競馬の方の読者さん達は僕が新日本プロレスファンであることを知っている人が多いです。
なぜならメルマガとか動画で話題にすることもありますからね(笑)
で、よく聞かれるのが「なんでそんなにプロレスが好きなんですか?」という質問。
今日はそんなことを書いてみたいと思います。
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きっかけは武藤敬司と馳浩とベイダーとバンバンビガロ
何気なく見たプロレスという文字。
新聞に書いてあったその4文字になぜか惹かれて見た試合が1992年だったでしょうか、武藤敬司&馳浩VSビッグバンベイダー&クラッシャーバンバンビガロの試合でした。
「いや、勝てないでしょ」というのが最初の感想。
それぐらい外人コンビは大きく怖そうで、日本人の2人はすぐに負けるのだと思っていました。
しかし、殴られても投げられても潰されても耐える黄色いパンツの馳浩と、華やかな動きで戦う武藤敬司に釘付けになり、やられてもやられても立ち上がる2人がとてもカッコよく見えました。
結果は馳選手がベイダーに負けたと記憶していますが、小学生当時「勝つものがカッコイイ」とアニメや特撮で植え付けられた常識を、負けてもボロボロになっても立ち向かう姿がカッコイイと思うように価値観が変わったことが始まりです。
それからというもの、毎週プロレスを見て、プロレス雑誌を買い、プロレスTシャツを着て会場に行く子になりました。
プロレスというものがわかってきた中学生時代
最初は格闘技だと思ってみていましたが、数年も見ていればプロレスの仕組みがわかってきます。
プロレスの試合もバックグラウンドもエンターテイメントであり、本当の相手はお客さんであるということです。
もちろんプロレスは痛いでしょうし激しいでしょうし、残念ながら亡くなる人も再起不能になる人もいます。
しかし本質は見ているファンをいかにして納得させる試合をするか、コメントをするかの戦いであるということ。
そういう考えになると、この選手は素晴らしい試合をするからチャンピオンになれるんだとか、この選手は人気があるからメインイベントに出場するんだということがわかってきます。
なのでプロレスの結果は重要ではないですが、結果までの過程が非常に重要だという見方になりました。
買った負けたの勝敗は1つの作品のエンディングというだけであるが、なぜ勝ったのか?に関しては、その選手が素晴らしいからであって、会社に信頼されているからであるということがわかるわけです。
考えてみるとことは実際の一般的な職業でも同じことでしょうし、友達との関係性でも同じですね。
人気があるから大切にされる、そしてその人気というのは実力があるから得ることができるわけなのですから。
ですからプロレスラーは個性が無くてはいけません。
ヘッドロック1つとっても選手によって形が違いますし、例えば武藤敬司のラリアートの受け方は派手でやられていてもカッコイイですし、橋本真也の攻撃は見るからに強烈で強さを感じました。
そう言った個性あるプロレスラーに多くのファンが惹かれて人気を形成していくというのがプロレスという競技なんですね。
なのでどのレスラーが好きか、どの団体が好きかということは当然好みが分かれて当然です。
僕は華やかなプロレスが好きになったので新日本プロレスが好きでしたし、同級生には全日本プロレスファンもいましたし、UWFファンもいました。
そのファン同士でお互いの主張をするというのも楽しみの1つでした。
悲しいことに現代では、主張ではなく悪口を言い合うという姿をよく見てしまいますが・・・。
UWFとの対抗戦で燃える、そして悩む
比較的早い段階でプロレスの見方がそうなってしまった私ですが、新日本プロレスとUWFの対抗戦に関しては少し悩みました。
というのは、対抗戦の場合というのはそれが僕の思うプロレスなのかそうではないのか?がわからなくなったからです。
1試合目の若手対決はプロレスというより結末の決まっていない格闘技に見えましたし、長州と安生の試合も一方的過ぎて当時の僕には解釈ができませんでした。
