G1参戦選手の年齢と4年後に起きてしまう平均年齢アップの不安

石井選手のインタビュー後半で語られていた今年のNJCでの出来事。
『50だよな? まだ遅くねえ。もう一回気持ち入れかえて俺んところに来い。もう一回胸貸してやる、43のグリーンボーイからのメッセージだ』という名言が生まれたこともあり、今年前半の新日本プロレスで必ず語られる名場面。

人間は年齢に負けることもありますし、それこそ最も強敵が年齢であるとも言えるわけですが「そこに気持ちで負けたら終わり」という石井選手の考え方は人生の教訓になりますね。

ただ、それでもスポーツや格闘技の世界において当然年齢というのは大きな基準となります。
多くのスポーツでピークは20代中盤から30代前半ですし「戦うべき年齢」に反して「受け入れる年齢」というのも必ずあります。
そしてスポーツはビジネスですから、若いスターを発掘していかないことには多くのファンを掴むことができないというのもまた事実です。

2019年G1CLIMAXの出場者の年齢

そこで今年のG1CLIMAXにエントリーしている選手の年齢を見てみたいと思います。

棚橋弘至:42歳
飯伏幸太:37歳
オカダカズチカ:31歳
ウィルオスプレイ:26歳
EVIL:32歳
SANADA:31歳
ファレ:37歳
ザック:31歳
ランスアーチャー:42歳
KENTA:38歳
ジュースロビンソン:30歳
石井智宏:43歳
矢野通:41歳
後藤洋央紀:39歳(4日後40歳)※6/25
ジェフコブ:36歳
モクスリー:33歳
内藤哲也:36歳(明日37歳)※6/22
鷹木信悟:36歳
ジェイホワイト:26歳
タイチ:39歳

プロレスの世界は他の競技よりも圧倒的に競技寿命が長いですので、プロレスを知らない人が上の年齢を見ると「え!?シニアの部?」なんて思うかもしれませんが、プロレスファンからすれば「若返りしてるなぁ」とか思うというのが現実です。

第3世代がおらず真壁と鈴木みのるが不参加で40代が4人(数日後になると5人)20代が2名もいて、30代前半が5人ですからプロレスの世界だとこれはそこそこ若い感じに見えてしまいます。

そもそもプロレスはサッカーの久保建英のような「10代のスーパー新人」みたいな存在がいない世界です。
新日本プロレスで言えば折り紙付きで入団しても最初は試合にコンスタントに出場できず、基本的には第一試合で負け続けて数年というのが修業の場で、そこから海外遠征に数年行って戻った時に一人前となりますから大卒ルーキーなどだとその時点で30歳ぐらいにはなってしまいます。

実力世界でもありますが年齢の世界とも言えますし、一人前になってからトップ戦線を退くまでの時間というピーク時の競技寿命という見方をすれば10年少々というところでしょう。

さて、今回G1にエントリーされずにお怒りの鈴木みのる選手は51歳になりました。
同世代が一歩退く中で鈴木みのるというレスラーはバリバリ前向きですし、強い選手という認識はファンの中から消えていません。
なので出場してほしいという声が多いのは当然のことですし、僕自身も鈴木みのるVSモクスリーとか鷹木なんて相当見てみたいものです。

今回それが実現しないなら実現しないまま終わる可能性が高いと考えるとより見たくなりますよ。

ただ一方でキングカズ(52歳)がバリバリ前向き(です)でプレイヤーとして代表クラスの能力が現在あったとした場合に代表招集したらどうなるだろう?と。

キリンチャレンジカップぐらいなら盛り上がるでしょうし興行としても成功するとは思いますが、サッカー界のことを考えればその枠を若い選手に与えることが正しいという話になるはずです。

もちろんプロレスはチームVSチームの競技ではないのでこれとは別の考え方になって当然ではあるのですが、新日本プロレスとしては新日本プロレスを1つのチームとして考えているわけですから似ている部分もあるはずです。

今回はザックセイバージュニアがG1出場権を懸けてYOSHI-HASHIと戦うという決定事項と、YOSHI-HASHIのその後のプランがありますのでザックの枠がYOSHI-HASHIになるのか、それとも鈴木みのるにチャンスがあるのか、もしくはG1出場をまだ口にしている若手の海野になるのか可能性は広がりますが、どういう結末になるのかによっては新日本プロレスの考える選手年齢のシキイ値みたいなものが見えることになるのかもしれません。

ただ、今の主力と若手の人数などを考えるとここから先の数年はまた年齢が上がっていくような感じもするんですけどね。
4年後になると内藤・飯伏・鷹木が40歳、オカダ・SANADA・EVILが30代半ば、タイチや後藤は43~4歳で棚橋が46歳ですから、新日本プロレスとしては海外やフリーの有名選手の参戦で盛り上げていますが、肝心の自前の選手を育てないと4年後も右肩上がりということはないだろうなとは思うんですよね・・・


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