ケニー・オメガが東京ドーム参戦・オスプレイの前に立つ時のビデオメッセージですが、これは冷静に聞けば聞くほど凄いコメントですよね。
なんでここにいると思う?
AEWを旗揚げして、もう新日本プロレスには出なくていいと思った。
俺の後継者が必要だったよね。
そしてその後継者は誰だった?
もちろんそれは、素晴らしいなんでもできるウィル・オスプレイだ。
どうなりましたか?
ほら見てください
お客さん少なくなったし
声援が全然聞こえない
「もちろんそれはパンデミックのせいですよ」ってよく言われるけど・・・
それは本当ですか?
本当のパンデミックはオマエだと思う、ウィル。
オマエと他の外国人選手
みんなはただケニー・オメガのモノマネをしようとしている
だから、驚いたことに新日本プロレスから電話があった
正直に言うと、あんまり興味ないです
でももう一度
ファンのために
プロレスのために
ウィル・オスプレイとケニー・オメガの違いを見せます
オマエの会社を救ってやるよ
という内容ですが、現在の世界の状況のせいにさせない追い込み方と表現は秀逸ですし「新日本プロレスから電話があった」という一言でイニシアティブを握っているわけですから、もうオスプレイというのは挑戦者にされているわけですよ、王者側なのに。
US王者のオスプレイがケニー・オメガに挑戦をさせてもらう立場にされている上に、試合で勝とうが内容でケニーを超えないと負けたも同然というところまで追い込まれているわけですから・・・
真壁さんなら「ミラノくん、これね、ケニーは新日本プロレスからオファーがあったと言うことでイニシアティブを握ってるんだよね、わかる?」って言いますよ(笑)
またケニー・オメガの優位性としては、現在新日本プロレスとまだ揉めているであろう飯伏幸太との関係性もありますので「ケニーが取れば飯伏が出てくるのでは?」というような妄想がファンの中でどうしても広がってしまう期待値があることですよね。
ケニー・オメガはドラマを持ってしてドラマの主役として戻ってくるわけですよ。
一方のオスプレイにはあまり新日本プロレス内でのストーリーというのがこれまでになかった。
「自分はケニー・オメガの後釜だったかもしれないがもう超えた」というような主張を続けてきたわけでもありませんし・・・
ただ、新日本プロレスをずっと見てきている身から言わせてもらうとオスプレイがパンデミックってのは酷い話で(笑)
だって僕がプロレスを知らない人にプロレスを見せる時ってオスプレイの試合が多いですよ。
「今のプロレスってこんなことになってるんよ?」って見せるには最適ですし、多くの人がプロレスというものに対して「え!?なにこれ!こんなに凄いの!?」って言ってくれるし、そこからファンになってくれた人も沢山いますから。
だからこそオスプレイが手にするべきはドラマだと思うんです。
このケニー・オメガ戦、試合が始まるまではケニー・オメガが主演でしょう。
でも勝とうが負けようがオスプレイが試合後に主演になる、もしくは次回作で主演になれるような言葉や態度を見せてほしいんですよ。
「オカダカズチカに連れられて日本に来た若者がとんでもない選手になった。今では名勝負を連発して異次元の戦いを見せている」で終わってほしいんですよ。
そう、試合を見せる時はオスプレイの試合と書きましたが「プロレスを知らない人にプロレスを語る時にプロレスファンではない人が興味を持ったり笑ったり感動する物語」がありませんからね。
それこそ棚橋弘至・内藤哲也の2名の話をプロレスを知らない人に語るだけで1時間でも足りないぐらいなのに、オスプレイだと2分ぐらいで終わるんですよ「で、凄いから見てね」って。
その物語がオスプレイにあれば彼は完全無欠なんですよ。
だからこそ、2023のイッテンヨンではオスプレイ物語という本の中でも2~30ページぐらいを締めるぐらいのものになってほしいんです。