真壁刀義がGBHを名乗る理由と矢野通がGBHを名乗る時

真壁&矢野のインタビュー後編が新日本プロレス公式にアップされましたね。
https://www.njpw.co.jp/197754
前編はIWGPタッグ選手権前にアップされましたが、それも面白かったので後編が待ち遠しかったです。
ただ・・・最近よく書いてますがタイトル戦前に新日本プロレス公式でインタビューされている側が、まぁ~負けますね(笑)

さて、元GBHの二人のインタビュー後編の前半は「矢野通カレー」の話しでしたが、個人的には結構好きでした。

辛すぎたのですが粉チーズを少々入れましたが、これは徹夜している時の夜食にオススメです。
北野エースは好きなのでよく行くのですが、ワインと生ハムとチーズと矢野通を買い物カゴに入れてレジに持っていくとなぜか少し照れるんですけどね...

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ベビーフェイスでカッコよく見せたい時代からヒールでカッコよく見せたいユニットの時代へ変わった10年

今回も凄く面白いインタビュー内容だったのですが、当時なぜ真壁と矢野がヒールとなり志をともにしたのか?と言えば、あの当時は「自分をカッコよく見せたいやつばかりだった」からなのでしょう。
ただ、これも時代の流れで形が違って来ていると思うのです。

当時に「カッコよく見せたいやつ」は「いい子ちゃん」即ち「ベビーフェイス」だったわけですよね。
当然この頂点が棚橋弘至ですし中邑真輔もCHAOS結成まではベタなベビーではないにしてもそっち寄りでした。
若い選手も棚橋弘至になりたいと思うような選手が多かった印象です。

もちろん絶対的なベビーフェイスは必要であるとして、その対極に真壁や矢野が立つことで構図を盛り上げて行きましたし反体制という今の新日本プロレスでは死語のような立ち場が徐々に支持されても行きました。

ただ、それから10年が過ぎて何が変わったかと言えば「自分をカッコよく見せたいやつ」の表現方法が「ベビーフェイスではなくヒール」になっていることなのではないかと思います。

少し前で言えばCHAOSの中邑真輔もそうですし、そこに加わったオカダもそう。
今ならBULLET CLUBジェイホワイトにしてもロスインゴにしてもそうで、本隊のベビーフェイスとして「カッコよく見せたいいい子ちゃん」が不在になっています。
要するに「いい子ちゃん」は嫌だけど「カッコよく」の路線の方が成功しやすいことがこの10年で証明されてしまったのだと思うのです。
ケニーオメガなんてその最たる例なのではないかと思いますからね。

内藤哲也は「棚橋弘至になれなかった」と言われますし、それに対して「棚橋弘至程度にならなくてよかった」と反論しますが、あながちこれは間違いではないというか真実を突いているなとも思うわけです。

棚橋弘至がずっと棚橋弘至だから次のベビーフェイスのエースが登場しないと言われることもありますが、実際には誰もそのポジションを狙っていないような感じになっている気がします。

ただ、もしも内藤哲也が棚橋弘至ポジションを目指し続けていたとして、オカダも本隊だったら?なんて考えるとGBHのようなゴリゴリのヒールが今でも新日本プロレスに存在していたのかもしれません。

そういえば、新日本プロレスの大ブレイク前夜辺りに登場した初代BULLET CLUBはまだその匂いがあったと思いますが、あの時はまだ棚橋弘至率いる本隊VSの構図だったからなのかもしれません。

ただもっと振り返ればNWOのような時代もありましたから、これは歴史は繰り返すということなのかもしれませんが。

自然発生するブーイングとブーイングしないと損から生まれるブーイング

真壁と矢野のインタビューを見ていると、自分たちと比較してBULLET CLUBに苦言を呈することが多いです。
この理由としては「表面的にブーイングをされているだけ」と感じるからのようですが、これは長年新日本プロレスを見ているファンの人も感じていることではないかと思います。

矢野通が言うように「自分たちがどう見られるか」と「どう見せたいか」の意識の差なのかもしれませんが、GBHというのはファンが本気で「テメーこの野郎!」というブーイングを引き出していました。
まぁ僕はGBHが好きだったのでブーイングはしていませんでしたが(初期はしてましたよ笑)皆のベビーフェイスを痛めつける悪いヒールが憎々しい!という思いがファンから自然発生的に巻き起こっていました。

