試合前から汗の量がかなり目立っていた内藤哲也。
これが内藤がインタビューで語った体調の問題なのか、それとも緊張だったのかはわかりません。
ただコンディションが良かったようには見えず、試合中にも膝へのダメージで受け身や技をミスするシーンもある中でしたが強い二冠への思い・・・いや、IWGPへの思いで気力で勝ち取ったように感じました。

内藤哲也ほど新日本プロレスとIWGPへの思いが強いレスラーはいないでしょう。
20代でのIWGP戴冠という叶わなかった夢、そしてロスインゴ介入で手にしたIWGP。
今思うとベルトを投げ飛ばしたのは悔しさがどこかにあったからだと思いますし「ベルトを超えた存在」という発言にも悔しさがあったからの強がりだったのではないかと思うのです。

今はまるで言葉を言霊のように使う内藤哲也。
彼は常にファンが思っていることを代弁し、また自身が思うことを口にすることで色々なことを現実にしています。

しかし「ベルトを超えた存在」という言葉は今日まで呪いの言葉のように内藤を苦しめていますし、内藤哲也が掲げる夢の言葉というのは見事なまでに打ち砕かれてきました。

いつも超えることができない夢。
今回で言えば『二冠』という夢も大きな壁となって内藤に立ちはだかることでしょう。

そもそも、この二冠というのは「ベルトを超えた存在」という言葉から作らざるをえなかった目標です。
本来の内藤哲也はIWGPこそ新日本プロレスの至宝であり、この1本だけで最強であり最高であることは誰よりも理解しているはずです。

ですが自らの言葉の整合性のために二冠が必要になり、またインターコンチネンタルが再度必要になってしまいました。

なので本当に内藤哲也がほしいものはIWGPであり、その上で史上初という状況を作ることでオカダカズチカを超えるために必要なものが二冠であるということなのではないでしょうか。

そう考えるとオカダカズチカの持つIWGPへの思いと内藤哲也のIWGPの思いは形や色こそ違えど大きさは同じなのかもしれません。

ただ、最強の挑戦者であったであろう飯伏幸太を倒したオカダカズチカは更に進化し、そしてIWGPへの誇りが倍増されていることでしょう。
それに対して道具としてインターコンチネンタルを手に入れた内藤哲也ではIWGPへの思いの差が生じているかもしれません。

それに、現状ではオカダカズチカに内藤哲也が勝っている部分は人気以外にないかもしれません。
しかし、内藤哲也がオカダカズチカに勝るものもあります。それは相手へのジェラシーです。

若手の頃から内藤哲也はオカダカズチカに対してジェラシーを抱いていました。
やっと自分が棚橋弘至に並ぶ可能性が出てきた時に凱旋帰国してレインメーカーショックを起こした時にも胸が張り裂けそうだったことでしょう。

今日1月5日

『そんなことは知らねーよ』とオカダカズチカにまた負けてしまうのか。
それとも若手の頃から全てひっくるめた逆転の内藤哲也を見ることができるのか。

運命の時間が近づいてきました。

怒りのジェイホワイトは飯伏幸太を血祭りにあげるのか、それともBULLET CLUB入りへの布石が生まれるのか。

内藤哲也に負けたジェイ・ホワイトはバックヤードで怒り狂っていました。

『お望みの結果が得られたというのに、何で笑ってないんだ? なぜ笑顔じゃないんだ?ジェイ・ホワイトが負けるというストーリーを、みんなが待ち望んでいたはずだ。そしてオマエらが大好きな内藤が勝ったんだぞ。なぜ笑わないんだ?』

胸が苦しくなるような悔しさと悲しさが伝わってきますが、彼もまたこのジェラシーを増大して強くなっていくことでしょう。

そして、それはさっそく本日からスタートすることになりそうです。

明日、オカダでも飯伏でも、俺の対戦相手になるヤツに対して、ひと言言っておこう。明日の試合は汚くて、ひどくて、救いようのないものになるかもしれない。オマエらのどちらかが血祭りに上げられることになるだろう。だがそれはオマエらのせいだ。飯伏かオカダ、アイツらのファンのせいだ。おまえらが応援するヤツらは、俺が全て血祭りに上げてやる!

コメントの時点ではオカダカズチカと飯伏幸太、どちらと5日に戦うか未定でしたが相手となるのは飯伏幸太になりました。

G1決勝戦のリマッチとなるということも含めてジェイからすればリベンジの鬼となっているでしょうし、血祭りにあげるとまで発言しているように狂気のジェイがそこに立っているかもしれません。

ただ、ジェイは飯伏幸太に対して最大限の評価をしつつ『BULLET CLUB入り』の勧誘をしています。

もしかすると今日の試合で飯伏幸太BULLET CLUB入りの布石が生まれるなんてこともありえます。

二冠王が生まれる日に別の何かが起こるかもしれませんね。


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