後楽園ホール3連戦の最終日のメインイベントでエルファンタズモとロッキーロメロというカードには開幕前は違和感がありました。
それはもちろん「なぜロッキーロメロがメイン?」という部分です。
誤解のないように書きますがロッキーロメロが素晴らしい選手であることは理解している上で、現在の立ち位置を考えればということです。
しかし、ロッキーロメロはオスプレイととんでもない名勝負を見せるなど絶好調であることをファンに見せつけるかのように、ベスト・オブ・ザ・スーパージュニアをここまで戦っていたので違和感はいつの間にか期待になっていました。
そしてそれは「何か起こりそうだ」というカードであると意識するまでになったわけですが・・・まさに何かが起こり歴史に残る試合となったと言えるのではないでしょうか。
後楽園ホールのメインイベントでロッキーロメロが28分の激闘の末「腕ひしぎ十字固め」で勝利した
オスプレイとの次元の違う戦いで新日本プロレスファンにも完全に認知され支持されることになったエルファンタズモですが、そのエルファンタズモに対して全く負けていなかったロッキーロメロ。
スピード、パワー、テクニック、そしてコミカルな部分までプロレスの魅力をたっぷり詰め込んだ28分間の長い試合はロッキーロメロが腕ひしぎ十字固めでエルファンタズモからタップアウトを奪い、全勝の男をついに止めるという結末が待っていました。
飯伏幸太にも勝利したオスプレイに勝利したエルファンタズモをロッキーロメロが倒したということも凄いですが、ベスト・オブ・ザ・スーパージュニアの後楽園ホールのメインイベントで腕ひしぎ十字固めで勝つという光景はそうそう見られるものではありませんし、下手すればこのような結末はこれから10年以上無いかもしれません。
ロッキーロメロは新日本プロレスへの参戦歴が長く、誰一人ロッキーロメロを外の人間とは思っていません。
新日本プロレスを代表する選手であるという見方をしているファンがほとんどだと思います。
その思いに対して、外敵であるエルファンタズモを腕ひしぎ十字固めで倒す、しかもジュニアの大会のメインイベントともなればロッキーロメロから新日本を感じない方がおかしいです。
新日本プロレスから新日本プロレスらしさが失われたという声もオールドファンから囁かれる中で、ロッキーロメロが新日本プロレスを見せたというのは正直感動してしまいました。
もちろん連勝の首位に勝っても勝ち点は2しか入らないので、勝ち点4のロッキーロメロが優勝決定戦に進出することはありませんが、この試合はファンの記憶に永遠に残ると思います。
ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア後にこの大会のMVPを投票する企画があればロッキーロメロが受賞するのではないか?と思うぐらいにロッキーロメロは健在であることを証明した大会になることでしょう。
さて、難しいのがこの1勝が他の選手に与える影響です。
次の大会ではエルファンタズモとYOHが戦いますが、ここで勝利して残り3勝しても勝ち点は12止まり。
オスプレイはすでに勝ち点10、エルファンタズモも10、田口とロビーイーグルスが勝ち点8ですから、相当わけのわからない試合結果が連発しない限りYOHの進出は難しいです。
ロッキーロメロがファンタズモを倒したことでYOHにチャンスが生まれたというわけではないんですよね...
たが!考えてみるとロッキーロメロが勝ったことで同門CHAOSのオスプレイや監督対決が話題となった田口に追い風が吹くことにはなりますので、後から振り返れば「ロッキーのおかげで優勝決定戦に行けた」という選手が出てくるのかもしれません。
なにせロッキーはオスプレイと田口に負けてファンタズモに勝利したわけですから、この試合は他の選手にとってもターニングポイントになるべくしてなるでしょうからね。
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