人間というのは良い意味でも悪い意味でも影響を受けてしまう生き物ですので、基本的に僕はあまり人のブログを見ないようにしています。
特にこのブログがプロレスネタばかりに振り切ってからは、大好きだった新日本プロレスに関するブログさんなどを見ないようにしていたのですが、僕の読者様であり競馬&プロレス仲間の盟友が、Facebookでシェアしていた「NJPW FUN」さんの記事を見て「僕もこれは書きたいな」と思ったテーマでしたので、今回書かせていただこうかと思います。
※ちなみに大好きなブログさんです。オススメです。
Contents
ジェイホワイトへの野次、マナーの悪い行為について
僕のブログでもマナーの悪い客の話を書いたことがありますし、ジェイホワイトに対しての野次についても過去に書きましたが、あくまでも「チラッと」大会の感想の中で触れたぐらいでした。
そして、恐らく新日本プロレスというかプロレスというものをある程度の知識がある人が見ていればブーイングというのはある種の歓声であることも知っていますし、何よりジェイホワイトがあの年齡とキャリアで全国各地でブーイングを浴びることができるようになったことは「凄い」ことであると評価することも当然ですし、僕もその事実についてはジェイホワイトは今後が恐ろしいまでの一流レスラーだと何度も書いてきました。
ですが、徐々にその度が過ぎてきているというか、一部の何か勘違いした新日本プロレスファンが出てきているようで「ブーイング」に「愛情」が全く無いものになってきていますし「野次」というより「ただのマナーの悪い叫び声をあげる人たち」が出てきてしまっているのが現実です。
ニュージャパンカップでオカダが優勝し、当然ジェイホワイトが出てくる。こんなのは当たり前でこれがプロレスです。
それに対して新日本プロレスワールドで視聴していてもわかるとてつもないブーイングが出ていましたが、ここまでは僕は「歓声」だと思って聴いていました。
ジェイホワイトはヒールですからそれは問題ないことですし、例えばオカダのように強する王者にブーイングが出たことも過去にはありました(棚橋も)がそれらも含めてブーイングは歓声と同等の意味を持つことです。
しかし、この時はブーイングが止まない。
ジェイが喋ればブーイング、そして喋ることを止める。
また喋るとまたブーイング。そして「日本語で喋れ!」というような差別にも繋がるような野次が飛ぶ。
そしてそれに会場から笑い声まで上がるという始末。
何と言いますか「みんなブーイングしてるから」ということで強気になっているのかわかりませんが、なんと品のないことなのでしょう。前日にSANADAと幻想的な空間を作り上げた会場とは思えないですし、その映像は「僕も行きたいなぁ」と思いましたけど、翌日のこのシーンを見たら「この会場は行きたくないし、新日本プロレスも大会やらなくていいんじゃない?」とも思いましたよ。
この時、オカダも相当怒っていたと思います。ジェイも同じでしょうし悲しかったとも思います。
これからマディソンスクエアガーデンでタイトルマッチを行うレスラーにこんな表情をさせることがファンにとって何かメリットがあるのでしょうか?
方やニュージャパンカップ優勝者、方や新日本プロレスの象徴であるIWGPを巻いている王者なんですよ。
本来ならこの二人は睨み合っていないといけないのに、客席を睨ませてどうするんですか。
SNSから人気が再燃した弊害なのか?
以前にも書きましたが、僕も会場でマナーの悪い客なんて沢山見てきました。
FMWでは酔っ払ってる小汚いオジサン2人組がターザン後藤に「麻原様!」「尊師!」とかずっと叫んでいましたし、新日本プロレスの愛知県体育館大会になると(今でもいますが)面白くない野次を繰り返して空気を悪くする人と遭遇することは昔から多いです。
ただ、このジェイホワイトの件であったり先日の棚橋弘至への野次問題(女性のお客様が反論するなどし、野次をしていた人は退場となったそうです)というのは、何となく・・・そうですね、陰湿が表に出てきているような感じ?
