WRESTLE KINGDOM 10

今年もイッテンヨン東京ドームが終わりました。

メインはマンネリ化しつつあるカード
棚橋VSオカダカズチカでしたが、
お互いの必殺技を2カウントで返しての、その先を見せて
激闘の末、オカダカズチカの防衛となりました。

25年前から新日本プロレスファンだった自分からすれば
棚橋弘至というレスラーに関しては、最初は本当に認めらない存在でした。
でも、今となればアントニオ猪木以上の功労者だと思っていますし
ベルトがあろうがなかろうが新日本プロレスのエースです。

一方でオカダカズチカというのは、本当にプロレスというジャンルの価値を
今後更に上げていく存在であるという印象。

考えてもみれば、マンネリ化とは言ってもこの両者が東京ドームのメインで
シングルでタイトル戦をするというのはこれが最後だと思いますし
素晴らしい橋渡しだったのかなと感じたんですよね。

試合後の棚橋弘至のコメント
「俺の夢が途切れたのか、受け継がれたのか」

この言葉が心に響きました。
僕は後者だと思うのです。

まだまだ棚橋弘至の夢は続くでしょうし
でもある部分はオカダカズチカに受け継いだはずなんですよ。

また両者が戦うことは何度もあると思いますが
まだ棚橋が老いてない間に、この二人のタッグも見たいですね。
プロレスの悪いところって、夢のカードが叶わないことが多いことと
叶ったとしても「時すでに遅し」のことが多いですから。

セミファイナルは中邑真輔とAJスタイルズの初シングル。

これはもう、個性と個性のぶつかり合いで文句なしに素晴らしい試合でした。
ドームの中邑真輔は常にチャレンジ、そして常に名勝負という感じです。
ただ、AJに防衛をしてしまったということは、次が相当難しいなという印象。

そしてそれは、ゴツゴツの試合で昭和のファンでもビビるぐらいの
柴田と石井の試合もそうですが、今後柴田が「誰とこんな試合できるの?」
というところが心配なんですよね。

中邑真輔もそう、オカダカズチカもそう。

ユニット再編でもしない限り、もうここがピークだったなんて
オチになる可能性も長年新日本プロレスを見ていると
不安に感じてしまう部分になってきますね。

特に、現在はハッキリ言って新日本プロレスの1強状態。
それ以外は全てインディーズというぐらいの差があります。
なので昔のように奥の手で対抗戦をしたとしても、
新日本プロレス側が勝てば「相手の出稼ぎ」とか思われますし
逆に新日本プロレス側が負けたら「なんでこんな相手に負けるんだよ」と
誰も特をしないという結果が目に見えています。

プロレスファン、別団体のファン同士って昔から仲が悪いですけど
僕らの子供の頃だと、あくまでも「三沢すげー、小橋すげー」とか
思いながら「それでも三銃士のほうが強い!」なんて思っていたので
ファン同士が敵対しても面白かったですし、それこそUWFとの対抗戦とか
心が震え上がるぐらい燃えましたが、今・・・そういう対象の相手がいないと。
逆にそれが新日本プロレスが壁に当たった時の弱点でしょうね。

新日本プロレスだってあの暗黒時代からここまで来たのですから
ノアや全日も這い上がってほしいと思う今日この頃です。

さて、今年のドームが終わって明日はすぐ後楽園大会ですが
ここで何か大きく変わることがないと本格的に不安になります。

最悪のケースが、上半期はドーム辺りのリマッチを続けること。
そこからBOSJ、G1と終わって、下半期ではまたドーム権利証の争いから
結局オカダカズチカとG1勝者でドーム対決という流れ。

この全体的なマンネリ化を嫌ったからと言って
また総合格闘技が絡んでくるとより最悪なことになります。

余計なことに6人タッグチャンピオンなんてものを作ったので
誰もがチャンピオンみたいな状況になっていくわけですから
イマイチ挑戦者と王者という構図も作りにくくなるでしょう。

路線変更してヒールに戻った内藤哲也がある意味JOKER的な
ポジションになると思いましたが、後藤に負けたことで挑戦者からは遠退きましたし
外敵感のあって強さもある鈴木みのる的な存在も不在。

今、これだけ新日本プロレスがブームになっていることを考えると
今だから守りに入らずに、冒険するようなカードをドームで試して
そこからまた王道のカードにするほうが良かったのではないか?
そんなことを思いました。

なんにしても素晴らしいコンテンツを持っている団体なので
2016年も更に進化することを期待しつつ、明日の後楽園大会のカードや結果と
何より「動き」を期待しています。

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