うーむ...

正直、なんと言っていいのかわからない結末でした。

すったもんだがあってのベルト統一、歴史より未来を選んだ新日本プロレス。
それなら飯伏幸太が憎まれるぐらいに防衛を重ねた先にある未来を見たかったと反対派のファンも思っていたと思いますが、初防衛戦でオスプレイに完敗。

というか...実質的にあるものを統一してジュニアのデスペラードに勝利しただけの状態で(これはジュニアを下に見ているのではなく、世界ヘビー級王座と名乗っているのにという点)初代王者になっているわけですから、本音で言えば暫定王者ですよ。

なのでほぼオスプレイが初代王者のようなものですし、飯伏幸太が言っていた「会社の尻拭い」という言葉がそのまま現実になったかのような結末には呆然となりました。

ヘイトを集めるだけ集めて、さあここから飯伏幸太が戦いでそれを声援に変えていくという道筋が無いというのはあまりにも酷い。

また、試合後にはなぜかジェフ・コブが泣きながら飯伏幸太を攻撃するというわけのわからない行動をしたり、オカダカズチカと鷹木信悟が出てきた時点で飯伏が空気となるというところまで含めて考えると、これがベルト統一賛成のファン、歴史なんて必要なく未来が重要だと言っていたファンが思っていた世界とも違うのではないでしょうか?

そしてオスプレイは一夜明け会見で他団体の名前は出すわ、ブリティッシュ王座をIWGPブリティッシュ王座にしたいと言い出したのでこれまたファンの中で混乱が生じています。

何せ統一反対派は「インターコンチネンタルというベルトへの思い」があった中で、何とかその思いを世界ヘビー級王座に吸収された未来に託して気持ちを切り替えつつあったわけですし、統一賛成派は「ベルトは沢山いらないし、最強は1本でいいじゃないか」と叫んでいたわけですから、ここでベルトが増えるとなればもうどの層のファンも思いを重ねる部分がなくなってしまいます。

そんな中でビーがスターダム対談という発表があり「あ、だからオスプレイはビーにオスカッターをしたのね」という裏事情も見えて来ていますし、先述したブリティッシュ王座に関しても万が一IWGPの名をつけて(この場合はあちらの団体ごと傘下に入れるのだろうか?)生まれ変わるのであれば、単純にインターコンチネンタルはやはり商標権の問題で封印をしただけでタイトルは減らしたくないという団体の事情だけの話しを解決するために飯伏幸太が盾にされたという話にもなってしまうことでしょう。

煽り倒したXも大半の予想通りヘナーレでしたし、YOHの復帰は嬉しかったですがタッグとなるとSHOがこれまでシングルでつけてきた魅力が消えた上に試合はほぼ金丸劇場だったりした点も「うん?」となってしまいましたし、辛うじて「タナコジ」が動き出しそうなのは嬉しかったのですが...

例えば今年の流れがもう少し丁寧であればこの結末は全て面白いものであったと思いますが、やはりここまでドタバタした過程が結果にも影響を及ぼしているように思います。

それこそYOHはなぜSNSを削除したのか?
これはジェイのプロフィールを削除して煽ったやり方と近いものがありますし、この辺りもリング上の戦いを盛り上げようとして逆効果を生んでしまっているように感じました。

ついこの前までオカダカズチカのライバルでIWGPに徐々に近づいていたSANADAがあっさりヘナーレに負けたり(しかも平然とした顔で)ここからエンパイアとロスインゴの抗争が始まりそうですがBUSHIが連日負ける姿が想像できる構図も悲しいものがあったり...

そんな中でモクスリーが永田さんを指名するなど面白い物語もスタートしていますし、オスプレイと鷹木信悟の試合がまた見れることやその先のオカダカズチカとの戦いまで楽しみな点は確かにあるのです。

ただ、トータルで見るとこの1年飯伏幸太とSANADAをプッシュして来たのにいきなりはしごを外したというのは特別この2人のコアなファンでない私がこれほど悲しいのですから、この二人のファン、特に飯伏幸太のファンは何がなんだかわからない状態であろうことがとてつもなく悲しいです。

飯伏幸太ファンの人達は飯伏幸太を支持するために、新日本プロレスのIWGPとインターコンチネンタルの歴史を「どうでもいいもの」のように主張せざるを得ない状態でした。
それもここ数年で新日本プロレスに対して基本的に全肯定のファンが増えている中であれほど否定派が多かったことに対して、飯伏幸太選手を守るためにも大多数のファンと歴史に対してNOを突きつけるなんて飯伏幸太選手への愛がなければできないことです。相当勇気が必要なことだったはずです。

もしかしたらプロレス友達を失ったりしたケースもあるかもしれません。

SNSを見ていると「飯伏幸太が負けても心配いらない、必ず将来飯伏幸太がIWGP世界ヘビー級王座で未来を見せてくれる!」というポジティブな声もありますが、飯伏幸太選手のルックスと肉体と試合を見ていると忘れがちですが彼はもう今年39歳です。

プロレスは年齢じゃないとは言われますし、私もそう口にしますが本音と建前は違いますし現実はそうではありません。

やはり今、アンチ飯伏幸太が増えたからこそ飯伏幸太が作る未来を見せつけてほしかった。
年齢的にも立場的にも流れ的にも、です。

この数ヶ月、ファンからはいろいろな声が聞かれました。

そんな中、振り上げた拳も守ろうとした思いもどちらの人も思いの行き場が無くなったように見えてしまうこの結末。

こういうときには飯伏幸太という自由な存在がベルトと言う重りが無くなって身軽になって楽しみという締めをする人もいることでしょう。
だがそれは違うんじゃないかと。
飯伏幸太がベルトを統一したのであれば、その重さを背負った上で世間にIWGP世界ヘビー級王座を届けていかないと飯伏幸太のこの激動の数カ月は何だったのかと。

 

・・・あれから2年少々ですが、万が一「2年契約だった」みたいな結末だったらとんでもないことになりますよねこれ(笑)

まぁそれはないと信じていますが、ただこれほどタレント揃いでこれほど凄い試合をしている新日本プロレスがコロナの影響で動員が減っただけにしては妙にドタバタしているのは気になるところなんですよ。

少なくとも感情移入できるファンが激減している流れ(物語としての部分)は何か実験的なことであって、コロナ禍の間だけだと思いたいものです。


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