高橋ヒロムが復帰して6人のロスインゴになった時、どんなユニットに生まれ変わるのか

内藤哲也が「一人制御不能状態」として全国各地でまだブーイングを浴びていた時期に関してはまだCMLLのロス・インゴベルナブレスに内藤が加入しているという形でしたので、実質的にロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンが形を成したのは2015年後半にEVILとBUSHIが加入して3人体制になったときからでしょう。

その時はまさに「制御不能」という言葉が似合いましたし、まだ新日本プロレスファンからすると「内藤がヒールになった」「何か面白そうだけどCHAOSがあるからなぁ」というような感じで大歓声ではなく、当然ブーイングも飛ぶような時期でした。

ですが個人的には大好きな時期で、バンドで言うところのアルバム1作目的な初期衝動に溢れた状態でしたからね。


KUSHIDAを毒霧まみれにした上で袋叩きにするなど、今ではあまりこういうことをしなくなりましたが(やっても歓声が上がっちゃいますからねぇ)この時の「こいつら何をする気だ!?」という雰囲気が好きな人も多かったと思います。

ところで、その歓声が上がるという部分で言えば棚橋弘至は絶対的王者、絶対的エースの時代でも「今日はヒール棚橋で行こう」とすれば大ブーイングを引き出すことができました。
もしかするとそれこそが超一流のレスラーなのかもしれませんが、人気という部分で言うと例えばこのロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンしかりNWOであったり桁違いに突き抜けた人気になってしまうと意外と観客のコントロールができなくなるものなのかもしれません。

この辺りはプロレスの実に面白いところだと思います。

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SANADA加入後に起きたロスインゴ・制御不能の進化

ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンにSANADAが加入した時というのはまだ反応が微妙でした。
新日本プロレスしか見ていない人や、プロレスブームからのファンの人は昔から内藤哲也と比較されていて団体を超えたライバルと言われていたSANADAの存在をあまり知らなかったということが理由でしょう。

「誰?」という人と「内藤と真田聖也が組むの!?」という極端な温度差が生まれました。

ロスインゴに加入したSANADAは本来の明るいキャラやチャラいキャラ、ちょっと天然なところを封印して無口でクールな存在として立ち振る舞っていましたが、その存在が良い意味で不気味でしたし「結局ロスインゴは何がしたいのだろうか?」という状況はまだありましたので、制御不能感に何とも形容しがたい空気感が加わって更に進化しました。


ロスインゴはヒールではないですが、この時期まではヒールユニットと呼んでも差し支えない存在だったと思います。
まだブーイングもある時期でしたが、このロスインゴの存在の影響でCHAOSがベビーと言われたり「裏本隊」というような状況に変わっていたのかもしれません。

こちらもバンドで言えば2作目のアルバムのようで、1作目の勢いに対して足し算して進化させているような印象があります。

高橋ヒロムの加入でロスインゴに圧倒的な明るさとダークヒーロー感が生まれた

EVILが活躍していること、そして内藤哲也との関係性、さらにはカマイタチとして一度新日本プロレスで見せた圧倒的な進化。
そしてド派手なPVでの予告登場をしたということもあった高橋ヒロムですが、元々の可愛らしいルックスにド派手なパンク風のコスチュームと赤髪というのは髙橋広夢とのギャップもあって一気に注目される存在になりました。

基本的には黒を基調としたロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの中に「色」が入り、紅一点じゃないですけど急激に派手さが出たように思います。


不思議なのは高橋ヒロムがド派手なのに、なぜか彼がいることで周りも派手に見えるんですよね。
周りを際立たすことができる派手な人って中々存在しません。

そして高橋ヒロムは試合も凄いし、キャラが濃い中でも濃度を変えながら実は臨機応変な言動ができるじゃないですか。
彼を見ているだけで喜怒哀楽を全て感じさせてくれる凄いレスラーだと思うんですよ。

そしてロスインゴが「ダークヒーロー的存在なのに明るい"やんちゃ感"」を生み出せたのは、内藤哲也のNO LIMIT時代から持っている華やかで明るいのにちょっと陰キャラという特異過ぎるほどの稀な性質と、高橋ヒロムという破茶滅茶な駄々っ子のような「怪獣の子供」みたいな存在が大きかったと思うのです。

