鈴木みのるの最終形態。完全体となった王がついにIWGPを手にする。

衝撃のラ・ミスティカ式スリーパーからのゴッチ式パイルドライバー。
G1最終日に一番の衝撃を見せたのはG1にエントリーされることのなかったプロレス界の王、鈴木みのるでした。

オカダからの勝利によってロンドンでIWGP挑戦する切符を手にした鈴木ですが、鈴木みのるという選手は実は何でもできる人です。

「やろうと思えばお前らが好きな派手な動きなんていくらでもできるぜ?」という人なのです。

たまに発動するドロップキックの美しさや鋭さは説得力の塊ですし、そもそもヤングライオンを勝るスピードで走る姿を見れば「やらない」と「やれない」の違いは明確です。

鈴木みのるは以前インタビューの中で「派手な動きをするレスラーが多いから逆に行けば自分が目立てる」という戦略を実践していることを語りました。

それは鈴木みのるの現在のネームバリューや支持の高さを考えれば大成功であるといえるのですが、今回ラ・ミスティカのようなジュニア選手でもあまり見せることがないほどの動きをなぜ見せたのか?

これは推測でしかありませんが、すでに鈴木みのるブランドというのが完成されている中で「意図的にやらなかった派手な動き」を加えても何ら問題ない...というよりプラスになると考えたのではないかと思うのです。

鈴木みのるという選手は時代に逆行することでプロレス界の先頭になるという偉業を成し遂げた選手ですが『ちょいとここらで流行も取り入れてみっか?』と。

派手は技ばかりのリングで派手な技をしていても目立ちませんが(オスプレイぐらいのレベルになると別ですが)鈴木みのるが派手な技をすることによって、誰よりも派手に見えるという「鈴木みのる最終形態」のような姿を視野に入れたのではないかと。

プロレス界の王は底なし沼のような深さを持つレスラーですから、ただ何となくやってみたという浅いものではないはずです。

第三世代は試合が激減しフェードアウトする中。
棚橋弘至や真壁刀義すら全盛期の動きが少しずつ過去のものになっていく中。

昭和にデビューし、パンクラス時代を経て、メジャー団体を片っ端から荒らした男が51歳になりここで満を持して「足し算」をしてくる恐ろしさ。

引き算をしていくことで限りないオンリーワンとなった王が、足し算をして100、いや1000のレスラーの頂点へと進む。

1999年、世間はノストラダムスの大予言「恐怖の大王」が何なのか?と考えていました。
丁度それから20年。20年遅れで訪れるノストラダムスの大予言。

恐怖の大王は鈴木みのる、なのではないか。


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