旗揚げ記念日の後日配信は構わないんだけど...会場から人が減る根本的な理由は別なんじゃないの

新日本プロレスの旗揚げ記念日がCSテレ朝チャンネル 配信となり新日本プロレスワールドでは後日配信であると発表がありました。

これによりファンからは賛否両論...というか否の声が多く上がっています。

ただ、新日vsNOAH対抗戦がPPVになったりとか、後楽園ホール大会が後日配信になったりとかしていましたから新日本プロレスワールドの方向性は予測できたことです。

そもそも当初は「サブスクリプションコンテンツとして利益を確実に上げていく」ことが重要だったので、バラエティ系の番組や選手にスポットをあてた企画・映像作品などを配信していた新日本プロレスワールド。
それに加えて多くの試合を生配信をすることで会員数を増やすことに成功をしましたが、一定の成功と退会者数のバランスからコンテンツを減らす傾向になっていきました。
これは戦略としては当然というか、当初から想像ができたことなので文句はありません。

そして想定外のコロナ禍という大きな敵。

個人的には昔から「これだけ試合を生中継しちゃうと、地方大会で同じカードで同じ内容が続くので昔のTV中継だけの時代の何倍も早くマンネリ化が進む危険性がある」という指摘をしてきましたが、この映像としてのマンネリ化があっても会場で生で選手に触れることができたりすることができるから会場へ足を運ぼうというファンがいた。
だからこそ999円で生で見れる物を高いお金を出したファンが会場を埋めていたわけですし、熱い新日本プロレスの試合会場が作られていたわけです。

しかしそれがコロナ禍の影響で「会場へ足を運ばない理由」が増えてしまった。

ここで今新日本プロレスができる「会場へ足を運ばない原因の解決」があるとすれば、当然「コロナの特効薬を開発する」ことは無理なので、新日本プロレスワールドでの生中継を削ることであることは当然です。

スポーツほどLIVE・生でないと面白さが半減する競技はありません。

その中でもプロレスは特に...だと思います。

サッカーなら「どう崩してゴールを決めたのか」
野球なら「どんな球種でどう抑えたのか」
他の格闘技でも「フィニッシュ」の形が多彩なので記事だけでは想像がつかないので、まだマシなのです。

しかし、プロレスの場合は結果に決まり手と誰が誰に勝ったかを見てしまうと、プロレス歴が長い人ならほぼ想像ができます。
それも「終盤2分ぐらいの攻防。誰が誰を場外で抑えているのか。多分ここでレインメーカーを避けて、コードブレイカーを決めてからロープに走ったところでドロップキックのカウンターを食らって終わり」まで見えてしまいます。

・・・↑これ、多分、今見ているあなたは「ロスインゴとCHAOSのタッグマッチで、オカダとBUSHIが最後に残ってBUSHIが善戦するもレインメーカーで負けた」映像が頭に浮かびましたよね?

昔のプロレスはシンプルでしたが、フィニッシュに関しては意外と地方とビッグマッチで違ったり意外性もありましたが、近代のプロレスは「複雑な戦いの中でも最後のシンプルさ」が初見の人にも伝わりやすいと考えているのか、一番の見どころである終盤に変化がないのでどうしてもマンネリ化が進んでしまいます。

この状況ですから、それこそ「結果が気になる」「意外なこともありそう」というビッグマッチを後日配信やPPV化していくことは当たり前ですし、シリーズの真ん中ぐらいのところを後日配信や配信無しにすることは戦略として間違いではないと思うのです。

そうしないと会場がガラガラになってしまいますし「配信メインのプロレス」になってしまうわけですから。

 

ただ、問題があるとすれば「身近なプロレス」として良い意味で中毒といいますか、日常生活の中に当たり前にプロレスがあるという状況からその割合を減らすことになると。
タバコでいう減煙みたいなことになると、徐々に禁煙になっていくリスクもあるのではないかと。

新日本プロレス漬けにしておいてから減新日していく先に何が起こるかという想定は何パターンもしておかないと、プロレス離れに繋がるケースもあるかもしれないと思うのです。

 

また、これは別の問題として「毎試合生中継するから会場から人が減った」と考えるのであれば、それは映像のプロレスに生のプロレスが負けているということにもなるわけですよね...

 

ただ、今のファン層を考えるとですよ。
試合より各選手のトークとかバラエティ系、そっちの方を求めていると思うのです。

後はビッグマッチ、開幕戦、直前の前哨戦、ここを抑えればいいのではないかと。

地方で延々続く後楽園やビッグマッチとは明らかに当たりの違う試合を垂れ流すよりも、ファンが求めているものを絞って出すほうがいいのではないかと。

その上でPPV、これは日本人は慣れていないところが未だにあるので999円から値上げするほうがいいのではないかと思うのです。

 

マンネリ化も軽減することができますし、その上で地方で名勝負などが突如生まれたり何かが起こったときには「現地ファンがレアな経験をした」ということで「会場へ行く価値」も生まれるじゃないですか。

そもそも「声も出せない」「レスラーと接せない」「会場では映像で見ていた試合と同じものが存在するだけ」では人は減りますよ。

会場だからこその売りがどんどん減っているわけですから。

 

ただ、根本的な問題は対戦カードの固定化だと思いますけどね。

昔の新日って地方で意外な中堅どころのシングルがあったり、ジュニアとヘビーのトップどころを組ませてみたり、意外なタッグを組んでみたりとかあったじゃないですか。

それが今は開幕戦から始まって同じカードを熟成していって、最終戦でその進化系を見せるの繰り返しになっています。

これだと開幕戦と最終戦だけ見りゃいいってことになるので、そもそもこれが会場から人が減る原因だと思うんですよね・・・。


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