その時点で真壁や矢野、GBHの価値が上がり勝ちでもあったのだと思います。

ただ、今のBULLET CLUBに関してはジェイホワイトを筆頭にブーイングが巻き起こるとは言っても「ブーイングするべきなんだろうな」という感じでブーイングが巻き起こっていますし、世の中の流れ的になのかもしれませんが「けしからん警察」じゃないですけど「責めれる相手は責めなきゃ損」みたいな意識からの過剰なブーイングになっている印象が強いです。

これは一時期の内藤哲也へのブーイングや後藤洋央紀に起こったブーイングも似ていて、最初は「しっかりしてくれよ!」というエールも込めたブーイングだったのが、段々と悪乗りに近くなり「ブーイングしておかないと損」になったような気がするのです。

ホテルのバイキングで例えるのであれば、"ホテルGBH"はお客さんが「美味しいから食べれるだけ食べよう!」としていることに対して、"ホテルBULLET CLUB"では「金払ってるんだから食べなきゃ損!取るだけ取って残してもいいや」になっている感じなんですよね。

そういった部分では今のリングにはGBHのようなヒールは必要不可欠ではない、とは思います。
ただGBHのようなユニットが出てきた場合にどうなるのか?というのは凄く興味があります。
存在感が無いのかもしれませんし、もしかすると全てのユニットの存在を消すのかもしれません。

追放されるために存在するリーダーは今現在いるのか?

このインタビューで印象的だったのはGBHを追放された当時リーダーだった天山広吉について「あれは追放されるためだけに存在していたリーダー」という表現です。
この辺りの表現は天才的だなと思うわけですが、今現在の新日本プロレスではユニットの合併的なことや裏切りは起こりますが「追放されるために存在するリーダー」はいるのでしょうか?
これはもちろん「後から振り返った時に」ということですが、、、そもそもユニットに明確なリーダーがいるのか?という部分もあります。

ロスインゴは内藤哲也がリーダーだと誰もが感じていますが本人はそうではないと言いますし、これはCHAOSもそうで、オカダがトップでもオカダがリーダーとしてまとめているという印象もありません。
BULLET CLUBに関してはリーダーがコロコロ変わっていますしジェイがトップだとしてもボスとしてまとめている印象はあまりありませんし、悲しいかな「ボスがWWEに移籍すると後釜を作る」というだけの交代劇ですから、冷静に考えると最悪です(笑)

唯一匂いがあるのは鈴木軍でその名前の通りで鈴木みのるがボスでありリーダーですが、丸腰のボスに対してタイチがNEVER王者となりザック・セイバー・ジュニアもいるわけですから少々歪なパワーバランスになってきています。
それに対して内藤哲也がタイチを煽っているという状況が今の鈴木軍に「何か起こるのでは?」という注目を集めることができているのではないかと思いますし、もしかすると一番の爆発力を隠しているユニットなのかもしれません。

今の新日本プロレスにGBHが舞い戻った時にどんな化学反応が起こるのか?

真壁刀義が今でもGBHを名乗る理由は「いつでも新日本プロレスに一石を投じることができるように」と語ります。
「それがベビーフェイスでもヒールでも中途半端なら潰す、危機感を持っているということがGBH」とも言っていますが、この回答もさすが時代と戦ってきた男真壁刀義だなぁと思いました。

また矢野通も「GBHの矢野と宣言して出る時には何らかの意味があるかもしれない、可能性は0ではない」とも語ります。

この二人の発言には当時を知るファンはドキドキするでしょうし、例えばそれが両国や大阪城ホールでなにか動きがあるのか?それともG1後の秋から東京ドームまで起こるのか、それとも伏線だけで何も起こらないのか?はわかりませんが、こういう匂いを振りまいておいてくれるのはやはりファンとしては嬉しいです。

個人的には以前真壁・矢野・後藤・ヘナーレの並びがめちゃくちゃにカッコよく見えたので、この4人で...とは期待しているんですけどね。
後藤のキャラで今からバリバリのヒールは難しいのではないかと思いますし、そもそもお茶の間に出ることも多い真壁がそこまでヒール化はできない気もするのですが、今の新日本プロレスにあの頃のGBHのようなユニットが登場した時にどんな化学反応が起こるのか?と想像するだけでもワクワクが止まらないんですよね...


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