棚橋弘至選手のPodcastが配信されました。
毎度面白い内容で新日本プロレスを1歩深く見れるようになる内容をファン向けにも初見の人に対しても伝えてくれる番組ですが、今回はG1前ということで話題がいつも以上に盛り沢山でしたね!
KENTA戦で「もし相手のセコンドに柴田さんがついていたら・・・」と昨年メインで自身のセコンドについた柴田勝頼の動向を気にしていたり、SANADAとの試合では「前回はアウェー、今回はホームのはずだけどSANADAコールが巻き起こったら・・・笑」なんて気にしていたりとクスクス笑いながら聴ける内容もありつつ『ザックのストロングスタイルは死んだ』という発言に対して『自分以外の奴がいうと腹が立つ』というあまりにも棚橋弘至らしい発言で、この試合のテーマを実に面白いものにしてくれました。
さて、そんな中で出てきたEVILに対しての話がかなり深い話でした。
僕は聴きながら「あー・・・確かに・・・」と納得し続けるしかできない内容でしたので、掻い摘んでご紹介したいと思います。
EVILのキャラが自らの足枷になっている。ファンがプロレスを知らない人に紹介したい選手ではないことが欠点。
このブログを何度か見ていただいている方はご存知かもしれませんが、僕はEVIL推しです。
ヤングライオンの頃から応援していましたし、このEVILのキャラも試合内容も好きなんです。
ただ、そんなEVILファンの僕でも棚橋選手の言葉を聞いて全て納得というか、否定のしようがなかったです。
EVILというのは素晴らしいレスラーでファンも多くて会場人気もあると。
しかしEVILとしてのキャラが強すぎるのではないかと。
ダークネスなキャラで鎌を持って入場するなどEVILのファンからすれば良いが『プロレスファン心理としてチャンピオンに推したい選手というのは全くプロレスを見なことがない人に教えたい選手である』と。
そして『あのイメージでここまでの位置にはこれるけど、対世間に対してこれが日本を代表する選手ですとは言えない』という話でした。
もうね・・・納得の更に上の言葉があるならそれを使いたいぐらい納得です。
EVILファンの僕はもちろんEVILに新日本プロレスでトップに立ってほしいしIWGPを巻いてほしい。
何ならこのG1だって優勝してほしいと思っています。
ただ、確かにプロレスを全く知らない人に新日本プロレスの話をする時に『このEVILって選手が看板でチャンピオンなんだよ!ダークネスな世界にリングを染めてて、鎌を持って入場するんだよ!』って写真を見せて話すかなと思ったならNOかもしれません。
やっぱりその時の状況がどうあれオカダカズチカ、内藤哲也、飯伏幸太などを紹介するような気がします。
ただ棚橋選手もだからと言ってEVILのキャラを変えた方がよいとは思っていないようですし、僕もEVILが渡辺に単純に戻ってしまうのは嫌なのですが、じゃあEVILはこれからこのキャラを背負ったままで感情を出して世間に伝わるプロレスをしていくことって確かに難しいような気がします。
お笑いの世界で言うところの音ネタに近いのかもしれない
この棚橋選手のEVIL論を聞いていて、キャラが全面に出てしまうプロレスラーはお笑いの世界で言うところの音ネタに近いのではないかと思いました。
お笑いの歴史を考えると音ネタってブレイクするまでが早いじゃないですか。
ただその芸人さんが冠番組を得ることができるのか?MCになるのか?と言えばなりません。
バラエティ番組の中で必ず目立つシーンが一度はあるけど、それを繰り返していく間に飽きられて消えていくことが多いわけですよね。
もしかするとEVILはこういう状況になってしまうかもしれないという不安を覚えました。
ただ新日本プロレスの歴史を振り返ってもEVILのようなWWEにも通じるようなキャラが強いレスラーってあまりいませんでしたし、逆に海外ではこの手の選手がトップを取ることもあるわけです。
新日本プロレスのスタンダードな部分で言えばEVILは今のキャラで看板になることはできないのかもしれませんが、もしかすると海外戦略の部分にチャンスがあるのかも?ということも思いました。
しかし海外の新日本プロレスファンは新日本プロレスのスタンダードなものを求めているとも思いますので・・・
さて、お笑いの音ネタという話をしましたがここでもう1つ問題なのが『音ネタでブレイクした芸人が、普通におもしろいレベルの高い漫才をやるようになってもなぜか評価されにくい』ということがあります。
それは見ている側が以前のネタ(キャラ)を引きずって見るからだと思うのですが、これもEVILに将来起こりそうなことなんですよね。
キングオブダークネスEVILが突然正統派なスタンダードなレスラーになる、例えば石井のようになったらやはり違和感があるでしょう。
ヒールだったのにキャラをある程度残したまま世間にウケる本隊の看板になった真壁刀義のような例もありますが、あまりにもキングオブダークネスEVILというキャラは強すぎますからね。
もう数日後から始まるG1の闘いの中でEVILという名の仮面が徐々に剥がれ落ちて行って絶妙なバランスの取れたEVILが誕生するなどすれば未来は明るいのかもしれませんが、EVILがこの1年で明らかに伸び悩んでいる理由はまさに棚橋弘至が言う「キャラが足枷」であることは間違いないですし、ここから数年それを引きずる可能性も高いのかもしれませんね・・・
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