新日本プロレス4月1日両国大会で「NEW JAPAN CUP(NJC)」覇者ザック・セイバーJr.(30)とのV11戦に臨むIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(30)が29日、頂上決戦の青写真を明かした。他の優勝候補を連破して挑戦権を獲得したザックの勢いを警戒するオカダは、短期決着に勝機ありと分析。高度なサブミッションを完封し、棚橋弘至(41)の持つ連続防衛記録に並ぶつもりだ。
いやね、ザック・セイバーは内藤を倒し、飯伏を倒し、SANADAを倒し、棚橋を倒しての優勝からのオカダへの挑戦ですけどね(4月1日)これオカダが背負うものが大きすぎるだろうと。
まずザック・セイバーが倒してきた相手は見ての通りトップ選手たち。
そして内容も面白く圧倒的な関節技で勝利してきたわけだ。
さぁ、これでオカダがザックを叩きのめしましたと。
「あの4人を倒してきたザックを倒した俺ツエーーー!!」
ってだけの試合になったら、これはファンが離れますよ。
離れるファンって内藤や棚橋のファンじゃないですよ、オカダのファンがです。
プロレスラーにファンが心酔するのは強さじゃなくカタルシス。
恐らくそれを見せたいプロレスラーが多くオカダ自身だって中学生でプロレスラーを目指した男ですから持っている感情でしょう。
でもオカダという素晴らしい素材を新日の看板にするために色々なプロレスラーの「見せ場」を奪い取って絶対王者にしすぎてしまっているので、これではオカダのファンは彼の深いところの物語に入っていけないと思うのです。
前にも書きましたが、明らかにオカダカズチカという素晴らしい超人は、最近表情に元気がないですしイライラしているように見えます。
それもそうでしょう、どんな電球でも光らせることができるぐらいの電力を持っているはずのオカダなのに、いつも同じ電球を装着させられているのですから。
関節技の鬼、ザック・セイバーという相手に対して、オカダが最近妙に多用しているがファンがあまりピンと来てないコブラクラッチ。
まかり間違って、関節技の鬼ザック・セイバーにコブラクラッチで落としてレインメーカーで勝っちゃうなんて形になってですよ「あの4人を関節技で倒したザック・セイバーを関節技で落としたオカダカズチカが最強!!」なんてことになったらこれは最悪のパターンでしょう。
でもそうなりそうで僕はちょっと試合を見るのが怖いです。
ただ難しいのが新日V字回復の大きな原動力はオカダの存在。
それ故にオカダはオカダ自身を背負うところから始まるプロレスラーの美学、カタルシス、挫折、復活、怒り、悲しみ、喜びなどを背負わせてもらえずに、25歳で会社を背負わされて、今はプロレスを背負わされているという印象なんですよ。
無論、オカダは凄いレスラーだったので何を背負わされても潰れなかったわけですが、このままオカダがトップから不動の状態だと、10年後20年後にプロレスファンがオカダを語るときに「強いチャンピオンだったね」でエピソードが終わってしまいかねません。
猪木、長州、藤波、前田、武藤、蝶野、橋本、棚橋、真壁、内藤、他の団体なら三沢、小橋、川田、大仁田、サスケ、ハヤブサ、などなど1人語るだけでも朝までプロレスファンが語らえるようなものをオカダから新日は奪ってやいませんか?
オカダに対して過保護、会社が守っているという見方もありますが、そうなのか?と。
一番酷で雑な扱いをしていやしませんか?って最近僕は思ってしまうのです。
金の雨を降らすオカダの雨が何かによってピタリとやんでしまう。
ボロボロになったオカダ、絶望の中で迷いながら戦い、皆が捨ててしまったレインメーカードルをふと1枚拾い上げ、レインメーカーとして蘇る・・・(というようなことをプロレスで表現するという意味)その姿がプロレスラーが表現できる他のジャンルとは違う世界感だと思うんですけどね・・・。