努力をするとどうなるか?
「目標に近づく可能性が生まれる」
「目標に近づく可能性が高まる」
これが事実であり
「努力が報われることが保証される」
ということではない。
日本代表は確かに人並みならぬ努力をしてきています。
本田はロシアで腐らずに頑張ってミランの10番になった。
兎に角、自分を追い込んで頑張り続けています。
でも、出場機会は少なくバッシングにも合い、結果も出ていません。
香川もドルトムントという自分に合うチームにいて
ドイツ中から愛されていた環境で満足せずに
マンチェスターユナイテッドに移籍した。
でも、出場機会は減り、ノーゴールでシーズンを終えた。
なぜなら、努力をしているのは自分だけではなく
周りも努力をしているからというより他ない。
確かに日本サッカーのレベルは急激に上がっています。
しかし、周りの国だってレベルは上がっています。
スペインやブラジル、オランダにドイツが
今のままの実力で停滞しているのであれば当然追い越せるでしょう。
でも世界のトップチームは常に努力して上昇しています。
これは日常でも同じで、努力しても無駄だと思う瞬間があると
自分だけが頑張っているのになぜ?と思ってしまいがちですが
実際には周りも努力をしているというだけの話です。
さて、日本のサッカーを僕は小学生の頃から常に見ていますし
海外で活躍する日本人もJリーグも見ています。
なので、これぐらいは勝手に書く権利があると思うので
書きたいことが1つだけあります。
ドーハの悲劇の時、自分は泣きました。
それは、選手の必死さや気迫、思いが画面から伝わってきたからです。
ジョホールバルの歓喜からフランスワールドカップの時
必死にボールを追いかける選手に
また、力差があっても諦めない姿勢に
骨折しながらも1点ねじ込んだゴン中山のゴールに
本当に感動をしました。
サッカーのルールをあまり知らない祖母が
ゴンのゴールを見て拍手していた姿を思い出すと
「それ」はしっかり伝わったのだと思います。
日韓ワールドカップでは必死ながらもサッカーを楽しんでいる
日本代表の姿はエネルギーとなり日本中をお祭りにしました。
下手でもいい、決めるんだ
そんな鈴木のゴールや、気持ちで打ち込んでいった
稲本や森島、そして中田のダイビングヘッドから
痛いぐらいサッカーへの思いとワールドカップへの思いが伝わりました。
ドイツワールドカップは一旦置いておく。
南アフリカワールドカップでは「俺たちは弱い、だから必死になるんだ」
そんなテーマが全試合で伝わってきました。
限界まで走り、我武者羅になってプレーをする日本代表。
カメルーン戦での本田のゴール
オランダとの激闘
デンマークに決めた本田と遠藤のフリーキック
自分で行けるのにチームのことを考えて本田が岡崎に預けたゴール
120分間、走り続けたパラグアイ戦を終えて
PK戦での敗北が、あれほど日本中を涙で濡らした理由は
選手が戦った4試合390分間で見せた「魂」が伝わったからです。
さて、ドイツワールドカップと今回のブラジルワールドカップは
似ていると感じるところがあります。
ドイツワールドカップはご存知の方は多いと思いますが
チーム内で内紛があり派閥が生まれてしまった。
名前は書きませんが、当時のメンバーは今の代表よりも
能力的に高いのではないか?という代表ではありましたが
スタメンじゃないと腐る選手がいたのも事実。
見ていてもチーム内が上手く行っていないことが伝わってきました。
これに関しては、今の日本代表はそうではないと思いますが
結果というもの事態が似ているのです。
第一戦はオーストラリアとの試合で先制ゴールを決めるも
たった9分程度の間に3失点をしての敗北。
今回のワールドカップ第一戦はコートジボワールに先制するも
たった2分で2失点をしての敗北。
勝たなくてはならない第二戦でクロアチアと対戦し
チャンスを外し続けての0-0のスコアレスドロー。
今回の第二戦はギリシャの前に0-0のスコアレスドロー。
そして当時と同じなのが、最終戦がグループリーグで
最も厳しい相手ということと、そこに勝てた場合に
他の2チームの結果次第では可能性があるという状況。
更には、そのチームはGL突破を決めているので
手を抜いてくれるのではないか?という甘い論調があること。
ドイツワールドカップでは、ブラジルに惨敗し
中田がピッチで泣きながら大の字になり、彼はサッカーを引退した。
あの姿からは孤独を感じて同情してしまったが・・・
ただ、必死さが伝わらないので悲しいとか悔しいとか
そういう感情にこちら側はなれなかった。
今、ブラジルにいる日本代表は
非常に高い確率で後90分間しか残されていないチームです。
ドイツワールドカップの二の舞いになってしまうのであれば
その程度のチームだったとしか言えないです。
いや、それ以上に目標だけ高くて中身が伴わず
目標に向かって全力で走る姿勢すら見せることができていない
日本サッカーの未来にとって不必要な世代だとまで言いたい。
この2戦と同じような試合をしてワールドカップを終えたとしたら
多くの日本人は落胆するだけで涙を流さないと思います。
それぐらい気持ちが伝わってこない2戦でした。
ただ、可能性はまだ残されており、90分間という時間は
確実に日本代表に残されているわけです。
この90分の結果なんて数日後にはわかっています。
だから見届けるだけですが、できることならその90分間に
切れ間なく気持ちが伝わってくる、努力が伝わってくる
怒りも悲しみも楽しさも伝わってくるサッカーをしてもらって
この大会から日本代表が試合をする時間が0分になった時に
日本代表を応援している人から涙が流れるという「結果」を作ってほしい。
それが次の日本代表、そして日本サッカーに繋がるパスです。