ニュージャパンカップの1回戦をテキサスクローバーホールド、2回戦をドラゴンスープレックスで勝利した棚橋弘至。
スタイルチェンジをしていかなくてはという思いはこれまでにもコメントしていますが、現状は「ハイフライフローを封印した」というだけで、大きな引き算をしただけの状態ですからスタイルチェンジとまではできていません。
「理想としてはシャイニング(ウィザード)、足4の字に切り替えた武藤(敬司)さんのようなスタイルチェンジを模索していたんですけど…。何か(新技)があってハイフライを封印というわけではない。いざとなったら飛ぶしかない」と偽らざる本心を明かした。
東スポでの棚橋選手のコメントを見るまでもなく、スタイルチェンジと言えばやはり誰しもが武藤敬司を代表的な存在として答えるでしょう。
高田延彦を倒したドラゴンスクリューと四の字固めは繋ぎ技から一気にフィニッシャーへと昇華され、そしてシャイニングウィザードという技の登場で試合中にもフィニッシャーにも使える便利すぎる技を加えたことでプロレス人生もトップを張れる時間も大幅に伸ばしました。
シャイニング系の技はプロレス界で爆発的に流行しましたし、やはり武藤敬司はずば抜けた天才だったのだと思います。
ただ、僕も30年近くプロレスを見ていますがスタイルチェンジの成功例というのは・・・他にあまり思いつきません。
先月引退した飯塚選手はある意味で大成功例かもしれませんし、もちろんヤングライオンから海外遠征して帰国したときは誰しもスタイルチェンジしているのですが、トップ中のトップの選手がキャリア中盤から後半でスタイルチェンジを成功させるというのはあまり例がありません。
蝶野選手にしてもコスチュームが黒くなって多少技が変わったぐらいで、実はそこまで大きな変化はしていません。
ジュニアの選手はただ飛び技ができなくなって減らすぐらいの話です。
内藤選手はスターダストを封印してデスティーノを使うようになりましたが、スタイルチェンジというよりはキャラチェンジ寄りだと思うんですよね。
飯伏選手、ケニー選手などは足し算をすることでスタイルは変わっていっているとは思います。
ただこれがまた抜群の存在感のあるこの2人だから良かったようなものの、これをインディーのいろいろやりたいだけみたいな選手がやってしまうとただのエディットレスラーみたいになってしまったりもしますよね(笑)
棚橋選手の場合はどうやってもまずハイフライフローを一旦引く(封印というよりとっておきにする)ことと、新しいフィニッシュの形を定着させることができるかどうか?ですが、例えばドラゴンスープレックスやテキサスクローバーホールドなど元々それでフィニッシュすることがたまにあるレア技を新フィニッシャーに昇格してしまうと意外性もなくチェンジ感もありません。
何なら棚橋弘至がバージョンダウンしただけという見方になってしまう可能性すらあります。
ただ武藤選手のシャイニングウィザードもそうですし、近年のプロレスで妙に便利に使われるようになった膝系の技&トラースキック系の技というのも膝の悪い棚橋選手には合いません。
(武藤敬司が膝が悪いのにシャイニングウィザードを使い始めたときは、膝が悪い設定だと思ってしまいました 笑)
今更パワーファイター化されても困るのでラリアッターになられても困りますし(笑)
でも、脱ハイフライフロー・チェンジスタイルということであればケニーオメガを新しいフィニッシャーで倒すべきだったと思います。
武藤敬司の代名詞となったドラゴンスクリューと四の字固めは、あくまでもあの日本中が熱狂した武藤VS高田・新日とUWFのあの試合だったからこそ一気に価値が上がったわけですからね。
それ以前も武藤選手はこの2つの技は使うことがありました、それを大舞台でのフィニッシュに選んだことで大爆発したのですから、やはり棚橋選手にも新日本プロレスにも勇気を持って東京ドームのメインでハイフライフロー以外のフィナーレを選んでほしかったなと今では思います。
棚橋弘至のニュージャパンカップ、次はザックセイバーとの戦い。
勝利すれば次は恐らくSANADAでしょう、そして決勝はオカダかオスプレイか。
スタイルチェンジに成功するのであれば、ここから3試合を新技で勝利するか決勝戦を新技で勝利するか?しかないはずです。
それが無いならG1の決勝戦、東京ドームのメイン・・・と大舞台で勝利する時でないといけないですよね。
でも当然大きな舞台であればあるほど「え?終わったの?」を避けるためにハイフライフローを使いたくなるなると思います。
デスティーノだって初披露から暫くは盛り上がることなく「ワン・ツー・スリー」「小さくザワザワ」ぐらいでしたから。
そう考えると棚橋選手が新棚橋弘至になるためには、昨年のG1→東京ドームしかなかったような気もしますので、やはり今回のニュージャパンカップがラストチャンスに近い重要な時なのではないかと思います。
そもそもザックに負けたら終了ですが(汗)
ツイスト・アンド・シャウトを何とか格上げできないものか!?
武藤選手パターンでこれまで使っていた技を昇華させるならネックスクリュー・・・じゃないやツイスト・アンド・シャウトが良いと思うのですけどね。めっちゃカッコいいと思いませんあの技?
ただ、あれを相手をロープに引っかけてやるとただのネックスクリューになりそれこそ武藤選手が使っていましたし、少し持ち上げて垂直気味に落とすと必殺技感は出ますけど棚橋弘至に垂直落下系の技は似合わない。
似合わないというかそんなことをしてしまうと棚橋プロレスが根底から崩れてしまうので、それはスタイルチェンジとはまた別の話になってしまいます。
かと言って、2018年のイッテンヨンで披露したセカンドロープからのツイスト・アンド・シャウトは・・・驚くぐらいゆっくり落ちていったことで通常のツイスト・アンド・シャウトの方が明らかに痛そうという(笑)
ベッドから寝返りで落ちていくより遅いぐらいでしたので、棚橋選手がこれをやろうとしなくなった気持ちはわかります。
ただ、ツイスト・アンド・シャウトには最高の変化系があるような気がするのです。
その片鱗がこのニュージャパンカップ中に見れるような予感が少しだけします。
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