橋本真也は力ずくで無理やり垂直落下DDTを決めたように見えましたし(通常は相手がジャンプすることで持ち上がる)武藤敬司と高田延彦の試合、ドラゴンスクリューで膝を痛めた高田延彦ですが、何度見ても膝が本当にねじれているように見えました。
ただ、結果的にもう考えることは辞めて「新日本プロレスが勝った!!」という感情だけで燃え上がり、UWFファンの同級生を弄り倒すことで何とか消化しました(笑)
というか、複雑に考えなくてもプロレスは面白いってことをここで感じたわけです。
だからこそそれ以降もプロレスが好きなままなのでしょう。そう言った意味でも大きい対抗戦でした。
NWOブームで若干複雑な気持ちになる
蝶野正洋をボスとしたNWOが大ブームとなり、プロレスファンではない人が街中でNWOのTでシャツを着る時代。
「STFも知らないくせに・・・」と器小さくイライラしていたことを思い出します。
ただもちろん新日本プロレスは大好きなままで、NWOと新日本本隊の抗争や武藤敬司がNWOに入るのか?という時期は毎週ハラハラして週プロとゴングを買い、それでも足りずに中スポ(東スポ)を毎日読んでいました。
また少し前後はしますが、90年代の新日本プロレスはジュニアの戦いのクオリティが恐ろしく高かったです。
世界の獣神サンダーライガーを中心に、日本中・世界中のジュニアが集結していましたからね。
そしてこの時期の新日ジュニアに憧れていた世界中のプロレスファンが、その後にプロレスラーとなって今活躍している傾向にあります。
実際に今新日本プロレスのトップ戦線での試合というのは、90年代ジュニアの発展形だと思います。
さて、そんな90年代ですがNWOブームをピークにして下降線になってきます。
橋本VS小川事件 橋本解雇 武藤退団 暗黒期へ
プロレスファンでなくても知っている人が多い橋本真也と小川直也の試合。
小川がシュートを仕掛けて橋本が一方的にボコボコにされて、その後に選手同士の大乱闘に発展し、意識不明者まで出したこの試合。
ここから新日本プロレスの歯車が狂いだし、後に橋本真也は会社批判の発言があり解雇に。
暫くして僕がプロレスを見るきっかけになった1人、武藤敬司が新日本を退団し全日本プロレスへ移籍。
また当時K1やPRIDEの格闘技人気が全盛的となり、プロレスはどんどん人気を失っていく。
そして新日本プロレスはエセ格闘技のような試合が増えたり、人気が低迷しているために辛抱強いストーリーが作れずにやっつけではじめたような流れがすぐぶった切られるような状態が続き、レスラーは格闘技に駆り出されて無残に負け、また当時勢いのあったプロレスリングノアとの対抗戦をして負けるというような悲しい状態が続いた。
さすがにこの時期はプロレス熱を少し失いましたが・・・それでも見ていました。
というのはリング上にはちゃんと試合があり、新日本プロレスを守りたいというレスラーの気持ちがそこにはちゃんとあり、そしてお客さんとの真剣勝負という意識はしっかり伝わっていたからです。
それから暫くして、団体の身売りなどがあり、とことんまで落ちたところで、今の新日本プロレスの看板の1人である棚橋弘至の頑張りや、悪役としての真壁刀義の大きな存在や、今はWWEに行った中邑真輔の存在などがあり徐々に巻き返して行きました。
この時期は今と比べてお客さんは少なかったですが、今映像で追っても面白い新日本プロレスらしい形のプロレスをしていました。
ワクワクして試合を見れる日が戻って来たことで、焼けぼっくいに火じゃないですけどまた僕の熱も再燃したことを覚えています。
オカダカズチカの出現と今の新日本プロレス
TV出演やミラジョボビッチとのCM共演などがあり、プロレスを知らない人でも「オカダが凄いんでしょ?」と言ってくるオカダカズチカという現在のIWGP王者がいます。
帰国戦のYOSHI-HASHI戦は「なんだこれ・・・」とガックリしましたし、その後に棚橋弘至に挑戦した時は「これはダメだろ新日本」とファンの多くが思ったという最悪のスタートでしたが、それからたったの1ヶ月で完成度を急激に高め、様々な修正をしていきなりチャンピオンになったオカダカズチカ。
