新日本プロレスのリング上で流れ入る時間の速度や進化や変化の速度が早すぎるので、少し前のことが昔に感じてしまうことってありませんか。
僕は去年の大阪城ホール大会を見直してそれを凄く感じまして『え?オカダカズチカとケニーの3本勝負ってまだ一年前だっけ!?』と思ってしまったのです。
たった1年前、大阪城ホールのメインイベントで64分50秒の激闘をケニーが勝利してIWGPになり、そしてそのケニーはもう新日本プロレスにはいないという景色の変わり方の激しさを物語りますよね。
春夏秋冬どころじゃないですよ、今の新日本プロレスは(笑)
ただ、景色は猛烈に変わっているのに昨年と今年の大阪城ホールでは出場する選手に関しては近いものがあります。
昨年の大阪城ホールのメインはオカダカズチカ・ケニーオメガでしたが、今年はオカダカズチカ・クリスジェリコです。
昨年のセミはそのクリスジェリコ・内藤哲也の試合でしたが、今年は内藤哲也・飯伏幸太で、その飯伏幸太は昨年のメインでケニーのセコンドでした。
そしてIWGPジュニアは昨年がオスプレイとヒロム、今年はオスプレイとドラゴンリーですし、昨年のNEVERは3WAYでしたがその時に出場していたタイチが今回は王者として防衛戦を行います。
またEVILとSANADAがIWGPタッグに挑戦するというのも昨年と同じです。
出場選手が変わっていないのに激変を感じさせる新日本プロレスはやっぱり面白い
去年が古く感じるのに今年も別にそこまで出場選手が変わったわけではない。
ということはやはり中身の変化があるということですよね。
オカダカズチカはマディソンスクエアガーデンのメインで金の雨を降らせ、世界を見据える新の王者となっています。
その相手となるクリスジェリコはAEWでケニーオメガを倒し、また新技を開発するなどこのキャリアで更に大物感を出して舞い戻ってきました。
飯伏幸太は新日本プロレス所属でインターコンチネンタル王者という責任感を背負う立ち場になりましたし、内藤哲也はより人気を増しているが新日公式インタビューでもあったように「人気はあるよね」という言われ方をするようになり、またロスインゴ全体としてもSANADAの成長や鷹木信悟の存在で全体を仕切るボス感は失われつつあります。
ただ二冠王を宣言しているというところで「目標が明確な内藤哲也」という状況になっていることも昨年と違います。
オスプレイはベスト・オブ・ザ・スーパージュニアで鷹木信悟との見たこともない激闘をして更に評価を上げていますし、対ヘビー級実績も身に着けた上で「日本に引っ越す、新日本プロレスに恩返しをする」という感涙モノの意識で参戦をする立ち場となりました。
相手となるドラゴンリーは高橋ヒロムのライバルということではなく、素晴らしいIWGPjr王者として新日本プロレスのリングに立っています。
タイチにしても鈴木みのるの子分という立ち場から、実質的な鈴木軍のリーダー的存在となっていますし、試合内容からも大きな指示を得ている状態で石井を迎え撃つわけですから昨年とは全く違います。
こうして考えると、今新日本プロレスのリング上でトップに立てる選手というのは「進化と変化」を両方できている選手なのではないかと思うのです。
進化だけでは足りない、変化だけでは足りない、その両方が必要なのでしょう。
そして新日本プロレスを更に世界へ羽ばたかせるには、やはりその両方が起きていないといけないのだと思います。
今の新日本プロレス、見ないと損ですよ。
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