うまく表現できませんが、何か気持ち悪い感覚になってしまうのです。
さて、マナーということに関してはTwitterを見ていても酷いものがあります。
どの選手にも酷い暴言を書き込む人は必ず目にしますし、例えばタイチ選手とか鈴木みのる選手とか永田選手とか言いたいことをハッキリ言うタイプの人にはその手の行為が多く感じられます。
また、、、これはあまり書きたくないことですが「プロレスを何だと思って見てるの?」という人も今はかなり多くなっているのかなと思います。
具体的には「おい!介入しないと勝てないのか!」「反則したから勝てただけだろ!」「レフリーが見てたら反則負けだ!返上しろ!」のようなコメントを見ると、プロレスに対しての考え方が力道山時代というか、近くても90年代前半とか?のような人が沢山いるように思えてしまうのです。
もっと酷いと新日本プロレスの公式に対して「介入して椅子で殴るなんて行為は傷害事件ですが?通報しないのですか?」というような内容も見たことがありますので、例えばランスアーチャーがヤングライオンを襲撃するとか、鈴木みのるがヤングライオンをぶん殴るなどを「傷害事件」や「パワハラ」だと思っている人もいるということなのでしょう。
クリス・ジェリコの内藤襲撃なんかもただの暴行事件だと思っているのかもしれませんが、例えばこの手の人たちが全体のシェアの何割なのか?によっては、プロレスがどういう競技なのかを知った時に一気に離れていく可能性もあるかもしれません。
さて、話はそれているように見えますが問題はこのTwitterにもあるのではないかと思うのです。
新日本プロレスの人気が再燃した理由の1つは、多くの選手がTwitterを活用して自分たちを広めていったこともありますし、Twitterは芸能人や有名人とファンの距離が近いと錯覚してしまうので距離感を間違える人も出てきます。
また、なぜ他の国は実名のFacebookや写真などでパーソナルなことも見えるインスタグラムが主流なのに日本だけTwitterが一番人気なのかと言えば匿名だからなのでしょう。
良く言うならば日本人は人前に出るのが苦手で控えめですので、Twitterで匿名でアイコンも自分ではない自分の分身のような存在になることが合うのでしょう。
その結果として匿名で実名の有名人などに絡んでいったり暴言を吐くことに躊躇がない人達が増えてきてしまっています。
簡単ですよね、問題になればアカウントを削除して作り直せばいいのですから。
また、複数のアカウントを使って自分自身の人生よりも自分の分身であるSNSのアカウントで生きる時間のほうが長い人もいたりもしますから、その内の1つはレスラーに絡む用なんかにしている人も実際にいます。
そんなTwitterで集客をしてしまったことで、そのようなマインドになってしまった人が外に出てきて新日本プロレスの会場に沢山いれば、彼らはTwitterでつぶやくように何も考えずに暴言などを吐いてもおかしくないと思うのです。
ジェイホワイトに会場中からのブーイングが鳴れば、それはまるで「炎上したアカウント」にでも見えるのかもしれません。
そうなってしまったなら限度なく野次を飛ばす人にも悪い意味で理解ができてしまいます。
もちろんTwitterが悪いとか匿名が悪いとは言いませんが、その世界で生きる時間が長くなると現実世界でもそのようになってしまう人がいてもおかしくないと思うということですよ。
バカッターなんて言葉がありますが、あれはTwitterがバカなのではなくてバカが外でしてきたことをTwitterで流すから問題になるわけですよね。そのようなTwitterの匿名の世界と現実の自分がごちゃまぜになっている人がいることについては社会問題としても考えていかないといけません。
また、例えばこれでレスラーが匿名でTwitterをやっているならいいのですが(これは本末転倒で意味がないですが)レスラーは実名でTwitterを利用しているわけです。
例えば棚橋弘至は棚橋弘至としてTwitterをし、棚橋弘至としてリアルで生きて、棚橋弘至としてリングで戦っているわけです。
一方で匿名でTwitterをしている人が棚橋弘至のTwitterに暴言を書き、そのTwitterの中の人が外に出てきた時に合うのは同じ棚橋弘至なわけですから境界線がおかしくなる理由になっているのではないかとも思います。
そしてこれはファンだけの問題でもなくて、新日本プロレスの所属選手にしても他の団体でもそうですがリング上・バックヤード・インタビューだけで補充しきれないことをTwitterでやるようになっていますよね。
Twitterでストーリーを発展させてリング上に繋げるという手法は、最初は「これは凄いな、新時代だなぁ」と感じましたが、今では結局そのやり取りにファンが絡んでいけてしまうので、距離感がガバガバになってしまっていることも1つの問題なのかもしれないと思います。
これは映画とかドラマとか他のスポーツとかバンド・音楽などではないプロレス特有のことに近いと思うのです。
悟空とベジータがTwitterで喧嘩しないですし、J1のチームがJ2のチームと当たる時に「J2なんかに負けないぞコラ」なんてTweetしませんよね。
なのでレスラー側もファンとの距離感がめちゃくちゃ近いところでTwitterを利用するのであれば、その距離感のままで会場に来る人もいるということはリスクとして考えていかないといけないのではないでしょうか。
ユニット抗争時代だからなのか?