正直その試合を見た時は「あ、時代がかわるな」と思いましたよ。
若い、動きが良い、ルックスも良い、身長も高い、ここから新日本プロレスを盛り上げるために必要な存在であることは明らかでした。
ただこのオカダカズチカの登場のせいで、本来なら棚橋弘至の次におされる順番だった内藤哲也や後藤洋央紀などが後手に回されたというのは当時内藤哲也に注目していた僕としては残念でしたが、逆にこれは「盛り上がるぞ」とも思いました。
というのは僕がプロレスに感じる魅力として、プロレスラーのジェラシーが見えるからです。
なぜアイツなんだ、なぜ俺じゃないんだ、というジェラシーのぶつかり合いがプロレスの魅力だと思いますから、このオカダカズチカの出現で全レスラーが相当なジェラシーを持って試合をして発言をするであろうことが想像できたからです。
また、色々な形で自分をアピールするレスラーが増えることを期待したからです。
その先というのは今現在の新日本プロレスが答えてくれています。
オカダカズチカは王者として君臨し、棚橋弘至もまだ巻き返そうとしています。
内藤哲也は新日本のスターの道を捨ててロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンとして好き勝手なタブーに近いような発言をすることで圧倒的な支持を得ていますし、外様だった飯伏幸太やケニーオメガ、多くの外人選手も新日本に戦いの場を求めて参戦しています。
ジュニアの路線も「90年代を超える」という魂が見える高橋ヒロムやクシダ、ウィルオスプレイらが凄まじい試合をしています。
僕もNJPWWORLDで見れる試合は全試合見て、今でもギャーギャー言いながら試合を純粋に見ています。
何十年も見ていたら飽きるだろう?と言われますが、もう斜に構えて玄人ファンのような顔で見る時期は過ぎましたので、今では素直にそれこそ初めてプロレスを見たときの気持ちのままで新日本プロレスを見ることができています。
新規のファンの人が増えている新日本プロレスですが、恐らくここ1~2年というのが最もここ近年の新規のファンが玄人ファン化して斜に構えてプロレスを見る時期になると思います。
プロレスから離れる人はこの時期を超えた辺りだと思いますので、いかにしてそういうファン歴3~5年ぐらいの人をこの先も引っ張っていけるのか?が今の新日本プロレスが最も考えないといけないところかもしれませんね。
負けることからのストーリー
ところで、プロレスの一番の魅力はなにか?と言われれば、僕は「負けから這い上がること」だと答えます。
そもそも、最初にプロレスを好きになった試合で負けた武藤敬司と馳浩に魅力を感じたところから僕のプロレス好き人生がはじまっているので、負けということに対してネガティブなイメージはありません。
今の世間は勝ち馬に乗りたがる人が増えていますよね。
だから負けを認めないし、何なら負けても勝利宣言をしてどこかへ行ってしまう人がいます。
そしてプロレスファンも自分の推しレスラーが負けると怒ったり悪口を書いたりする人も増えています。
でも、僕はプロレスの魅力は負けることとそこからのリベンジ、カムバックだと今でも思います。
武藤敬司がスランプになりどん底まで落ちてからチャンピオンになった時
橋本真也がトニー・ホームに連敗したり天龍源一郎に連敗してからリベンジした時
どうにもならない真壁刀義がインディーに殴り込み這い上がり新日本のトップにたった時
棚橋も中邑も内藤も色々な選手が敗北からのストーリーを見せてくれました。
僕は水戸黄門が見たいわけじゃないんです。
人間なんて一部の恵まれた人を除いて辛い時や心が折れる時、挫折する時があるはずです。
僕も何度もそんなことはあります、だからプロレスラーの負けても負けない姿に、負けてもカッコイイ姿に感動をもらいますし、元気をもらうことができるのだと思います。
プロレスは痛そうだから怖いとか、ショーだからとか言う人は沢山いますが、元気がない人や元気が欲しい人は一度見てほしいですね。
きっと負けることが怖くなくなると思いますし、そこから這い上がるためのエネルギーをもらえると思いますから。