして内容もソフトにした場合にこのクレームを入れる層が見なくなるということなんですよ。

プロレスにしても安全で寸止めで2分ぐらいで終わる試合をするようになったら「危険なことはしないで!」と言っていた人も見なくなるのではないでしょうか(苦笑)

この件に関しては内藤が言うように「心配はありがたいけど、レスラーを信用してほしい」という言葉が100%正しいと思うのです。

高橋ヒロムの現状と「プロレス舐めんな!」に心打たれた

負傷欠場中の高橋ヒロムですが、Numberのインタビューでは現状や怪我をしたときの話を赤裸々に語っていました。
そんな中で驚いたのはネット上で「ヒロムはもうダメらしい」「戻ってこなくていいよ、○ね」なんて声があることや「復帰するする詐欺」なんて言われていることが書いてあったことです。

「○ね」は「死ね」としか考えられませんが(伏せ字なので)酷いことを言う人がいるものですね・・・

まぁ復帰するする詐欺ということに関しては、昨年末からちょいちょい復帰を匂わせていたことは事実なので「高橋ヒロムの復帰を待っている人が肩透かしを食らって、それが怒りに変わった」みたいなファンのアンチ化なんてこともあるのかもしれませんが、長期欠場からカムバックする選手は過去にも沢山いるのですから、高橋ヒロムが復帰した時に120%の声援を送れるようにしておくのがファンができることなのではないかと思います。

あの試合で首を負傷した時の話も衝撃的で「もうプロレスができなくなる」と思いレフェリーに「止めてくれ」と言ったものの、「引退試合ぐらいかっこよく終わりたい」と思って続行したということで・・・そこまでの覚悟とプライドがあることに対して僕は単純に尊敬しました。

となるとここでもまた「安全なプロレス」「危険なことはしてほしくない」が出てくるのですが、高橋ヒロムもこれに対して「危ないことは一切起こらないので安心してご覧くださいなんてアナウンスがあるプロレスなんて嫌でしょ!」と発言しています。

そして重要なのがその後に話していること。

「どんなスタイルでも関係ない」
「関節技なら安全?骨折られる手前でもギブアップしない奴らの集まりなんだから、プロレス舐めんな!」
「安全な技があると思われているのが悔しい」

ちょっとね「プロレス舐めんな」という言葉には心を打たれました、涙が出ましたよ。

高橋ヒロム選手は僕よりずっと若いですし、8年前に食事会でお話した時とか本当に可愛い子という感じだったのですが、この発言には僕が憧れるプロレスラーという存在の中でも「憧れそのもの」だなと感じました。

おそらく新日本プロレスの中で最もアイドル的に見られている選手ですが、この言葉から感じるのは男臭さしかありません。

文末のドラゴン・リーへのメッセージはぜひNumberを読んでいただきたいですが、この言葉も「俺たちの魂をかけた戦いに外野が危ないとか言うな、俺たちを舐めるな」という声が聞こえて来るようなものでした。

そりゃあ首に大怪我をしているのですから復帰後に首に技を食らうたびにファンは「大丈夫なのか...」と思ってしまうでしょう、それは仕方ないです、僕も目を覆うようなことがあると思います。

ただ、それでも高橋ヒロムのプロレスが一日も早く見たいと毎日思っていますし、高橋ヒロムの魂の輝きを邪魔することは誰にもできないはずです。

・・・あと、高橋ヒロムがいないとロスインゴが暗いので早く戻ってほしいですね(笑)
内藤も高橋ヒロムがいた時期のこらえきれない笑顔が今は出ませんし、ロスインゴって高橋ヒロムの有無で全然空気感が違いますもんね。

SANADA「プロレスの醍醐味は基礎を極めることにある」

そんな内藤と高橋ヒロムと同じロスインゴのメンバーであるSANADAのインタビューも面白いものでした。
「頭から落とすだけがプロレスじゃないんだよ」という名言を昨年残していますが、SANADAは自分のスタイルについて「基本で習うような技しか使わない」と言います。

大技というのは高級食材に頼る料理のようなもので自分はスーパーの食材でも高級食材に負けない料理ができるという表現をしているSANADAですが、この辺りのセンスはやはり素晴らしいですよね。

もちろんこれは内藤、高橋ヒロム、鷹木信悟、オスプレイ、飯伏幸太などを批判しているわけではなくSANADAの価値観であったり「人と同じことをしては上にいけない」ということからの戦略でもあるわけですが、このインタビュー内容が今回のNumberで内藤・ヒロムと一緒に掲載されているということも面白いところだと思うのです。

また、ロスインゴに入ってから無言キャラであったことに関しては「それがあったからこそ最近は喋るだけで盛り上がる」ということも話していますが固定観念をファンに植え付けておいてそれを覆すという手法はSANADAの発明したプロレスノーベル賞と言っていいかもしれません。

そして、プロレスのスタイルとしても固定観念をすでにファンの心の底まで植え付けているわけですから、これで仮に垂直落下系の技をどこかで使ったらとてつもない盛り上がりになるよなぁ・・・なんてことも思いました。

SANADA選手の年齢で言えばこれから10年先までトップでいられるはずですが、この10年の中で1回2回はそんなシーンがあるのではないか?なんて妄想してしまいます。

Numberを読んでロスインゴの魅力がさらに大きく感じるようになりましたが、それぞれの内容を読んだ結果・・・やっぱり内藤とSANADAは対角線上に立っていてほしいとも思ったのです。

元々は団体の垣根を超えて比較されるような存在同士でしたし、武藤敬司に憧れながらも独自の路線を見出して全力の闘いをする内藤と武藤敬司の系譜であり、綺麗で美しいプロレスをするクールなSANADAは戦うことで更に魅力が出るような気がするのです。

また、ロスインゴが魅力的だからこそロスインゴ後のそれぞれのメンバーの物語も見てみたいと思えるんですよね。

今回のNumberですが今読んで面白いのはもちろんのことですが、1年後2年後3年後に読むと別の面白さが出るのではないか?と思いましたので永久保存版にして保存しておこうと思います(笑)


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