2011年2月20日 仙台サンプラザホール「The New Beginning」
スペシャルシングルマッチで戦った後藤洋央紀と内藤哲也。
度々このブログで書いているが、この10年(10年超えちゃったけど)で「あなたの好きな試合はどれですか?」と聞かれた時に、私はこの試合を選ぶことが多いです。
THE NEW BEGINNING、新しい始まり
丁度、ほぼこの1年後にレインメーカーショックが起きたことにより、1年前の後藤洋央紀・内藤哲也戦は「THE NEW BEGINNINGの歴史」から薄れてしまっているが、私としてはこの日に感じた新しい始まりが好きで仕方ない。
2010年から頭角を現したものの、2011年は苦難の年だった内藤哲也。
東京ドームで内藤の頭が股間に当たり、やる気をなくしたジェフ・ハーディーとの超が付く凡戦、そして先述した試合で後藤洋央紀に破れ、NJCも早々に敗退、CHAOS追放、棚橋・中邑に噛みつくも勝てずとボロボロだった。
後藤洋央紀にしてもNJCで敗退、棚橋への決裂裏切り攻撃から海外遠征し戻ってくるもやはり棚橋には勝てず。
そこから棚橋の思いつきのような電撃提案でIWGPタッグに挑戦するも敗北。
田中将斗にもいいようにやられて、何も積み上げられない年度に。
しかし、THE NEW BEGINNINGでの戦いは「新日本プロレスの未来は明るい」と思える試合だった。
良い子ちゃんを一度辞めて、憎たらしさを隠すこと無く反則攻撃から華麗な攻撃まで幅広く使い、現在の内藤哲也がそのまま若いような今思えばロスインゴ前夜はあの日にあったのではないかと思うようなスターダスト。
四天王と言われながらもIWGPに手が届かず肝心な時に勝てないストレスを爆発させるかのように、気合いと勢いと豪快さで内藤哲也を追い込む荒武者。
橋本真也と武藤敬司の試合とは少し違うが、何というか90年代の新日本プロレスのような、ストロングスタイルのリングとはこういうものなのではないかという思いを受けたファンはきっと多かったはずだ。
暗黒期を抜けて、上昇していく新日本プロレスの直前ぐらいのこの試合は「内藤哲也と後藤洋央紀がきっと新日本プロレスのトップになる」「新日本プロレスを立て直す」と思わせてくれたし、同時に棚橋・中邑・真壁との戦いが本当に楽しみになった。
ただ、結果的に内藤哲也と後藤洋央紀はこの後に泥沼にハマる。
更には1年後にオカダカズチカの登場、そこからはAJ参戦などもあり「棚橋・オカダ・AJ」のIWGP路線と中邑が主役となるIC路線になっていき、それから内藤哲也が制御不能になるまで数年、後藤洋央紀に関しては今でもIWGPを手に取ったことがない。
なので、このTHE NEW BEGINNINGの後藤洋央紀・内藤哲也戦というのは、新日本プロレスにとってそこまで重要でもなく、ファンが語ることも少ない試合ではある。
ただ、その後も後藤洋央紀と内藤哲也は定期的にシングル戦で名勝負を繰り広げているし、内藤哲也が好きな「生え抜き」同士での純正な新日イズムの試合というのは、今の新日本プロレスの中で重要度というか希少価値を増しているように思うのです。
7月20日の試合、これもまた仙台で実現。
あれから11年が過ぎているが、ここから始まる生え抜き二人のTHE NEW BEGINNINGが起こるのではないかと楽しみにしています。
40代になった内藤哲也、追う側から追われる側になっている内藤哲也
ロスインゴから更に先のNEW BEGINNING
崖っぷちの続く後藤洋央紀、未だ追う側として戦う後藤洋央紀
IWGPへの道、もう1度目指すためのNEW BEGINNING