時代を見誤ると...

誹謗中傷というものは絶対に良くないことですが、批評というのは運営の目安になる意見として貴重な物。

今回の高橋ヒロム選手と金丸義信選手のタイトルマッチは内容に引き込まれましたし、木曜日開催の大会で22時を回るという予定調和的ではない激闘はとてもおもしろかったのですが・・・You Tubeのコメントが荒れ気味です。

高橋ヒロム選手という人気レスラー、L・I・Jという人気ユニット
これまでならL・I・Jに勝った選手が誹謗中傷をされたり批判されたりとしていた流れが一変しているのは・・・興味深いというか・・・シンプルにL・I・J人気にやや衰えがあるのかなとも思いますし、それに加えて今回は金丸選手の勝利を願うファン&金丸選手の徹底した膝殺しの詰め方から「金丸が勝たないとおかしいやん!」という思いがファンに生まれたのでしょう。

加えて「SANADA戦の前の高橋ヒロムが負けるだろうか」や「高橋ヒロムがIWGPジュニア歴代防衛記録を更新するまで落とすことはないのではないか」というファンの予測も含めて、意外性を見たいと思うファンからの批判の声が増えたのかなぁと思います。

高橋ヒロム選手やL・I・J絡みの動画でここまでネガティブコメントが多いのは異常事態ですが、そうなってしまう土台が生まれてしまっているこの状況。

ここから歴代防衛記録更新、ヒートの11回を超えるにはまだまだ遠い現時点でこの空気感は結構シンドイかもしれませんね(汗)

また、本来ならそれを達成した上でIWGPヘビーに挑戦してほしいという思いもファンの中にあったのでしょう。

加えて「この試合でベルトを奪取したら大盛り上がり!」という試合でベルトが移動することがほぼ起こらずに「ここで順番だよね」という時にしかベルトが動かないという近年の新日本プロレスの流れに気持ちが乗らないファンも増えてきているのかな・・・とも思いますね。

私の場合はそういうところも含めて30年以上プロレスファンを続けていますし、勝ち負けだけがプロレスじゃなくマンネリが長くても永遠に続く物語をずっと見ていたいという思いですが、これはもう腐れ縁みたいなものなわけですよ。

でも近年ファンになった人というのは当然「娯楽が沢山ある中でプロレスに反応した」人が多いわけですから、そこで受ける刺激が足りなくなったら離れていく可能性も少なくない。

加えて最初は「推しの選手が活躍しなければ不機嫌になる」という層が徐々に「過剰に推されると面白くない」というか「プロレスラーって下から這い上がっていくところが面白いものなんだな」と気がついて来ることによって、新規ファンの増え止まりをしたコロナ禍の直前からの3年で全く状況が変わっているのではないかとも思うのです。

これは以前にも書きましたが、私みたいな平成初期からのファン歴があったとしても当時はワールドプロレスリングを週1で見る&東スポや週プロやゴングで情報を得るって感じだったわけですよ。

でもこの数年のファンの方々は、一昔前の10倍20倍の試合数を見ているわけですよね。
加えてコメントも全試合見れるわけですから、古参ファンの人とは見ている歴史の長さは違えど見ている試合数なんて母数ベースで考えればもう大差ないんですよ・・・

そうなると当然「飽き」も早いですし「プロレスへの価値観」が変わる速度も早いでしょう。

新日本プロレスというドラマシリーズに対して「5・6・7・8話ぐらいを見なくても特に話は進んでないよな」って思われ始めているのはかなりの痛手だと思うのです。

ただ、ピンチはチャンスでありマンネリもチャンス。

ここで高橋ヒロムがSANADAに負けましたなら「やっぱり」と言われて「でBOSJで優勝決定戦までは行くんでしょ?」とか「負けた相手とIWGPジュニア戦をやって防衛でしょ?」と言われて、どんどん悪化していくと思いますが・・・仮にSANADAに勝利するという大サプライズがあれば?

当然「高橋ヒロムを推しすぎで腹が立つ」というファンも出てくるかと思いますが、その感情になる前には大きな驚きを与えるという重要なピースが生まれますし、逆に言えばそういうビッグバンが起こらないなら「このどんたくシリーズって何だったの?」って思うファンが離れていく可能性も少なくないですからね。

BOSJも「やっぱりヘビー級には勝てないジュニアの祭典」になってしまうわけですし・・・

ただね、内藤哲也の前にDOUKIが完敗したと。
これがフックになっている可能性もありますから。

「推されすぎて腹立つけど凄いことを成し遂げたヒロムちゃんから目が離せない!」

って空気にしてほしいですね。


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