今年のG1クライマックスが終わって9時間ほど。
まだ心の火照りがおさまらない中で、終わった寂しさと全試合を追ってきた満足感を得ながら・・・「もう1回、最初から全部見ようかな」なんてことも頭を過ったりしています。
20名の激闘の頂点に立った飯伏幸太。
本来ならあの日に新日本プロレスから去っていなければ、もっと早くにこうなっていたことでしょう。
ただあの歴史があるからこそ「覚悟」という言葉がこれ以上無く似合いますし、年齢的なことを考えれば「新世代のスター」と言うには遅すぎますが、ここから3年間でプロレス界を10倍速で成長させてくれそうな気がします。
飯伏幸太が誰かを引き連れて先頭を歩くなんて姿は昔からのファンには想像できないことですし、飯伏らしくないことでもありますが、今の飯伏にならそれができるはずだという確信のようなものを日本武道館のメインから感じました。
そして棚橋ともオカダとも、もちろん中邑やケニーとも違うトップのあり方を見せてくれるのではないか。
もちろん飯伏幸太の魅力は危うさや急に居なくなってしまいそうな儚さでもあるので、舵取りを任せるというのは適していないのかもしれませんが、ゴールデンスターのハチャメチャな未来へ進むというのもプロレスらしくていいじゃないかと。
星を目指して歩いていたら素晴らしい場所にたどり着いた...そんな未来が待っているかもしれません。
G1 CLIMAX 29(8/12)を公開!
メインは「G1 CLIMAX 29」優勝決定戦、@ibushi_kota VS @JayWhiteNZ!
両者の凄まじい死闘に場内大熱狂!この死闘を制し、令和最初のG1覇者となるのはどちらだ!?
登録&視聴▷https://t.co/B4Wge1eXDG#njpw #njpwworld #G1Climax #G129 pic.twitter.com/uQBQSoCaof— njpwworld (@njpwworld) August 12, 2019
そして優勝決定戦では負けたもののジェイホワイトの凄さが伝わる夏でもありました。
26歳、1992年生まれですから飯伏の10歳年下という年齢と新日本プロレスでのキャリア4年半ということを考えればMSGのメイン&日本武道館最終日のメインに立っていることだけでも恐ろしいことです。
この優勝決定戦でもジェイの世界を完璧に作るからこそ飯伏の光が際立ったのだと思いますし、1万人を超える観衆を手のひらに乗せてしまえる26歳のこれからの進化というのは想像するだけでも恐ろしいです。
普段は多くの技を使うタイプでないからこそ大一番での足し算が説得力を増すということも特徴ですし、これがまだ「ジェイのベース」でここから10年後に飯伏の年齢になった時にどこまでの選手になっているのか・・・
5年後に内藤・飯伏に引導を渡すのもジェイかもしれません。
ジェイ時代をすでに予約していると言っても過言ではないぐらいに大きな存在になっていくことでしょう。
逆転のロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンに期待
ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの4人は大きな結果を残すことはできませんでした。
EVIL・SANADA・鷹木は4勝5敗の負け越し、内藤は5勝4敗でギリギリの勝ち越しでしたが満足行くものではないでしょう。
特にSANADAは勝点が昨年と同じ、EVILと内藤は昨年より低いわけですから(鷹木は今年が初エントリー)昨年以上の結果を残せた選手が1人もいないということになります。
内藤哲也はインターコンチネンタルとIWGPの二冠を狙うためにはG1での優勝は必須条件でしたがそれは叶わず。
ここから東京ドームまでに実現をしようと思えば、強引にでも飯伏から権利証を剥がすかオカダと直接対決をするしかありません。
しかし恐らくオカダの前には鈴木みのるが立ちはだかるでしょうし、SANADAも権利を主張する可能性があります。
飯伏の前にはEVILやKENTAが並んでいくことを考えると、IWGPへの道は遠くなっていると言わざるをえない。
