飯伏幸太がザックセイバーにまたも敗戦。2回戦で無念の敗退

私は一応競馬の本を書いたりするのが本業なのですが、競馬にもこういうことがあります。
前年度そのレースを勝利している実力者なのに、なぜか1年後にそんなに衰えていないのにダークホース扱いされるというケース。
そんな馬が好走することは珍しくないのですが、ザックセイバーがまさにソレと被りした。
終わってみれば「去年勝ってるもんなぁ」という感じになるんですよね。

ニュージャパンカップで最も激戦区だったのは内藤・飯伏とEVIL・ザックが並んでいる山だと思いますが、その死の組でまず勝ち上がったのは飯伏幸太とザックでした。
このザックは前年度のニュージャパンカップ優勝者ですのでEVILに勝利したことは何の不思議でもないのですが、流石にこの構図で内藤を倒して上がってきた飯伏にザックが勝利する可能性は相当低いと思っていたので、普通に驚いてしまいました。

ザックが3回戦に進んだという驚きではなくて『復活宣言&残留宣言をしてニュージャパンカップであの内藤哲也に勝利したという立ち場の飯伏が2回戦負け』という事実への驚きですね。

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飯伏幸太の攻撃はことごとくザック地獄への入場券になった

飯伏幸太はいつも通りのスピードと鋭い打撃に投げ技を繰り出していたのですが、ザックの関節技が次々と飯伏の関節をとらえていきました。
ザックのどこを締めているのかすらわからない複雑な関節技とその合間に入れてくる強烈な蹴りやエルボーにペースが掴めない飯伏でしたが、ザックの攻撃を飛んでかわしてフットスタンプを入れるというここ一番で使うエゲツない攻撃を決めるなど精密機械に対して荒々しい攻撃を見せていたのですが・・・


試合中に挑発されて「覚醒飯伏モード」に入りましたが、それも1分ぐらいでねじ伏せられていましたし、フルスイングのラリアットはザックの胸板に当たってしまい大きなダメージにはならず。


ザックってラリアットを受ける時に胸に当たるようにして威力を落とすんですよね。
これがプロレス的に良いのか悪いのかは見る人によって違うと思いますが、昨年はレインメーカーも胸にペチッと当たって試合が終わったので、ザックの身体能力を考えると1回転受けなんて簡単でしょうし見栄えもいいのになぁといつも思います(笑)

飯伏幸太、オリエンテーリング・ウィズ・ナパーム・デスに無念のタップアウト

試合終盤ではカミゴェを狙う飯伏の攻撃をいなして関節に持ち込もうとするザックというテクニカルな攻防があり、その中で強引にクロスアームスープレックスを決めた飯伏が優勢になったと思いましたが、この直後に狙ったカミゴェを決めることができず、そのカミゴェが地獄への片道切符となってしまいました。


オリエンテーリング・ウィズ・ナパーム・デス。
真壁刀義いわく「ただの股裂き攻撃だろ」と言われたことがある技ですが、食らう方は痛いでしょうし見栄えもカッコ悪いという極悪な技ですよねこれ(笑)


そして飯伏は自らの意思でギブアップをして2回戦敗退となりました。

一番損をしている内藤哲也。1回戦・2回戦敗退者同士でのインターコンチネンタル戦となっても・・・

今年もまた日本人のトップどころをザックセイバーが蹴散らして優勝するのか?
そんな不安(ファンの人にとっては嬉しいことですが)を感じるわけですが、この2試合だけでも相当な価値がある勝利を得ていると思います。
何せEVILを倒して内藤を倒して飯伏を倒したのですから...ってこうなると内藤が一番弱く見えるのが気の毒ですね(笑)

少々話は逸れますが、この大会に関しては内藤はかなり損をしているなぁと思うわけですよ。
内藤VS飯伏だってもう少し勝ち進んでからやればいいのに1回戦で組まれて敗退して、一応飯伏には「俺に勝ったんだから」とエールのようなコメントを出したのにあっさりザックに負けて敗退。そのザックには仲間のEVILも負けていると。

また僕も「それは違うのでは」と思って書いたことですし本間選手も日記で触れていましたが「ニュージャパンカップで絶対優勝できないであろう選手まで出す必要あるの?」という発言はやはり賛否両論になり「お前が一歩踏み出す勇気とか言ったんじゃないか」という本間選手の突っ込みや、ファンからも「ちょっとキャラがブレてないか?」という声も出ている中で1回戦敗退。
1回戦敗退ということはトーナメントの結果だけ見ればオーエンズや矢野より下位なのですから、大口がブーメランとなり戻ってきてます。

そのブーメランを避ける唯一の方法が「自分を激闘の末に紙一重で倒した飯伏幸太が優勝すること」だったのに内藤だけに勝利して敗退なのですから、もうどうにもならない追い込まれ方です(苦笑)

更に、インターコンチネンタル王者内藤哲也に勝利した飯伏幸太ですから今後早ければマディソンスクエアガーデンで「インターコンチネンタル王座戦」はありえますし、遅くても上半期にはやるのであろうと予測することはできます。

しかし・・・

このニュージャパンカップの優勝者の権限がIWGPに挑戦できるという大会で、なおかつNEVER王者オスプレイが3回戦まで勝ち上がっている中(US王者のジュースは負けましたが、US王座の価値って元々そんなに・・・)1回戦で飯伏に負けた王者内藤と、2回戦でザックに負けた飯伏がインターコンチネンタルのタイトルマッチをして盛り上がるのでしょうか?

