清宮が生んだ緊張感

1年前、オカダカズチカの前に号泣した男が鬼の形相で生んだ緊張感。

試合序盤にオカダの顔面を蹴り上げたその瞬間は橋本小川戦を思い出すかのような衝撃で・・・

額から出血したオカダがブチギレ、そこからは収拾のつかない喧嘩状態となりノーコンテスト、無効試合に。

プロレス的な範疇を超えているかのように見える殴り合い・・・それまでの対抗戦というより交流戦という空気がこの試合で「対抗戦の空気」に一変しました。

もしかするとこの10年ぐらいでプロレスファンになった人にとってはプロレスのリング上での対抗戦の緊張感を初めて体験した瞬間になったのではないでしょうか?

それを生んだのがまだ若い清宮であること、ノアの選手であること、新日本プロレスのリングであることというのはかなり重要なことであると思いましたし、歴史に残る試合になったのではないでしょうか。

私も久々にこういう試合を見ましたね・・・夕食のおでんを食べている手が止まって唖然としてしまいましたもん(笑)

1年前の涙から繋がってのこの試合ですからね、ノアを見ていない新日本プロレスファンからすればこの清宮の変化には戦慄が走ったのではないでしょうか。

ここからシングル戦に繋がる場合・・・時期にもよりますがお互いが団体の看板を背負った状態での試合になるわけですから今回以上のことが起こるかもしれません。

そこではより怖い清宮が見れるでしょうし、その上をいく怖いオカダカズチカを見れると思うとゾクゾクしますね。

うーん

でも・・・

何か不評だぞ?

というのはですね、この大会全体的になんですけど「ノアの攻撃がハードすぎてずるい」とか「怪我しそう」とか「顔面蹴りはダメ」とかね、もう対抗戦の緊張感なんてものを求めてないファンが多いようなんですよ。

でもプロレスって意地とプライドを持った超人たちが肉体の限界を見せてくれる戦いであるから好きになった人の方が多くないんですかね?

もう近年のファンはそうじゃないのかな?

とりあえず会場でサイン会でお話ができて、試合後のコメントを小説のように読んで、試合自体とか因縁とか殺伐としたものは無しで「プロレラーが1キャラとして進む連続小説」でいいという感じなんですかねぇ。

試合後にオカダカズチカがブチギレてあれだけ火がついている姿を見て「火がついている」のではなく「顔を強く蹴られたことへの不満」を表している人って感じで見ているのでしょうか。

少なくとも僕が心奪われたプロレスってこういう緊張感があるものでしたよ。
だから興奮しましたし、清宮よくやった!オカダやり返してやれ!って純粋にリング上の屈強な超人たちを見て楽しんでいたんですけど・・・もう下手したら半々?半々の半は「危険なことをしないで予定調和の動きだけ見せてあとはマイクしてコメントして、たまに売店でサインしてくれたらいいよ」って感じなのかもしれません。

今のプロレスはアイドルのコンサートなんて言い方をする人がいますけど・・・いや、先述したようなプロレスになるならアイドルのコンサートにも及ばないですけどね。

アイドルって相当な練習を積んで1発1発のライブを全力でやっていますからねぇ。

なので・・・要するにですね・・・

バトル描写の少ないバトル漫画

ってのを求めているファンがもう半分ぐらいいるんじゃないかと。

バトル描写は飛ばし読み。
コメディ要素とか恋愛要素とかのページだけ読んでキャラグッズ買うみたいな。

いやー、でもねぇ・・・

そもそもプロレスファンになるきっかけって試合じゃないですか、恐らく大半の人が。

そこからなぜそういう方向に行くんでしょうねぇ。

見るからに選手たちは対外試合に飢えていてめちゃくちゃ燃えているのに、ファンの半分ぐらいが「他団体なんてどうでもいいよ」「ユニットで仲良くしているところが動画で見たいな!」「コメントかっけー」って目線になっているとすると、プロレスラーの人たちからすれば自分達が見てきた憧れの世界の中で見せるものとファンが求めるものがズレすぎているんじゃないかと。

ってことはプロレス文化の先って案外短いぞ?って思ってしまいましたねぇ。

考えてみると何年か前の棚橋弘至とケニー・オメガのイデオロギー闘争とか全くファンに伝わっていない感じでしたし・・・

何でしょうね?ユニット単位のファンが多いのにvs他ユニットという抗争とかではなくて、ただ「ユニットで仲良くしている選手同士の可愛ところがみたい」みたいなそういう感じなんでしょうか。

これは団体間でも同じことという意味ですよ。

こうなっちまうとプロレスラーって何を見せればいいのでしょう。
言葉のプロレスだけしていたらいいってことなんですかねぇ・・・

「こんなこと一般人には絶対できねーよ!」
「なんで立ち上がれるんだよ!」

そんな感動、非日常を求めないファンが多くなった先にプロレスというジャンルはどこへ行ってしまうのかなと思いましたし・・・ファンが割れているわけですから、これ以上の業界の成長ってもうないんじゃないかと思ってしまいました。

これが今回凄く残念でしたね...

ただ、その層の人たちだけを対象とした団体とかは成立するかもしれませんよね。

試合は月1回、それ以外はYou Tubeとコメント発信。
あとはサイン会だけ全国でやるみたいな。

まぁそれならプロレスである必要はないんだけど。

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