もう1つは以前から書いているようにプロレスの主流が多ユニットでの戦いだからではないのかと。
例えば新日本プロレスから鈴木軍がノアに行ったときも相当マナーの悪い客が多くていつもタイチやデスペラードが怒りの声を出していましたが、これはまぁ団体対抗戦的なものなので昔からあることじゃないですか。
新日本プロレスとUWFの対抗戦とか全日本との対抗戦とか、それこそ会場でファン同士が喧嘩しない方が珍しいぐらいの時期もありましたからね。
団体内だけの大会の場合だと、例えば武藤敬司と橋本真也が試合をすれば武藤ファンは武藤を応援しますし橋本ファンは橋本を応援しますが個と個の色が強ければ「武藤負けるな!」というような好きな選手を応援することにファンはエネルギーを使うものです。
根底にあるのは「新日本プロレスが大好き」という思いで、それがそのまま新日本プロレスファンではないでしょうか。
しかし、今の新日本プロレスは何だか「どこかのユニットの推し」でないといけないような空気をファンが勝手に作っているところがあります。
例えば僕が「好きな選手はEVILとタイチと~」とか言うと、リアルで「え?ロスインゴと鈴木軍両方ってずるくない?」みたいなことを言う人はいるんです。
「え!?ズルいって何?!」
となるのですが(笑)
何となくイメージでいうと Jリーグ = 新日本プロレス Jリーグに参加しているクラブチーム = 新日本プロレスのユニット みたいな考えの人が増えているのではないかと。
なので新日本プロレスファンと全日本プロレスファンが「お前らズルいぞ!」「何だお前帰れ!」みたいなやり取りを、その機会のときだけしていたようなことが今は新日本プロレスだけの中でユニットファン同士がしてしまうようなところがあるのではないかと。
これも前に書いたことですが、若干ビジュアル系バンドファンに近い雰囲気が出てきているユニットもいくつかあるんです。
ご存知かどうかわかりませんが僕はビジュアル系が好きで、XJAPANに支えられて生きてきましたし、もちろんLUNA SEAとかDIR EN GREYとかLaputaとかまぁ書ききれないほどですが、自分自身もバンドをしていましたしこの空気感は人生経験としてわかってしまうのです。
そして、XJAPANとLUNA SEAという兄弟であり仲間である絆のあるバンドなのにファン同士の仲が悪かった時の酷さも知っています(笑)
これが何かと言えば・・・嫌いな言葉ですが信者化、とでも言いましょうか。
ファンの中には好きだからこそ「それは違うのでは」と言う層と、好きだからこそ「何をしても最高!正しい!」という層があります。
ビジュアル系バンドで言えば「新作はちょっと大人しくて前作が良かったな」と言うファンと「新作が最強!いや最狂!!ヴォエェェ!!」と新作が出れば毎回言うような人がいるわけですよ。
この後者のような層のファンの割合が今の新日本プロレスには多いのではないかと思うのです。
これはメリットとしてグッズの売り上げは高くなるでしょうし、レスラー側も何をしても必ず固定数が応援してくれて会社に対してのイニシアティブが取れるとか、コンディションが悪くて動けてない試合でも「最高です!」と評価されるということがあるのではないかと思うのです。
ただデメリットとしては団体内なのに団体対抗戦のようなギスギス感がレスラー同士やユニット同士ではなくファン同士にだけ生まれてしまうということでしょうか。
そして、この手の人がエスカレートしてくると「好きなものを応援する」から「嫌いなものを攻撃する」方へどんどんと使うエネルギーをシフトさせてしまいます。
またSNSの話になりますが「趣味野球」と書いてる人が野球について何にも書かないのにサッカーの悪口ばかり書いているとか、「日本大好き!」と書いている人が日本の素晴らしいところを語るのではなく、他の国の悪いところしか書いてないとかあるでしょう。
その方向に行ってしまうと「自分が好きなこと」を「後ろ盾」にして「嫌いなことを攻撃する」という戦士になってしまうわけです。
今の新日本プロレスで言えば、例えばですがCHAOSが好き、ロスインゴが好き、だからCHAOSを応援する、だからロスインゴを応援するではなくて「だから他のユニットを攻撃する」みたいな空気を出している人が徐々に出てきているように感じます。
ただ、絶対に間違えてはいけないことは新日本プロレスの中にあるユニットは全て新日本プロレスであるということ。
そしてファンが特定のユニットの名前を出して他のレスラーを攻撃した時に迷惑するのは、あなたが好きなユニットとあなたが好きなレスラーであるということ。これだけは守ってあげないと新日本プロレスで命を削って素晴らしいプロレスを見せてくれている選手たちが可哀想です。
ジェイホワイトに何を求めたいのか
ジェイホワイトがBULLET CLUBをやめて爽やかな好青年に戻り、日本語で「皆さん僕のコト好きですか?僕は新日本プロレスが大好きです。僕は皆さんが大好きです!」と媚びることが、理想的なのでしょうか。
ケニーオメガがいなくなり、外人選手のトップとして新日本プロレスの至宝であるIWGPを巻いてマディソンスクエアガーデンのメインを張る若きレスラーに対して、新日本プロレスファンが彼に思うことは「素晴らしい試合をして新日本プロレスを世界に響かせてほしい!」と思うのがファンなのではないでしょうか。
長く書いてしまいましたが、本当にたった1つ「ブーイングは応援の一種」ということが抜けてしまうと、ただ集団で個人を攻撃しているだけになるということです。
見る人によっては「レスラーがブーイングと野次を気にして動揺してるのはどうなの?」って言う可能性もあるわけですから。
正直に言えば僕も最初は思ったんですよ、MSGのメインに出る二人がこんな顔してて大丈夫ですか?と。
ただ、何度か見直したらこのブーイングと野次はあまりにも酷いですからね。
マディソンスクエアガーデン大会という新日本プロレスにとって歴史に残る場所での戦いはもうすぐです。
そしてそのメインイベントに向かう二人が日本のファンの前で最後に見せた表情が、悲しい表情と怒りの表情だったということは事実として残りますからね・・・。
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