新日本プロレスファンでも意外と読んでいる人が少ないであろう
新日本プロレスの公式ルールのページ。
これを読んでいると、やはりルールというのは時代や状況とともに
変化させていくほうがいいよなぁと思うんですよね。
ヘビー級100キロ以上、ジュニアヘビー級100キロ未満というのも
あってないようなものですからねぇ。
新日本プロレスのルール 第三章 競技者の禁止事項
個人的にはこの第三章の第一条に関しては昔から「どうなんだろうなぁ」と思っています。
すべての競技者は次に定める禁止事項(反則行為)を犯してはならない。
一.体のいずれの箇所をもナックルパート(正拳)で殴打してはならない。
二.頭髪、トランクス(タイツ)を掴んではいけない。
三.指で目を突く、鼻を掴む、口の中に手を入れる、耳を引っ張る、噛みつく等をしてはならない。
四.股間の急所を握ること、蹴ること、殴ることはならない。
五.手、足の指を掴む場合は、三本以上でなくてはならない。
六.爪先でのキックはいかなる箇所にも許されない。肘、膝の鋭角的攻撃も許されない。
七.関節技に入って競技者がギブアップの意思表示、もしくは失神した場合は、相手競技者はブレークする。またはレフェリーはブレークさせねばならない。
八.競技者の体の一部がロープに触れている場合、相手競技者はブレークする。またはレフェリーはブレークさせねばならない。
九.リング内外を問わず器物(試合進行の妨げとなる危険物)を使って相手競技者に危害を加えてはならない。
十.故意に相手競技者を場外フェンスにぶつけてはならない。
プロレスを面白くしているのは「反則は5カウントまでOK」ということと
「5カウントで反則負けとすることができる」(必ず負けにするわけではない)ということ。
なので上記のルールの大半は1秒2秒の話なのでOKとなるわけですが
それでも本来なら反則カウントを取らないといけなくなりますよね。
でも例えば2の頭髪やトランクス(タイツ)を掴んではいけないなんて
プロレスなら試合序盤から最後までずっと髪とかタイツは掴んで起こしますので
当たり前の光景ですから当然反則カウントも取らないです。
なので新日本プロレスファンはこれを反則だとは思っていない人が多いでしょう。
もちろんこれでレフェリーが常にカウントを取ったら鬱陶しいですし
反則負けになったら怒号が飛ぶレベルですが、それならルールから除くのも手なのでは。
また6で言えば、そもそも「トーキック」という技もあるわけですし
肘や膝を鋭角に使うのは反則ということは、厳密には鋭角ではないにしても
エルボー合戦や今プロレス界で流行している膝系の攻撃なんてアウトです。
・・・なんて話はね、冗談です(笑)
冗談というか、これらのルールがあるにも関わらずリング上ではそれが当たり前に起こり
5カウントまでは反則が認められるという部分に非日常の面白さがあると思うんです。
曖昧さこそプロレスですし、それこそが魅了されるポイントなのではないでしょうか。
僕はプロレスラーを超人だと思って見ています。
その超人たちがとても曖昧な部分がありグレーな部分がある四角いリングで
熱い戦いをするというのが大好きなんですよ。
しかし毒霧での反則負けとアイアンフィンガーフロムヘルだけは・・・
古くはグレートカブキ、グレートムタ、今ではBUSHIが使う毒霧。
そして飯塚高史が使うアイアンフィンガーフロムヘル。
この2つだけはどういうわけか即反則負けになることが多いのですが
例えばイス攻撃に関してはリング外でやる分にはレフェリーが見ていても反則負けにならず
またルールの「故意に相手競技者を場外フェンスにぶつけてはならない。」に関しては
下手すれば試合の半分で起こることですが、これで反則負けになった試合を僕は30年近くの間で1度も見たことがありません。
それらの攻撃と比べて、毒霧とアイアンフィンガーフロムヘルに関しては
異常に厳しい扱いをされるというのは、プロレス的には面白い部分ではあります。
ただ多くのファンが「なんでやねん」と思っているからでしょう、
毒霧からの反則負け、アイアンフィンガーフロムヘルからの反則負けが起こると
「あ~~~あ」という反応と同時に「あははは」という笑いが起きることも珍しくありません。
プロレスでは明るく楽しい笑える試合も必要ではあるのですが
ヒールレスラーが(BUSHIはヒールレスラーでもないけど)反則をして負けた時に
笑いが起こってしまうのはいかがなものかなぁというのはよく思います。
緊張と緩和でもなく、シリアスな笑いということでもなく
何だか笑いが起きてしまう反則って緊張感がないじゃないですか。
BUSHIの毒霧に関しては、先日KUSHIDAに毒霧をかけたのに
その状態からバック・トゥ・ザ・フューチャーで負けているので
緊張感があったというのはすごく良い展開で面白いなーと思いましたが
アイアンフィンガーフロムヘルに関しては笑いが起きないように何とかできないものか?と。
実況やゲスト解説もアイアンフィンガーフロムヘルに対して
特に何も感情がないからか「これは危険な反則だ!」って感じで
エキサイトしているような口ぶりじゃなくなってますからね^^;
話は少しズレますが、実況が冷めている状態を最近感じたのは
内藤哲也VS鈴木みのるの一戦でしたねぇ。
延々と寝技絞め技で時間が流れて、徐々に実況の田畑さんも金沢さんもKUSHIDAも
口数が減っていき、終盤の内藤のゴッチ式で背中からそっと置くパワーボムをしたときは
田畑「・・・」
金沢「・・・」
KUSHIDA「・・・」
田畑「・・・ん、っとカバーにいく」
KUSHIDA「パワーボムですかねぇ(小声)」
みたいな感じでしたからねぇ。
まぁ、昔よりnjpwworldがあるおかげで中継数が増えているので
ファンも実況なども目が肥えてしまったということはあるのでしょう。
マンネリ、飽き、また他の試合との比較などでやはりテンションは変わるもの。
ただ、プロレスのリング上の試合だけで伝わらない部分を
実況が伝えるのが仕事だと思いますし、プロレスの試合が小説なのであれば
その行間を読み聞かせしてくれるのが実況の役目。
でもプロレスを知りすぎている実況者だとこれまた冷静であったり
マニアックすぎて伝わらなかったりするのが難しいところ。
新日本プロレスは今イケイケ状態で企業としても凄いわけですから
テレ朝と共同で新日本プロレス実況専門のプロを作ってみてはどうか?
なんてことを思いました。