EVILが掲げた「新日本プロレスとの戦い」という裏テーマ

ロスインゴベルナブレス対CHAOS+飯伏幸太。
こんなカードが第四試合でできてしまう今の新日本プロレスですから客が入って当たり前ですし売上が上がって当然ですよね。
お金を使いたくなるというか使うことに対しての対価が大きいものを見せてくれるわけですから、やっぱり凄いですよ。

試合は5人と5人が全て前哨戦となりますが、「新日本プロレスに入団」という発表をして記者会見では「希望としては...本隊かな?という気がしている」と言った飯伏がいきなりCHAOSと組み続けるというのも見どころと言えるのかもしれません。

その時に飯伏幸太は「たぶんどこの場所に行っても大丈夫な気が自分の中ではしているのでどこでもいいんですけど。」とも話しているので、CHAOSと組んで気持ち良いならCHAOS入りもありえそうですからね。

でも・・・まぁ棚橋弘至の言う「覚悟」ってのは飯伏幸太に「新日本プロレスを背負う」というところだと思いますし、それは本隊で棚橋弘至の次のエース的な意味もあったと思いますから「どこでもいいんですけど。」という発言に関しては微妙に感じた新日本プロレスファンも多かったとは思うのですが(苦笑)

石井の頭突きとEVILの頭突きに震えた

前哨戦ですのでもちろんどの組み合わせも激アツなのですが、中でもSHOと鷹木はヘビー級以上の迫力あるぶつかり合いを披露していました。
この二人がIWGPjrのシングルを賭けて戦う日が楽しみですし、ベスト・オブ・ザ・スーパージュニアは絶対に同ブロックの終盤戦に入れてほしいなぁと思いました。

さて、そんな二人の戦い以上に熱いのがやはりEVILと石井。

この中で唯一ノンタイトル戦となるシングルマッチの前哨戦なのですが、例によって今宵も最も注目されていたと思いますし、新日本プロレスワールドの映像もこの二人を抜くときが多かったというのはそれだけ期待されているからですよね。


試合後にはロープを挟んでのにらみ合いをしていた石井とEVILですが、ここで石井が全力で頭突きを食らわせました。
返す刀でEVILも頭突きを入れましたが、この瞬間はとても印象的でした。
プロレスというのは来る技を理解して受け止めますし、その逃げない姿がレスラーのカッコよさの1つです。
ですがこの頭突きを受けているEVILは受ける動作に入ってない棒立ち状態ですから、石井の感情が石井を瞬間的に動かせて頭突きをしたのだと思うのです。

僕はこんな棒立ちで頭突きを受けている人間を見たことがありません(笑)
そしてこれに怯まずに即座に打ち返すEVILの感情も凄いなと思うのです。

突発的に頭突きをし合うほどまで高まっている二人ですから、この二人だけのシングルマッチはどんな試合になるのでしょうか・・・

新日本プロレスとの戦いで既成概念を破壊する

試合後のEVILは「この戦いにかけている、それは相手が石井だからだ」と石井という選手の強さを認めた上で「その全てを俺が飲み込む」と強くてタフでハードな石井だからこそ勝ちたいという思いを吐きました。

また「この試合の裏テーマは新日本プロレスの戦い、クソみたいな既成概念がぶっ壊す」と発言しています。

新日本プロレスが持つ既成概念というところで言うと、トップに立てるのはオカダカズチカ・棚橋弘至のような正統派なスターレスラーや外人選手の外敵というものもそうでしょう。
また今後はSANADAや飯伏幸太というような女性ウケする選手というところもプッシュされていくことなど考えると、確かにEVILは既成概念を破壊したいと思う側だと思います。

この10年を振り返ると、真壁刀義ですらIWGPは1回のみ。後藤洋央紀は0回、石井も0回。
パワーファイター系でゴツゴツ系の選手はトップに立てなくなっているなかで、EVILに関してはハッキリ言えばキャラが濃いレスラーですし団体の顔になるタイプではなく見方によれば怪奇派な選手です。

この状況でEVILができることは圧倒的な実力と素晴らしい試合をして、ファンの支持を今の何杯も大きくした上で会社を認めさせてIWGPを巻くということに他なりません。

特にIWGP56代からは棚橋・オカダの隙間にAJとケニーと内藤がいるだけで、最近ではジェイが巻いただけですからまさにこれは新日本プロレスの既成概念とも言えます。
そしてこのまま行けばオカダ・ジェイ・SANADAで向こう10年回されてもおかしくない状況と考えると、EVILがそこに食い込むためにどうすればいいのか?と考えるのは必然。

そして、EVILがEVILのままでそれができるのであれば相当大きなことだと思いますし、個人的にはそれが見たいです。


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