今回の大会が素晴らしい内容だっただけに無観客となったのは悔やまれます。
ただ全日本プロレスはノッてきた時に障害が生まれるのはあるあるなので、今回も吹き飛ばして行くことでしょう!
ということで名勝負が数々生まれた無観客での大会。
メインイベントでは現王者諏訪魔を宮原健斗が撃破。
久々のシングル戦で宿敵を倒した宮原ですが、終盤の気迫も気合いも勢いも上回る迫力は「やはり宮原健斗が大本命か」と思わせてくれました。
「世の中のことは世の中のプロの方にお任せするよ。ただな、このプロレス界この宮原健斗がやるべきことってのはその他大勢とは大違いなんだ。」
この言葉は宮原健斗らしく心に響きました。
なんというか『等身大の宮原健斗』であるわけですが『その等身大がデケェ』って感じがしたんですよね。
また、記者の「満場一致ということはテレビの前のファンの声が聞こえた?」という問いに対しては、普通のレスラーなら「聞こえましたよ、しっかりと」なんて言うとことを「知らないのそんなの。知らないよ俺は。テレビの前からの声なんて俺には聞こえないよ」と言ってしまうことも彼の魅力ですね。
無観客試合になった怒り、悔しさ、いろいろな感情を抱えている中で「無観客なんだからファンの声なんて聞こえない、だけど戻ってきた時には俺が大歓声を浴びるんだよ。それがファンの願いでもあるだろ?」という言葉が聞こえてくるかのようです。
さて、大本命がメインを勝利して首位に立ち勝ち点8となりました。
ここに並んでいるのが佐藤耕平、そして太陽宮原健斗に対して月となるジェイク・リー。
狂気に満ちた表情で神ゼウスを倒したジェイクですが、試合後には「流れは来るものではなく引き寄せればいい。勝ったやつが正義。残りの試合、無観客ではあるけど記者さんたちだけでも楽しんでください」と言葉はクールなものでした。
個人的には試合後にもこの狂気が出てきた時がTOTAL ECLIPSEのジェイク・リーの完成形になると思うのですが、今現在はまだその過程であると考えればより今後の動きが楽しみになってきます。
TOTAL ECLIPSEの他のメンバーがコメディさを出しているだけにそこにジェイクが飲み込まれる危険性もありますが(TAJIRIが面白さ爆発してきているだけに 笑)ジェイクは危険な月としてこのチャンピオンカーニバルで優勝争いをしてほしいですし、ここで宮原健斗がまた輝き出したことで太陽の光を浴びてより明るくなる月となる姿を見せてほしいですね。
5.3後楽園ホール大会ではこの二人の直接対決が行われます。
実質的にこれが優勝決定戦になると思うのですが・・・
CIMAが岩本煌史を指名し大田区総合体育館大会でタイトル戦が決定 #STRONG HEARTS T-Hawk、エル・リンダマン、鬼塚一聖も参戦決定
これまた無観客試合が残念だった・・・のですが、その反面で佐藤光留の職人技が無観客でより光ったとも言える世界ジュニア戦。
試合後にCIMAが「佐藤光留に勝ったのではなく攻略した」と言ったように、佐藤光留は難易度の高い挑戦者として王者に立ちはだかりました。
最後は変形の丸め込みでCIMAが王座を防衛しましたが、佐藤光留はCIMAの腕一本むしり取りました。
ただCIMAは腕の1本を餌にして攻略した。ここが勝負の結果につながったか。。。
さて、現状の全日本プロレスで岩本煌史と佐藤光留がやられてしまうともう誰も他にいないのが現実。
「次は?大田区は?」
そう思っていると、CIMAが岩本煌史を逆指名する形でリングに呼び出しました。
CIMAは「お前の試合を全日本プロレスTVで見させてもらってるけど、お前は裏切られたり(ジェイクに)なんやかんや色々あるかもわからんけど、それ以前にお前という人間を出しきれてないんちゃうか?」「お前やる気がないなら俺にも火を点けてくれよ、岩本、もう1回このベルトを懸けて俺と1対1でやろうやんけ」
対する岩本煌史は「世界ジュニアのベルトをCIMAから取り戻すのは岩本煌史、俺だけだ」と宣戦布告。
これにより大田区総合体育館での世界ジュニア戦が決定したわけですが、何とか有観客で実現してほしいカードですよね。
岩本煌史にとっても大舞台でのビッグマッチとなりますし、可能性してはその日のメインでジェイクが三冠挑戦もありえるだけに。
また、その大田区総合体育館大会にはSTRONG HEARTSのT-Hawk、エル・リンダマン、鬼塚一聖が参戦とのこと。
ここに誰が対峙するのか?青柳亮生・ハヤト・アキラ?
何にしてもSTRONG HEARTSの参戦というのは全日本プロレスにとっても大きな刺激になりそうで楽しみですね。
岩本煌史がごく自然に生み出したダブルミーニング的なワード「修羅場」
CIMAとのマイク合戦の最後に岩本煌史は「CIMAという修羅場を越えてやるよ」という言葉を口にしました。
「修羅場」というワードは前回、岩本煌史が王者としてCIMAを迎え撃った試合の前、オンライン会見で出てきたワードです。
岩本「最大の難敵だとは思うけど、いろいろな人とやってきてるんで大丈夫かなと思ってます」
CIMA「確かにいろいろな選手とやってきたんでしょうけど、引っかかるのが俺は何でも知ってますみたいな感じで来られるのはどうかなと。何を知っているのかなっていうのは正直、映像では伝わってこなかったんで。もっとガガガッときてほしいんですけど」
岩本「僕も僕なりに修羅場をくぐってきたと思うので」
CIMA「小さい修羅場もあれば大きい修羅場もある。日本だけの修羅場もあれば、世界の修羅場もある。どの程度の修羅場をくぐってきたのか、ぜひリング上でこのCIMAに見せてほしい」
このやり取りを冷静に見ると、たしかにキャリアが違うCIMAからすれば年齢が一回り下の岩本煌史に修羅場という言葉を使われたことでカチンと来たのでしょう。
そしてそれに対して岩本煌史もあまり反論ができず(オンライン会見だったのでタイムラグがあったり最後ぶつ切りにされたことも理由かと思いますが)またタイトル戦ではCIMAが岩本煌史を倒して世界ジュニアを奪っているだけにファンとしては「これが修羅場をくぐった違いか」という印象になっていました。
が、今回岩本煌史は敢えて自分が不利になったワードである「修羅場」という言葉を使いました。
この使い方はここ一番でコメントが切れる岩本煌史らしいもので「CIMAを修羅場」と置き換えたことで王者CIMAへの最大限のリスペクトと絶対に勝つ・取り戻すという思いをダブルミーニングにした「修羅場」というワードは岩本煌史ファンならニヤリとするでしょうし、CIMAファンからしても嬉しい言葉だったでしょう。
「因縁だの抗争だのではなく、1対1での男の戦い」
その舞台が大田区総合体育館。
無観客なのか、客を入れることができるのか、そういった状況も修羅場ですが何にしても岩本煌史がこれから全日本プロレスジュニアだけではなくジュニア全体を引っ張る存在になっていくために大きな糧になる修羅場になることでしょう。
また、他の全日本プロレスジュニアの選手は今のこの時間の間に急成長をしてほしいですね。
結局のところ岩本煌史が王者になった時に団体内に相手がいないことが常に問題となりますので...
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