あの煮えたぎり燃えたぎるような熱さをもう1度

30年近く新日本プロレスファンをしていますが「昔はよかったなぁ」と思うことってあまり多くありません。
なぜなら、ほぼ全てにおいてエンタメとしても試合内容としても今のリング上で行われていることのほうがレベルが高いからです。
今の3試合目ぐらいのクオリティが一昔前のメインぐらいってときも普通にありますからね。

個人的に昔の新日本プロレスで「これは好き!」というところを挙げていくと、80年代はギラギラした怖さが魅力でした。プロレスラーに強さを求めた時代ですし、それは今でも持っていてほしいというか、牙が抜けたのではなくて牙は隠している状態であってほしいというのはありますね。

90年代の良いところって新日ジュニアの戦いは世界中に影響を与えましたし、三銃士にしてもNWOにしてもムーブメントはありましたが僕としてはフィニッシュ技が地方大会でわりと色々あったのが好みでした。
今の新日だと地方でもしっかりその選手の代名詞である技で試合を終わらせますが、あの当時って1人の選手が複数の決め技を持っていたなぁと。
武藤なら別にムーンサルトじゃなくてもフランケンシュタイナーで終わらせたり、四の字もあるし高角度後方回転エビ固めで終わらせたりとか色々ありました。長州もラリアートとサソリ固めで2つ、あとバックドロップで終わらせることも普通にあった気がしますし。
今の新日だと第一試合と第二試合は巡業でほぼ同じカードで同じ内容ってことも珍しくありませんからね。

ただ、本当にそれぐらいのことが昔はいいなぁという感じで、もうクオリティとかストーリーに関しても今の新日は素晴らしいですし、だからこそここまでの人気が出ているのでしょう。オカダ、内藤、ケニーは折り紙の実力ですし、飯伏にしても後藤にしても、EVILやヒロムなど若い選手がメインイベンターに成長した上でヤングライオンも豊富&外人選手も豊富、棚橋や真壁のメジャーどころも健在。
第三世代もまだ現役ですし、鈴木みのるのような素晴らしい悪役もいるし、ライガーのようなレジェンドもいます。
団体を二部制にしても満員御礼の連発になるぐらいの選手層ですから、もうプロレス界で圧倒的な1強状態なわけです。

そう、1強状態・・・これが・・・嬉しかったんです・・・暗黒時代も経験しているから・・・だけどもだけど・・・

他団体に対して新日選手と新日ファンが一体となって燃える展開がもう無いのが寂しい!!

新日VSUWF、VS全日、VSノア、色々ありましたがやっぱり団体対抗戦って燃えるじゃないですか。
武藤と高田の時なんて翌日中学校で僕ら新日ファンはUファンの前で雄叫びをあげて喧嘩になりましたし、全日ファンの同級生ともバチバチしましたよ。でもそれも含めてプロレスですし、プロレスの醍醐味じゃないですか。

ただあまりの1強状態ですから、他団体と今対抗戦をしても勝てばイジメに見えますし、負ければ相手の団体の救済をしてあげている余裕に見えてしまうという状態ですから、今やっても対抗戦ではなく交流戦って感じになるはずです。

ここ近年で新日ファンになった人は凄く沢山いますが、大体は特定の選手やユニットのご贔屓になっていますし、そういうファン同士でSNSで言い合いしたりとかしているので熱いことは熱いのですが、それって新日内同士のファンのバトルってことですよね。
こういうファン同士が、全員で新日ファンとして外敵に対して燃えるという展開を楽しみにしているのですが、それが成立するためには国内の他の団体がもっと盛り上がらないと駄目なんですよね。

でも難しいことに試合のクオリティとかそういうところで人気が出るか?と言えば全然そうじゃないわけですよ。
売り方とか見せ方、広め方が上手くないと良いものでも売れないのがビジネスです。プロレスでも同じことです。

なので現時点では熱い対抗戦ができることに関しては期待薄。
新日内のユニット抗争を盛り上げることぐらいしかできないと思いますが、やっぱり選手も飽和していますから新日で別ブランドを作って数年後に対抗戦をさせるなどする方がいいのではないか?なんてことを妄想しています。

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