もちろん豪華なカードですし内容は折り紙付きとは言ってもプロレスには流れってものが大事だと思うわけです。
そしてトーナメントでは「直接あいつと戦ったわけじゃない」「リーグ戦とは違う」なんて言い訳は通常スポーツの世界ではできないものですから、三回戦まで進んでいるYOSHI-HASHIよりも内藤と飯伏は下の結果しか出せてないというのがこの大会の結果です。

何なら明日のカバナVS矢野の勝者はどちらであっても内藤・飯伏より結果を出しているということになります・・・ってこれは流石に笑ってしまいますが、でもスポーツのトーナメントの結果としてはそうなります。

内藤と飯伏なら誰しもが楽しめて興奮できて興味を深く持つ試合なので、別に1回戦負けの最下位と2回戦負けのベスト16止まりの選手でも関係ないよってスタンスなのかもしれませんが、プロレス界の宝と呼べる2人で因縁もドラマもある関係性なのに、これでインターコンチネンタル王座戦が組まれるのであれば、もっと内藤と飯伏をリスペクトするべきだと思います。

そしてインターコンチネンタルのベルトの価値も・・・中邑がいなくなったら扱いが雑すぎるので、それなら封印するとか統一してよって僕は思いました。

・・・というかその統一(2冠王)を宣言したのが内藤やんけ!って話なんですけど(笑)

内藤ならどんな状況でも人気だからOK
内藤ならどんな技をかけても受け身が上手いからOK

みたいな状況って内藤が損をしているだけに思えるんですよね。
ロスインゴは優遇されているとか言われがちですけど、人気と比較したら何だかいつも損な役回りをしているような気がします。

結局、1回戦で内藤と飯伏が激闘をして残った物が「インターコンチネンタル戦の動線」でしかないのは少々残念な結果でした。

ザックセイバーVS棚橋弘至 その先にはザックと鈴木みのるの可能性も

3回戦はザックと棚橋というカードになりました。
昨年のリベンジが棚橋にできるのでしょうか・・・これまた不安なところです。
今の膝の状態では普通に締め続けられてあっさり負けるような気もしなくありませんし、昨年に続いてザックが強豪を総ナメしての優勝という可能性も十分にあると思います。

個人的にはハイフライフローを封印してここまで上がってきた棚橋が電光石火の丸め込みでザックに技あり勝利をするのではないか?と思っているのですが、ただザックが勝利する方が面白い展開になるんですよね。

準決勝までザックが上がった場合、現時点で対戦相手になる可能性がある選手はSANADA・鈴木みのる・矢野・カバナの4選手。
明日にはこの内の2人まで絞られることになりますが、流石にアクシデントでもない限りSANADAか鈴木みのるとなるでしょう。
別に矢野とカバナが嫌いなわけじゃないですけど、マディソンスクエアガーデンをかけたニュージャパンカップの準決勝でザックVSカバナとか見せらてもねぇ・・・(苦笑)

ザックとSANADAであれば個人的には昨年の新日本プロレスベスト5に入るベストバウトの再戦となります。
クラシカルに現代要素を含んだ、2019年のクラシカルなプロレスというジャンルを創造することができる2人ですからね。
ここでSANADAが勝てば内藤・EVILとの差もできますし、何よりロスインゴファンが多少救われるでしょう。

片側の山がCHAOS4人残りで、もう片方でロスインゴがすでに2人が1回戦負けでSANADAまで負けたら悲しい春になるでしょうから(で、明日鈴木みのるにあっさり負けたら目も当てられないですけど。)

そして鈴木みのるが勝ち上がった場合には鈴木軍対決となりますし、両者ともに関節技の使い手で一撃のドライバー技もあるということになりますので、これまた鈴木軍の序列が変わるような試合になるかもしれません。

片方の山ではCHAOS対決、こっち側は鈴木軍対決となるのか、本隊対決を2つ制した棚橋なのか、それともSANADAが上がってきてロスインゴ内での序列を変えるきっかけになるのか。カバナがスーパーマンで優勝するのか(笑)

何にしても明日の後楽園が終わった時点でベスト8が出揃います。
現時点ではCHAOS4人 本隊1人 鈴木軍1人
ここにロスインゴ1人が加わるのか、鈴木軍2人になるのか、何ならCHAOS5人になってしまうのか。

ニュージャパンカップはようやく折り返し地点です!


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