内藤と飯伏がマディソンスクエアガーデンで見せたファンへの答え

1982年、それも1ヶ月少々違いの時期にプロレスの神様は2人の天才を世に誕生させました。

1人はスターダストジーニアスと呼ばれ新日本プロレスの未来を託されるものの、気がつけばファンの大ブーイングに包まれて悩み、それでもメキシコで自身の見開いた目で未来を見つけ制御不能のカリスマとなり、気がつけば押しも押されもせぬ人気ナンバーワンとなった内藤哲也。

1人はゴールデンスターと呼ばれ日本中どんな場所でも人々の心を鷲づかみにし続け、盟友との別れの決意と新日本プロレスを背負う覚悟を胸に、2人の神が巻いていたベルトをその腰に巻こうと動き出した飯伏幸太。

奇しくも「星」と呼ばれた2人は太陽と月が奪い合ったインターコンチネンタルのベルトを懸けてマディソンスクエアガーデンという大舞台で戦うことになりました。

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マディソンスクエアガーデンは内藤と飯伏を待っていた

マディソンスクエアガーデンでも内藤哲也と飯伏幸太に大歓声が起こりました。
彼らは「特に思い入れはない」という会場ですが、それでもマディソンスクエアガーデン側は彼らを待っていた。

飯伏幸太の入場、内藤哲也の入場ともに両選手に大歓声の起きるマディソンスクエアガーデン。
「この試合が見たかったんだ!」というファンの人の思いがそのまま出ていたのではないでしょうか。

試合序盤に内藤が飯伏を場外で投げるとスタッフに激突。
内藤がそのスタッフに「おいおい」とアピールすると、睨み返してきて他のスタッフがスタッフ側を制御するというハプニングもありました。(これはスタッフさん、プロの仕事としてはダメ!)

ノビノビと試合をする内藤に対して気合い十分の飯伏幸太という構図でしたが徐々に内藤も飯伏幸太のテンションに合わせて行ったという試合でした。


飯伏幸太は飛躍のために負けることはできませんし、内藤もここで負けたらこの日のロスインゴの内容も含めて地に落ちてしまうことになりますし二冠王を口にしてすぐにベルトを失っていたら流石に立場が厳しくなります。

どちらも絶対に負けられない戦いは激戦となっていきました。

清々しいまでの危険技の応酬に内藤と飯伏のプライドが見えた

試合はまさに内藤と飯伏ってこうだよな!という内容でした。
ニュージャパンカップで戦った試合と同等のハイレベルな試合。
そしてこの二人にしかできないデンジャラスな試合、まさに世界中の人が見たかった試合をマディソンスクエアガーデンで見せてくれたという印象です。

危険技に対してファンからクレームが出るという現象にはプロとして内藤や飯伏、オカダなども反論をすることがありますが、まさに彼らの試合はニュージャパンカップでその一部の批判の対象となりました。
それに対しての答えは「内藤と飯伏は内藤と飯伏だった」ということなのでしょう。

状態への断崖式フランケンシュタイナーを飯伏幸太が見せれば、内藤は超急角度のグロリアで飯伏幸太を突き刺します。
そして極めつけは飯伏幸太のスワンダイブ式のジャーマンスープレックス、これで内藤は脳天からリングに落ちてしまいました。


そこまでしないと内藤には勝てないという飯伏幸太の思いがこの技に詰まっているのではないでしょうか。

内藤の膝は限界?海外遠征のハードスケジュールも響いたのではないか

フォアームを避けれられた時も膝をかばって着地できていなかった内藤ですが、それ以上に心配になったシーンが飯伏幸太に対して人でなしドライバーを狙った時です。
この技は人間の体の作り的に考えれば持ち上げやすい技の部類に入りますが、それを1度・2度と内藤が全く持ち上げることができずに5センチぐらいの高さから落とすという形になりました。


考えてみると鈴木みのるに対してゴッチ式を狙った昨年の試合でも、持ち上げれずに尻餅をついてしましたので、膝に力の入るボム系やドライバー系の技に内藤の膝が耐えられなくなっているのかもしれません。

内藤はこの大一番の前にハードスケジュールでのCMLL参戦などがありましたし、肉体的な披露もかなりあるのではないかと思います。
その点でコンディションで勝る飯伏幸太の猛攻を凌ぐ体力はもう残されていなかったのでしょう。

とてつもない掌底を食らい、飯伏幸太が神と呼ぶ中邑のボマイェを2連発。
ここで僕は「棚橋がハイフライフローを使わなかったのは飯伏が使うからか?」(※2人の神発言にかけてボマイェとハイフライフローを使うと思った)と思いましたが、そういうことはなく強烈なカミゴェで内藤をリングに沈めて勝利。


二人の神が巻いていたベルトを手にして、これから飯伏幸太はインターコンチネンタルをどんな飯伏色に染めていくのでしょうか。
また、内藤哲也とロスインゴはここからどう巻き返していくのか?人気は一番で活躍できていないという状況が続けば、突然ファンが離れていく可能性だってないわけではありません。

奇しくも、新日本プロレスを黄金期に戻していくために体を張ってきた棚橋弘至という太陽が沈み、内藤哲也という星がまさに星屑となり沈んで行ったマディソンスクエアガーデン。

春のビッグマッチはまだまだ続きますが、内藤哲也はどこで輝くのでしょうか。


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