SANADAが棚橋に勝利してニュージャパンカップ決勝進出!そして強烈な締めを手に入れた!?

ニュージャパンカップ準決勝戦、SANADAと棚橋弘至のメインイベントも見どころが満載でした。
1つ前の試合でオカダカズチカと石井智宏が壮絶な試合をしていましたが、この二人は全く別のプロレスの形で向かい合う対戦相手だけではなくオカダカズチカ・石井智宏、そしてお客さんとも勝負をしていたのだと思います。

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SANADAへの歓声が圧倒的に多いことを見せつける棚橋弘至の作戦

試合開始直後、まだセミファイナルのゴツゴツとした激闘の余韻がある中でまず棚橋弘至が見せたのは「ファンに歓声を煽る」ことでした。
当然、日本中どの会場でも大歓声が降り注ぐ棚橋弘至ですが今回の会場はSANADAの出身である新潟県ですので「SANADAへの歓声が大きいであろうこと」を理解した上で棚橋はこの行動をしたのでしょう。
棚橋弘至への歓声は当然ありますが、爆発的な大歓声という状態ではありませんでした。


そこでSANADAもコーナーへ上がり歓声を煽ると割れんばかりの大歓声が巻き起こります。
もちろんSANADAという素晴らしい選手のファンも多いですし、地元ということもありますし、さらに1つ前の試合でオカダカズチカが勝利しているだけに「また決勝で棚橋・オカダはちょっと・・・」という思いを抱えているファンもいたことでしょう。
様々な要因がSANADAへの応援をブーストしていったような印象があります。


5年以上前から新日本プロレスを見ている人は「あ、棚橋やるな」と思ったことでしょう。
そう、棚橋弘至は基本的に常に応援される人間ですが時として棚橋弘至に負けてほしいシチュエーションが生まれます。
例えば絶対王者の時に下から内藤が出てきて試合をした時とか、棚橋弘至が負ければまだいろいろな選手にチャンスが生まれる時に相手の矢野に大歓声が起きたりとか、こういうケースは割と珍しくはありません。

棚橋弘至は天才ですから、自分が負けたほうが面白いシチュエーションになる時とか自分がヒーローでいられない状況の時になると、このようにお客さんの歓声を利用して「この試合の雰囲気」を「明確にする」ということをできてしまうわけです。

そしてヒール寄りの立ち位置になったりすることでプロレスをわかりやすく丁寧に説明してくれるわけです。
これは本当に天才的でいつも感動してしまうのですが、この手の時に棚橋がやる定番が徹底的すぎる膝殺しの戦いで、今回もセオリー通りSANADAの膝を破壊しに動きました。

飛べない棚橋と飛べるSANADAの戦い

棚橋弘至は残酷なまでのドラゴンスクリュー・膝へのドロップキック・テキサスクローバーホールドなどでSANADAの膝を削っていきました。お互いが深く関係する武藤敬司を彷彿をさせるかのような膝中心の攻撃はSANADAの機動力を徐々に奪っていきます。


しかしSANADAも一瞬の動きやテクニック、スカルエンドで流れを引き戻すと比較的早い段階でムーンサルトプレスを使いました。
一発目は棚橋の背中に、そして二発目は正調のムーンサルトプレスでしたがこれは棚橋弘至のハイフライフローでよくあるパターンと似ています。
このニュージャパンカップでハイフライフローを封印している棚橋に対して「俺は飛べるぞ」というアピールでもあったかもしれませんが、何より膝が完全に壊されて飛べなくなる前にムーンサルトプレスを使ったという理由の方が大きいのではないでしょうか。


しかし二発目は剣山で返されると、ここからは丸め込み&テクニック合戦のようなクラシカルさを感じる試合になっていきました。

ハイフライフローを封印した先がなかった棚橋とスカルエンドがあったSANADA

ここまでニュージャパンカップで棚橋戦の感想を書くたびに話していたのが、棚橋がハイフライフローを封印した先に何を見つけるのか?ということでした。
海野戦はテキサスクローバーホールド、田口戦はドラゴンスープレックス、ザック戦はジャパニーズレッグロールクラッチとハイフライフロー以外の技で勝利を手にしてきましたが、これはハイフライフローの先ではなくハイフライフローの前で決着をしているだけでただ引き算をしただけです。

新棚橋が誕生するにはハイフライフローに代替する何かが登場しないと・・・という状態でSANADA戦を迎えたわけですが結果的にそこには何もありませんでした。

一方のSANADAは試合のどこでも使える上にとどめを刺すこともできるスカルエンドというフィニッシュ技があったということが勝因だったのではないでしょうか。

試合はSANADAがジャパニーズレッグロールクラッチを狙ったところを棚橋が踏ん張ってSANADAを押し返し、そして棚橋がSANADAにジャパニーズレッグロールクラッチを狙ったところをスカルエンドで捕獲して渾身の締め上げをしてのギブアップ勝利という結末でした。


この時、すでに棚橋弘至はニュージャパンカップでの激闘などもあり体が思うように動かなかったのか?という感じでしたね。
SANADAのジャパニーズレッグロールを押し返してから、自分が起き上がるのに一苦労してからかなりモタモタしてSANADAにジャパニーズレッグロールを決め返すまでに何と10秒もかかっています。
(棚橋弘至がSANADAの頭を押して起こしてからの時間)

この10秒、例えば同日の試合で田口監督がオスプレイにサインを送りオスプレイが「わからない!」と言って、田口監督が再度サインをしてオスプレイが「なに?」みたいなことをしている時間が10秒ぐらいですから、ここで一気に棚橋の動きが落ちたと言えます。


そこでスカルエンドを食らってはひとたまりもありません。
これにてSANADAは夢をつなぎ、棚橋のマディソンスクエアガーデンでIWGPという夢は閉ざされてしまいました。

また試合後に棚橋は「ハイフライフロー、飛びてぇ」と言っているので、このニュージャパンカップでハイフライフローの先は見つからなかったのかなと思います。
膝の状態が本当に心配ですがやはり棚橋弘至はハイフライフローとともに生きていくのでしょうね。

SANADAとスマホフラッシュ 幻想的な締めに衝撃と感動

結果や試合内容よりも衝撃だったのはSANADAの締めです。
正直・・・「それがあったか!!」と思いましたし、他のレスラーは悔しくて仕方がないと思いました。

近年のスマホ普及率の高さからライブ会場などで生まれたスマホのライトをペンライト変わりにして会場を照らすというファン参加型の演出がありますが、何と寡黙でCOOLなSANADAがファンに「最近流行りのあれを~」と要求。


そしてSANADAが照明を落とすように指示すると、プロレス会場とは思えない幻想的な世界が誕生しました。

これは・・・地元だけでやるとか勿体つけずにどんどんやるべきですね!!
今の新日本プロレスはやはり締めができるレスラーがトップに立つわけですから、SANADAがこれを定番にすれば文句なしだと思います。
また、からっきしに明るいスター選手ではなくてSANADAのように影も華もある選手だからこそこれは相当似合うと思うんですよ。


SANADAに足りないものはマイクと締めぐらいでしたから、ニュージャパンカップ準決勝でそれを手に入れて明日の決勝戦に挑めるというのは最高のシチュエーションです。

相手はオカダカズチカですから簡単に勝つことはできませんが、SANADAがここでトップ戦線に食い込んでくると非常に面白くなりますし、意外性のある結果の中で最も期待と納得ができるのがSANADAですから、これはもう突き抜けちゃってほしいですね!!


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