厳しい現実

何だかんだありましたが、実現することができたオカダカズチカvs清宮海斗。
清宮の希望が通って時間無制限一本勝負に当日変更となりましたが...元々の30分一本勝負で十分足りる試合時間でオカダカズチカが勝利、それも圧勝でという結果でしたね。

まず、事の経緯として清宮海斗の顔面蹴り→ノーコンテストになったあの試合に関しては新日ファンの私からしても惜しみなく拍手を送るほどの大興奮でした。

ただ、その後の清宮選手側の動きが少なかった点は少々残念だったんですよ。

試合をしないと言っていたオカダカズチカがノアのリングで清宮を襲撃して「ファンがムカつくからやる」「ノアファンに絶望を見せる」という素晴らしい立ち回りを見せたこと、そして今回の試合で圧倒して勝利して勝ち名乗りすら受けずに去って行ったオカダカズチカの方が役者が上でしたしね。

また「時間無制限」とか言っていないで「30分もいりませんよ、10分で勝ちます」ぐらいの発言をしておいてシュート気味の空気を作るほうが良かったのではないかとも思いますし、終わってみれば試合中に『確実に東京ドームが揺れる』というカードの『顔面蹴り』を使うこともなかったとなると・・・ただ仕掛けて、ただオカダカズチカを待って、ただ大口を叩いて、完敗した男になってしまうわけですよ。

これは清宮海斗ほどの未来ある選手にとっては何のプラスにもならないのではないかと。

今更「マイナスからのスタート」をさせる意味があるのかなぁという感じですよ。

しかもリベンジのチャンスなんて今後ありますかねぇ?

オカダカズチカはノアと当面関わらないでしょうし、小島聡も撤退ですから新日本プロレスvsノアというのはもう当分無いしょう。

いや「毎年1月は清宮海斗がオカダカズチカに絡むシーズン」とかアホな恒例を作りかねないのがプロレス業界だったりしますが・・・決め事になるとかなり寒い構図ですからね(笑)

全日本プロレスとノアという熱い対抗戦が今後始まりそうですし、そうなると清宮はただ「オカダにボロ負けした人」で終わりになってしまうので・・・ねぇ、GHCの重さとかにも影響があるじゃないですか。


でも個人的には「もう触れないまま終わるのもあり」とは思うんですよ。

やはり当初から言っているように新日本プロレスファンの近年のファン層は「対抗戦」「不穏試合」「因縁」とかには興味がないようですし、身内だけのプロレスが見たい層が主力のファンになっていますよね。

加えて超人オカダカズチカが少々顔を蹴られたぐらいで清宮に対して「酷い!」「最低!」「○ね!」「危険なことはしちゃいけない!」とか騒ぐぐらいで、保守的というか保護者というか・・・プロレスを戦いではなく本当にヒーローショーという見方になっているわけですから、対抗戦なんてしても得しないでしょうからね。

30年来の新日本プロレスっ子である私ですら「それなら新日本プロレスより全日vsノアの方がみたいなぁ」と思ってしまうぐらいの状況ですから、新日本プロレスと絡むメリットがもうノア側にはそんなに無いのではないかなぁと。

武藤敬司引退試合のPPVは10万以上も売れたそうですし、新日本プロレスファンの中でも私みたいな古い・・・考えとは言いたくないんですけど、恐らくもうそうなのでしょう、そういうファンが大会を見た時に同じような考えになる人も少なくなかったと思います。

強くて凄くて人気もあるのに腫れ物に触るように扱わないといけない今現在のNJPWと関わるよりは、必死に戦いを見せないといけないAJPWとNOAHの方に全力を注ぐほうが良いのかもしれません。

オカダカズチカvs清宮海斗、めちゃくちゃ双方のファンを熱くさせる状況が揃っていたはずなのですが、むしろ新日本プロレスとノアという構図に冷めてしまった人のほうが多いかもしれませんね。


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