その破茶滅茶で怪獣みたいで派手なのに周りを際立たすことができるって部分、僕はXJAPANのHIDEさんを重ねてしまうのです。

この5人体制、バンドや映画などで言えば「魔の3作目」というか、駄作が多い時期ではあると思いますがロスインゴはここで最高の状態を作り上げたと思います。

ロスインゴダルマあったとすれば、片方だけ黒目を入れてあってもう片方の目にヒロムが赤い○を豪快に付けて完成!みたいな感じでしょう。

そして周りを際立たすヒロムがロスインゴに入ったことで、ロスインゴが周りを際立たす効果を持ちました。
本隊はより本隊らしく、CHAOSは裏本隊として、またベクトルの違うヒールとして鈴木軍とBULLET CLUBの個性がより目立つようになりました。

しかし残念なことに高橋ヒロムが怪我で離脱してしまいましたが、ここでまたロスインゴに違う色が生まれました。

鷹木信悟がロスインゴのパワーバランスを崩したことで生まれた刺激

高橋ヒロムが首の負傷で長期離脱中ですが、そのこともあって昨年6人目のメンバーとして加入したのが鷹木信悟。
新日本プロレス登場から大インパクトを残し、現時点で新日本プロレス参戦後に一度も直接敗北の無い状態でベスト・オブ・ザ・スーパージュニアを9連勝して決勝戦へ向かいます。

ロスインゴと鷹木信悟、少しの違和感と妙なフィット感というアンバランスさを感じてしまうのですが、これがまたロスインゴを新しくしました。

そこまでロスインゴに対してどうこうというスタイルではない鷹木が登場したことで、明らかに他の選手にも個での火がついたように見えます。
そして誰しもが「鷹木がヘビーに来たらオカダにも勝つんじゃないか?」という実力をまざまざと見せつけていることや、SANADAがニュージャパンカップを優勝したことなども合わさって「内藤哲也が絶対ではない」というような構図が生まれつつあることもロスインゴの刺激になっているように見えるのです。


これもバンドで例えますが、ソロ活動をしてみたら全員が力をつけて評価されてそれでバンドに戻ってきたみたいな感じでしょうか?
まぁそれを加入していきなりやっている鷹木というのも特異な性質を持つ人だよなぁと思うわけですが、この結果としてロスインゴから感じる単純な強さが増したように思います。

このメンバーだとBUSHIの扱いが露骨に悪くなるという点だけは気がかりなのですが、良い意味でロスインゴを踏み台にして各々の選手が羽ばたいていけそうなユニットになってきたようにも思うのです。

高橋ヒロムが復帰して正真正銘の6人になった時にロスインゴはどうなるのか

さて、待ち遠しいのが高橋ヒロムの復帰です。
今のロスインゴは強くて人気もあり魅力的なユニットなのですが、またしても色が少し失われているように感じます。
それはもちろんヒロムという一人レインボーのような存在がいないからです。

そして、ヒロムがいないだけで妙に男臭いユニットになっている(鷹木の存在で)ところもありますし、恐らくロスインゴファンの中でSNSなどの上っ面の言葉ではなく本音で語らせたら「どの時期のロスインゴが一番好きだった」ってのが割れると思うんですよ。

だからこそ、この状況でヒロムが戻ってきて6人のロスインゴになった時にどんなユニットになるのか?が楽しみになるじゃないですか。

内藤とヒロムは昔のように明るさを持つロスインゴを出してくるのか?
高橋ヒロムは鷹木信悟を際立たすこともできるのか?それとも消し合う状態になるのか?
ジュニアのヒロムが戻ってきたら鷹木はヘビーへ行くのか?ジュニアに残るなら誰がシングル路線に行くのか?
5人の中のヒロムと6人の中のヒロムではどのような違いが生まれるのか?

そして5人までならシングル・タッグ・タッグのような形で全員がベルトを持って登場なんてことができましたが、6人になった時にそういう光景を見ることができるのか?

何よりも制御不能なロスインゴが戻ってくるのか?

6人になると12人タッグはあまり多くありませんが、基本的にどのように分かれるのか?
漢字組と英語orローマ字組に分かれるのか?(内藤・髙橋・鷹木)(EVIL・SANADA・BUSHI)
もしくはアラフォー組かアラサー組に分かれるのか?ロスインゴ内での世代闘争の可能性は?

などなど、ロスインゴが更に髙いところへ行くための夢の橋が広がっていきますね。


個人的には、ロスインゴ史上最大のシュールな絵になったこの3人の楽屋映像がまた見たいですけども(笑)
心霊写真かと思いましたからね(笑)


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