そして内藤哲也のインターコンチネンタルに関してはジェイホワイトやタイチが狙ってくる可能性があるわけですから、二冠というテーマからも遠ざかってしまうかもしれません。
それでも内藤には別の重要な運命があると思いますし、ここから何を見せてくるのかと楽しみです。
SANADAに関してはオカダには勝利しましたがまだ1回勝っただけです。
飯伏幸太からの本隊への勧誘という伏線もありますが、飯伏時代が近くなっている中で本隊へ行ってしまうと・・・好敵手を失うことになります。
後藤洋央紀がこのミスを犯したことでトップと戦うチャンスが激減したという歴史を考えると本隊入りは得策ではないかとは思いますが、ロスインゴで出ることで「垣根を越えたライバル」として比較されてきた内藤との戦いが実現するというチャンスもあるだけに・・・今後の動きから目が離せません。
EVILは不満の大きい上半期でしたが、G1でも飛び抜けることはできませんでした。
それでも倒した飯伏が優勝したというのは大チャンスになってきますし、年齢的にもまだまだこれからでしょう。
ただ、これでSANADAとワールドタッグに挑むのであれば何年も同じことの繰り返しになるだけに、飛躍するためのきっかけとの出会いが無くなる可能性もありますね・・・
この内藤・EVIL・SANADAが最終戦を終えて3人ともノーコメントというのも気になります。
次期シリーズに向けてテーマを失ったロスインゴになってしまうなら辛いものがありますが・・・
ただ、ジェイが内藤のインターコンチネンタルを狙うのであれば自然とロスインゴとBULLET CLUBの抗争という新鮮なカードが生まれますし、そうなれば新日本プロレスに参戦した時に内藤に興味があると口にしたKENTAとの戦いも実現するだけに、ロスインゴの鍵はジェイが握っているということになるのかもしれません。
ヘビー級転向宣言をした鷹木はこれからただ前を向いていけばそれだけで面白いですし、石井のNEVERへの挑戦や後藤とのリマッチなどやるべきことは多そうです。
またヘビー転向したことでスムーズに内藤と組んでワールドタッグへの参戦ということも考えられます。
個人的にはこの可能性にタッグ戦線の活性化を期待しています。
一番多くの物を背負っていたタイチ、そして鈴木軍の勢い。
このG1で更に評価を上げたのはタイチではないでしょうか。
飯塚高史の成仏と内藤への勝利、石井との意地の張り合い、新日本プロレスのプライドを口にして戦ったモクスリー戦、そして「ジュニアのプライド」を最も強く持っていたのはオスプレイでも鷹木でもなくタイチだったと思います。
試合後のコメントを見ても泣けてくるぐらいにタイチはジュニアへの思いが強いですし、これまでにヘビー級と戦って散っていったジュニア選手のことをしっかりと思っているんですよね。
試合内容でも見ても石井戦は「これがメインでも大満足」という凄まじい試合でしたし、結果は負け越しでもNEVER王者とインターコンチネンタル王者を倒しているのですから大きな価値を手に入れることになりました。
そのタイチが所属する鈴木軍のランスアーチャーは両ブロック合わせての最下位となりましたが、インパクトで言えば最も大きなものを残したのではないかと思いますし、後にUS王座に絡んでくるのではないかという期待はファンの多くが楽しみにしているでしょう。
ザック・セイバー・ジュニアも結果は出ませんでしたが名勝負を多く残しましたし、MSGに続いて棚橋弘至との戦いが実現するとなればこれも楽しみです。
そしてG1にエントリーしなかったことで「より強くなった」鈴木みのるが、最終戦でタッグマッチとは言えオカダからピンフォールを取って堂々のIWGP狩り宣言をしたことからも、鈴木軍の巻き返しに期待できる秋がやってくるのではないでしょうか。
未だ欠場中のデスペラードもいますし、BOSJでインパクトを残したDOUKIも控えていますし(TAKAみちのくはもう参戦しないのだろうか?)個人的にはこれまでのタイチ・ザックのコメントなどから鈴木軍の解散が近いかと思っていましたが、この状況になったのであれば鈴木軍として大きな花火を上げてほしいなぁと願っています。
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