プロレスを見ていて涙が出てきたのは相当久々なことでした。
What we can do now 「いま全日本プロレスにできること」。
この無観客試合は・・・とんでもなかったですね。
一言で言えば「全日本プロレスは王道である」に尽きました。
この大会、無観客試合だと感じる瞬間なんてありましたか?
いや、ありませんでしたよ。
無観客という通常とは違う道でも全日本プロレスが1歩踏み出せばそこはもう王道なのでしょう。
試合を終えた選手が客席で観覧し声も上げるという状況に気がついたときには、全日本プロレスの一体感と結束力に涙が溢れてきましたし、何より「この辛い時期を乗り越えたら全日本プロレスには明るい未来しかない」と確信できました。
第1試合、KAIとブラックめんそーれのシングルマッチ。
KAIがいつもどおりの表情で登場し、ブラックめんそーれがお客様に届けとばかりにシャーー!を連発する。
この時点でこの無観客興行は勝ち戦になると感じました。
そしてここから、熱い全日本プロレスが"当たり前"に試合を続けていきました。
Contents
TAJIRI&岩本煌史「ひと夏のかげろう」と佐藤光留・岡田佑介
第二試合目はこんなときだからの再結成、TAJIRIと岩本煌史の「ひと夏のかげろう」と佐藤光留・岡田佑介のタッグマッチ。
もしかすると近い将来の岩本煌史・佐藤光留の世界ジュニア前哨戦かもしれないカードでしたが、試合開始前から岡田佑介が自分で自分に紙テープを投げるなど「この日を待っていた」という気持ちが伝わってきました。
試合は岩本煌史の久々の孤高の芸術で決まりましたが、今の世の中の「嫌なウイルス」に叩き込むぐらいの気持ちだったのではないでしょうか。
試合後のコメントではTAJIRIが「何が起きてもその状況に応じていろんなものを見つけてゲットしていく」「自分を改造していくチャンス」と言いました。
今の状況でチャンスという言葉をチョイスできるTAJIRI選手はやはり凄いです。
第三試合、大森隆男と力の試合は・・・もう一言でいいでしょう「パワーーーー!!」
黒潮"イケメン"二郎「チャンピオンカーニバルに出るまでアメリカに行かない!!」
第四試合は黒潮"イケメン"二郎とギアニー・ヴァレッタのシングル戦でしたが、PURPLE HAZEの介入により急きょ第五試合目とカードが合併し六人タッグマッチに変更。
試合後、本来はWWE行きが噂されていたイケメンが「チャンピオンカーニバルに出る予定だった」と告白。
そして、今の状況に「チャンピオンカーニバルに出るまでアメリカには行かない」と宣言しました。
イケメン・・・本当にイケメンだな!!ありがとう!!
画面に向かって叫んでしまいましたよ。
この歴史的大会のセミファイナルに秋山準・杉浦貴が大森北斗・田村男児を組むことの素晴らしさ
無観客大会という異例の興行の中、本来なら第1試合を見せるであろう"あすなろ戦士"大森北斗と田村男児は何とセミファイナルに抜擢。
相手は秋山準・杉浦貴というベテランという意味を感じるカードが実現しました。
当然ボコボコにされた若い戦士2名でしたが・・・、未来が見えない中、世界中が今を生きるだけで必死の中だからこそ「未来」を作るための試合をしたのでしょう。
これができる、これをやる、これを見せるのが全日本プロレスの素晴らしさ。
プロレス界全ての若手にまで影響を与え勇気を与えたのではないだろうか?
前代未聞。無観客大会中に参戦表明をした元レッスルワンの芦野
ここで前代未聞の事態が起きました。
レッスルワンの芦野が何と無観客の中での参戦表明というサプライズ。
元々チャンピオンカーニバルに参加する予定だったそうですが、次に出るときはベビーかヒールか、仲間を連れてくるかも、など期待感の高まる予告をして去っていきました。
誰かしらレッスルワンから来るとは思っていましたが、試合後のコメント「主戦場にする」というワードがありますので、スポット参戦ではなくレギュラー参戦となる可能性が高いです。
何にしても休止明け後の全日本プロレスに楽しみが1つ増えたということになりますね。
メインイベントは60分フルタイムドローの激戦、そして感動のシーンへ
メインイベントは諏訪魔・宮原健斗・ゼウスvs石川修司・ジェイクリー・青柳優馬。
ユニット敵味方関係なくのドリームカードは・・・とてつもない激戦での60分ドローとなりました。
もうこの頃には「無観客」だとか「何の大会だっけ?」とかそんなことは頭から抜けて見ていました。
そこにあったのは王道であり、他のどの団体にもできない試合でした。
そして試合後、本隊?ライバル?陣?PURPLE HAZE?関係なく6人で手を取り合う感動のシーン。
この結束力。
不測の事態に一つになる全日本プロレス。
諏訪魔が口にした「這い上がる根性と勇気」
プロレスファンに突き刺さったと思います。
他団体のお手本になった無観客試合
先述しましたが、試合を終えた選手が客席で声を上げてファン目線になるという異例の大会だったこの日。
この手法とプロレスは無観客でも成立するというより、試合のクオリティが高ければお客様無しでも問題ないことがわかりました。
これは他団体が・・・同レベルのことをできるかどうかは置いておいて、1つの目安となったと思います。
恐らく多くの団体関係者がこの試合を映像で見てヒントを得たことでしょう。
プロレスの火が小さくなっている中で、王道が燃料になったことは間違いありません。
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