全日本プロレス、後楽園ホール大会。
メインイベントは「やらなくてはならないカード」となった王者ジェイク・リーと前王者諏訪魔の三冠戦。
本来であれば前回の大田区大会でジェイクが諏訪魔に挑戦する予定でしたが、諏訪魔の新型コロナウイルス陽性により宮原健斗・青柳優馬・ジェイクでの巴戦にカードが変更となりそこで王者となったのがジェイク。
負けずして三冠を手放してしまった諏訪魔がベルトを取り返すために意地で王道トーナメントを優勝してジェイクの前に挑戦者として立ちました。
ただ、試合は王者諏訪魔に挑戦者ジェイク・リーが挑んでいるかのように見えました。
というかジェイクもその気持ちだったのではないでしょうか?
諏訪魔を倒さないと三冠王者として全日本プロレスのトップとしてまだ胸を張れないという気持ちはあったと思いますし、試合終盤で諏訪魔の猛攻撃を受けているジェイクの目はまさに挑戦者が上を目指す時の目であり、また諏訪魔の表情はジェイクを試すかのような鬼気迫るものがありました。
その猛攻撃を凌ぎ、今や三冠王者のジェイク・リーに相応しくない名前の技「ジャイアントキリング」(今回に関してはありだけど名前を変えてもいいような...)からD4Cで諏訪魔という壁を正面突破。
そして三冠ベルトを腰に巻き、一瞬ホッとしたような表情を見せたジェイクはすぐさま力強い決意を感じる表情で勝ち名乗りを受けました。
余計な小細工のない、ヘビー級とヘビー級のバチバチの戦い。
タイトル戦にヒールもベビーもユニットも関係ない、その団体の看板となる試合を魅せるという全日本プロレスの戦い。
この壮絶な試合の後に挑戦に名乗り出たのは、ゼウスとの挑戦者決定戦を制した全日本プロレスの象徴。
少し前に試合をした男がここでスーツで登場。
これが宮原健斗らしさだよなぁ・・・(笑)
宮原が出てくることはみんな分かっている中でもインパクトを残す、これが象徴。
ジェイクからすれば巴戦で勝っている側ですが、真っ向勝負のシングル戦で大田区で決着をつけるのはファンとしても大歓迎ですし『全日本プロレス飛躍の50年』へ舵取りをしていくのは太陽なのか月なのかという方向性がここで決まる試合になります。
そんな宮原健斗はスネークリミットを解禁してゼウスに勝利。
こんな引き出しもあるんだぞというジェイク・リーへの圧力にもなるであろう勝ち方ですが、確か以前この技で大森に勝利した後に三冠戦で負けたような・・・(笑)
続いて世界ジュニア戦、こちらは王者SUGIに挑戦者児玉というカードでした。
試合を見ながら思っていたのは・・・「児玉選手!こんなやる気満々で気合入っているなら岩本王者時代からそうしてよ!」ということ(笑)
1発1発の技の破壊力もですし、その中でのらりくらりするTAJIRI譲りの動きまで含めてめちゃくちゃ魅力的でした。
これに対してパワーとスピード、そして頭脳もある岩本煌史との抗争が見たかったなぁと思いましたしそもそも児玉が全日に来た時点から「やっと岩本煌史にライバルができた」と私は喜んでいたのでね・・・
試合はSUGIの芸術的なファイヤーバードで王座防衛となりましたが、児玉が世界ジュニア王者になる日は遠くないのではないでしょうか。
さて、試合後に挑戦表明したのは2021年はとても行動が積極的なイザナギ。
SUGIは「少し休ませて」とハイペースな防衛戦に苦労を隠しませんが、この挑戦を承諾。
マスクマン同士のタイトルマッチ、どちらに軍配が上がるでしょうか。
ところで、個人的に気になっているのがTOTAL ECLIPSEの動向。
リーダーのジェイクは三冠王者、そして別にヒールと言われれば...そうでもなく「狂気の月」を一人で魅せている印象。
ただTOTAL ECLIPSEの他のメンバーはヒールというか「悪童」のような感じでおふざけも多い。
なので全員でバックヤードでコメントを出しているとジェイクが浮くことすらあるわけですが(リーダーなのに)勢いをつけてきている大森北斗とそれをバックアップするかのような土肥と羆嵐の存在は実は不気味。
芦野を裏切ったように...ということも考えてしまいますし、大森北斗が本当に力をつけた時に何か起こるような気がします。
さて、この日にはっきりと未来が見えてきたのは岩本煌史と本田竜輝。
本田の岩本煌史への直談判からのタッグ結成、岩本からのダメ出し、そして岩本煌史欠場と短期間で色々ありましたが・・・何とこの日、本田が直接立花から勝利を手にしました。
これには本田に厳しい岩本も拍手で讃えましたし、その後に一瞬リング上で何か耳打ちしている姿もありましたが...私調べでは岩本煌史が試合後に何かゴニョゴニョ言う若手には期待している説というのがありますのでこれは良い光景だと勝手に思っています(笑)
さて、試合後には本田がアジアタッグへの挑戦を希望しました。
丁度試合前に私ね、Twitterで「今日勝って岩本・本田vsT-Hawk・エル・リンダマン」でアジアが見たいと書いていたのでこれは嬉しい。
本田がかき回す姿も見たいですし、岩本とT-Hawk・エル・リンダマンなんてずっと見たかったですからねぇ。
このアジアタッグが開催される予定日は10月9日の大会ですが、ここでは石川修司と関本大介のGAORA TVチャンピオンシップもあるのでかなり豪華になりそうです。
更にはこの岩本と本田、そして現アジアチームも含めて最強タッグへの参戦も決定。
何と4ブロック制な上に意外な選手も多数参戦しますが、岩本・本田がアジアを取っていればアジア王者として参戦することにもなります。
【出場チーム】
Aブロック
◆諏訪魔&芦野祥太郎組
◆ジェイク・リー&大森北斗組
◆アブドーラ・小林&ドリュー・パーカー組
◆斉藤ジュン&斉藤レイ組
Bブロック
◆宮原健斗&青柳優馬組
◆TAJIRI&スペルクレイジー組
◆T-Hawk&エル・リンダマン組
◆イザナギ&デビル紫組
Cブロック
◆石川修司&佐藤耕平組
◆ヨシタツ&立花誠吾組
◆長井満也&LEONA組
◆真霜拳號&KAZMA SAKAMOTO組
Dブロック
◆ゼウス&入江茂弘組
◆大森隆男&宮本裕向組
◆岩本煌史&本田竜輝組
◆土肥こうじ&羆嵐組
さて、これも触れる必要があるでしょう佐藤光留と芦野の喧嘩。
試合中からずっと仲違いをしているので田村男児がオロオロと止めに入る状態...
佐藤光留からすれば「なんでお前と諏訪魔が組んでるからってお前と俺が組まないといけないんだ」というのはずっと不満だったわけですが、遂にこの日は大爆発。
アンファンに裏切られて一人になってエボリューションに助けられている側の芦野は我慢している感じでしたが、流石にここで大爆発。
バックヤードでも言い争う二人を止める田村男児がオロオロ・・・してましたが、流石に彼も腹が立ってきたのかちょいちょいタメ口で止める状態に(笑)
芦野と佐藤光留がシングルで決着をつけたとて、そこからこの関係が良くなるとは思えないのですが・・・
ただ、この二人がねっとりとした寝技の攻防をするのはちょっと見てみたいものです。
でも大田区では世界タッグの防衛戦があるだろうし、そこから最強タッグへ入るとなると・・・いつ結末を迎えるのでしょうか?
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