内藤哲也と飯伏幸太の間にある信用こそが激戦の理由

大阪城ホール直前、週プロさんにて内藤哲也選手のインタビューが掲載されていますが、心底飯伏幸太との戦いが好きなんだなぁと改めて感じる内容でした。

考えてみると一時期のオカダ同様に内藤も同世代のライバルっていなかったんですよね。
「団体の垣根を超えたライバル」と言われていたSANADAは年齢も違えばただ比較されるだけの存在でしたし、棚橋弘至はやはり上の世代となります。
またオカダと内藤というのもライバル的な構図ではありましたが世代は違いますので、やはり内藤にとって極限までの試合を楽しみながら行えるライバルは飯伏なのでしょう。

戦歴で言えば飯伏の5勝2敗、なのでもちろん内藤の2勝5敗となるわけですが7戦してこの差はかなり飯伏がリードしてきていることになります。
ただ節目の10戦目でイーブンに戻るなんてこともあるでしょうし、内藤も今回ばかりは「楽しければいいや」ではなく「勝つことが大前提」という戦いをしてくることでしょう。

流石に年内3連敗、昨年から数えれば4連敗の状況でまた負けてしまったら数字上では「同格のライバル」とは言えなくなりますからね...

今一番欲しいベルトはインターコンチネンタル

「IWGPとインターコンチネンタルの二冠を目指す」だけど「今欲しいのはインターコンチネンタル」というのが内藤の主張です。
飯伏は「2つ欲しいのか?これが欲しいのか?」ということで内藤との論争が起こりましたが、今となっては内藤が一番欲しいのがインターコンチネンタルということで落ち着きました。

しかし、あれだけインターコンチネンタルをゴミのように扱った上で「俺はベルトを超えてるからベルトなんていらん」というスタンスだった内藤哲也が『インターコンチネンタルが一番欲しい』なんて言うなんて大きな変化ですよね。

もちろんあくまでも「二冠を手にするためのツールがインターコンチネンタル」であり「飯伏が持ってるからインターコンチネンタルが欲しい」ということではあると思いますが、今年のニュージャパンカップ→マディソンスクエアガーデン→大阪城ホールとの戦いの中でインターコンチネンタルへの思いが更に変化する可能性もあるのではないでしょうか。

大阪城ホールで内藤哲也が勝利した場合に『別にインターコンチネンタルだけが欲しいわけじゃねーんだよ』とベルトをぶん投げるかもしれませんし、蹴り飛ばすかもしれません。
でも、もしかすると大切に肩にかけるかもしれませんし、腰に巻くなんて可能性も0ではないと思います。

あくまでも内藤哲也はロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの顔でもありますが、今年の春からのロスインゴは個人闘争の時期に入っています。
そしてこの試合はメインイベントではありませんので、ロスインゴのメンバーが揃って大合唱をすることはないでしょう。

そう考えると内藤哲也個人として、どういう動きをするのか?ということも含めて試合後まで楽しみですよね。

危険な試合という声に対しては「信用」の二文字で十分。ファンがどうこう言う問題ではない。

内藤と飯伏と言えば試合が危険という声が多く、また近年はどういうわけかプロレスに安全を求めるファンが増えてきました。
世の中の流れ的に「けしからん!!」と言いたい「けしからん隊」が増えてしまっているので、格闘技にもそれを求める声が出ているのは事実です。

プロレスや格闘技に対して安全を求める声が日本ではとても多い中ですが、サッカーなどでは「もっと厳しく!」「球際を激しく!」なんて声の方が多いです。
やはり世界的なスポーツの世界ではそういうことが求められるわけですから、プロレスや格闘技に安全を求める声が多いということはまだこのジャンルは日本ではマイナーであるという証明にもなってしまうかもしれません。

ただこの件に関して内藤は「コイツなら大丈夫だろうという信用がある」と話していますし、恐らく飯伏から内藤へも同じ回答が出るでしょう。

レスラー同士が信頼関係の元に本人たちの好きなように命をかけて戦っているところに、それを見ている人が「やりすぎだよ!」って入り込むのは単純に野暮ですよね。

もちろん大好きなレスラーが怪我をしたら嫌なのは僕も同じですけど、、、でも記者会見とインタビューと握手会だけしてたら満足なのかなということですからね。

プロレスラーへの憧れやリスペクトが生まれてファンの心を掴む理由はリング上で戦う姿があるからこそで、その大前提が無くなったら「ゴツいお兄さん&オジサン」でしかありませんから、そんなのジムにいけば腐るほどいますからね(笑)

また、怪我に関していえばプロレスファンの人だと見ている人も多いかと思いますが桜庭さんがやっているQUINTETというグラップリングだけの大会があるじゃないですか。
僕はこれが好きなのでhuluで見ているのですが、これでも怪我人は普通に出ますからね。

丁度新日本プロレスが上昇してきて完全にブーム化してファンが急増したぐらいから柴田選手・本間選手の大きな怪我があって、また棚橋選手の怪我の多発やYOSHI-HASHI選手の怪我、高橋ヒロム選手の大怪我、そして最近ではデスペラード選手やTAKAみちのく選手の怪我などもありましたが「プロレスってこんなに危ないのか!!」という印象が刺さってしまった層がいることは当然です。

また試合で魅了される前に「こんなカッコいい個性的な人たちがプロレスラーなんだ!」というところから魅了されて入った人だと、よりそういう傾向にあると感じます。

新日本プロレスが大爆発した理由はSNSの活用がキッカケだったと思いますが、その影響というのはファンの声にしっかり出てきていると思うのです。

ただ「危険!危険!」という声が増えるほど、プロレスラーは反発するように危険な試合を選んでいくと思います。
なぜなら「舐められたら終わり」というのがプロレスラーの性質だと思いますからね。

純粋な心配の声が「煽り」のようになってしまう可能性があるということは、もしかすると一番「危険」なことなのではないかと思います。


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